炎のチカラ
過去記事でも書いたが、飯能の宮沢湖がここのところのお気に入りで、6月の中旬にまた行ってきた。
今回も晴天に恵まれて、というより、関東地方が30℃越えになった日で、朝から汗ばむような天気だったこともあり、最初から、温浴施設のほうへ向かった。
前回かなり混んでいたこともあり、覚悟して行ったのだが、前回ほどではなく、休憩所でも席があり、レストランもまたずに入れ、のんびり過ごすことができた。
露天風呂には目隠しのため、かなりの樹木が植えられているのだが、そこから透ける木漏れ日に見とれながら、ゆっくりお湯につかっていた。
風があり、屋根の下は日陰になるため30℃越えの気温もあまり気にならない。
ひたすらのんびりして、夕方、ようやく湖へと向かう。
湖畔のメッツァという施設で、フィンランドで夏至の日にやるかがり火のコッコというイベントがあると聞き、楽しみにしていたのだ。
かがり火なので、暗くなってからやると思っていたら、夕方の5時からということで、ちょうど始まるときに会場の芝生の広場についた。
スエーデン出身の落語家さんが点灯式をやるために北欧つながりで呼ばれていて、達者な日本語を話しながら、点灯していった。
思ったより小さかったけれど、天気がよく風もあったせいか、勢いよく燃え上った。落語家さんは先週もやったそうだが、今日のほうが早いと言っていた。
暗闇の中何時間も燃やすのかと思ったが、15分ほどで火は燃え尽きたけれど、陽ざしの中、湖の前で燃え盛る炎はなんだか不思議な感じだった。
もともと悪霊を払うための儀式だそうで、一緒にいた彼氏が「どんど焼きだね」と言って、なるほど、と思った。
炎というのは安心感があるようで、反面なんだかとても怖い。ある意味パワーというかエネルギーの塊だと思う。
コッコもまさにそんな感じ。
人が炎に感じるイメージは太古の昔から、言語や文化を超えて、同じものがあるのかもしれない。
期待とは違っていたが、なんだかとてもスッキリした気分で、その場をはなれた。距離はあったけれど、私の悪霊も払われたのだろうか。
だんだんと夕暮れがはじまり、人々が帰路につく中、逆らうように湖ぞいをムーミンバレーのほうまで散歩に向かう。
炎のチカラな余韻を感じながら、
てくてく、てくてく。
昼間の暑さの名残りも落ち着き出し風が柔らかく吹き抜ける中、
てくてく てくてく
水の気配と緑の匂い
ゆっくりとすぎる時間。
炎のチカラと水のチカラ
そんな夕暮れ。
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