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個人事業主の「屋号」の付け方について|ブランドプランナー2級
拝啓:アトナンド婦人様
この度は「屋号」に関するご相談をいただき誠にありがとうございます。
ご質問に対してメンバーシップの掲示板で返信しようと思いましたが、思ったよりもめちゃくちゃ長くなってしまったため、記事にさせていただきました。
【ご注意】
極論を言えば、「屋号」に正解はなく、最終的にご自身が納得されればそれでいいと個人的に思っています。本記事ではあくまで私が考える際にはこのように考えますよ。という内容になります。記事を通して気になった部分だけでも考え方を取入れて頂ければ幸いです。
屋号は〝コピーライティング〟に近い領域です。
とは言え、どんな屋号にするのかは、その方が置かれているビジネスの環境や状況によっても考え方が全く異なります。
本来、色々とヒアリングした上で考えていきますが、今回事前情報なしでテキストだけでお伝えするため、ポイントを長々と書きますね(笑)。
ご自身なりに解釈いただき、必要な要素だけ抜き取っていただければと思います。
屋号は顧客が一番最初に触れるコミュニケーションのポイント
言うまでもなく「屋号」は個人事業主にとって、とても重要です。
なぜなら、お客様となる方が一番最初に目に触れるコミュニケーションのポイントになるからです。
だからこそ「名は体を表す」という言葉の通り、何よりもまずは〝分かりやすい〟ことが大切です。
【分かりやすいとは】
・見て(イメージが)分かりやすい
・文字を読んで分かりやすい
・言葉に出して分かりやすい
|見て(イメージが)わかりやすい
最近、明らかに増えたなと思うのがアルファベットの屋号や会社名です。
たまにテレビCMで〝アルファベットの会社名を連呼している〟のを見かけます。
個人的には「あれって、すごくもったいないな」と思います。
色んな想いや経緯があり、アルファベットの会社名にしたと思うんですが、「何をやっている会社か説明しないとイメージで想像すらできない。」状態だと思います。
顧客との最初のコミュニケーションポイントで興味を惹けないのはもったいないです。
でも、ああやってテレビCMを打てる大企業はいいんです。
一度に大勢の人が目に触れることが可能だからです。
では、中小企業の場合はどうでしょう???
そこまでプロモーションやマーケティングにリソースが割けないところが多いと思います。
特に個人事業主ともなれば、商品・サービス開発、価格設定、マーケティング、顧客管理、融資申し込み、イベント・セミナー参加、業者との交渉などなど、とても忙しいと思います。
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そんなときに屋号や会社名でサービスが「イメージできる」or「できない」というのはもったいないと思います。
そんなことかと思うかもしれませんが、中小企業や個人事業主はこうした小さな積み重ねがとても大切です。
リソースの豊富な大企業の真似をするのではなく、小さな一歩を着実に積み重ねる仕掛けが必要です。
|読んで分かりやすい
これは先ほどのイメージの話と重なるところがあると思いますが、まずそもそも屋号が読めないケースがあります。
・漢字が読めない
・アルファベットの羅列なのか単語なのか分からない
・(英語以外でも)外国語が読めない
パッと見て「読める」と「読めない」とでは、ここにも大きな違いがあります。
なぜなら、「読めないと、話題にしづらい」からです。
お客さんがせっかくお店やサービスに興味を持ってもらったとしても、屋号を認識してもらえず、口コミが広がりづらくなります。
屋号関係なしに強烈な印象が残るような商品・サービスがあれば「あの〇〇の商品のお店ね~」となりますが、商品がヒットするかは時流や運も絡んできます。
また、意外に大事なのは名刺やホームページで見た時のビジュアルです。
これはデザインの要素も含まれてきますが、実際に名刺に屋号を付けてみたら何か違うなーとなる場合もあります。
同じ言葉であっても漢字がいいのか、ひらがながいいのか、カタカナがいいのか、英語がいいのか、またはそれらの組み合わせがいいのかで印象が全く異なります。
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いろんなパターンの組み合わせを出してみて、実際に名刺に載せたときのイメージを見てみるとよいでしょう。
|言葉に出して分かりやすい
言葉に出して分かりやすいというのも重要です。
これは読める読めないとはまた違う観点で、顧客が口にしたときにその言葉に込められた背景やストーリーがイメージできるかということです。
口コミが広がるためには、必ず誰か(顧客)に伝えてもらう必要があります。
しかし、残念ながらその誰かは他人であり、屋号に対して自分が込めた想いまでは語ってくれません。
おそらく話題にできるのは、商品・サービス以外だとその背景やストーリーだけです。
「このお店のご主人、あそこで修行したらしいよ。」とか。
自分の想いを込めて屋号を作ることも大事ですが、顧客目線で設計することも重要です。
自分の想いはホームページで表現するなど、別の手段でも十分できるはずです。大事なのは顧客や社会に対する価値です。
中には屋号と店名、サービス名を区別する方もいますが、見た人が混同してしまうため可能であれば一緒の方がいいと思います。
結局、「屋号」ってどうやって作るの?
ここまで屋号の考え方をお伝えしてきましたが、じゃあ実際にどうやって作ればいいの?という疑問が湧いてくると思います。
実際にはブランドディレクションを行っているコンサルタントに相談するのが一番いいと思います。
(恐縮ですが、私は副業になってしまうため賜っておりません…)
なぜなら、冒頭お話しした通り、その事業者の置かれている環境によって、考え方が大きく異なるからです。
例えば、そもそも未成熟なマーケットで、サービス自体の認知が低い場合は、サービスをそのまま屋号にするパターンも多いです。
逆にマーケットが成熟している場合には、将来ビジョンや自社の歴史に焦点を当てて屋号にする場合もあります。
このように経営の基本である3C(市場、自社、競合)をよく観察しながら、方向性を決定していきます。
自社だけに焦点を当てるのは避けたいところです。
おススメなのは屋号+「タグライン」
ここまでいろいろお伝えしてきて「色んな要素を屋号に集約するのって大変だなー」って思われた方も多いかもしれません。
実は、その通りなんです!!!
そもそも数文字だけの屋号にすべてを集約しようとする方がムリなんです。
だからこそ、自分の軸を一つ決めてもらい、屋号はそれに従って決めてもらえればいいと思っています。
その代わりに、屋号と一緒にぜひ考えてほしいのが「タグライン」です。
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