コロナ禍にイギリスオックスフォード大学に留学してみた19 ~ イギリスの粋な計らいとは? ~
今までイギリスの魅力を色々書いてきましたが、
なんやかんや、私が思うイギリスの1番の魅力は、「粋なところ」だと思っています。
イギリスで暮らしていると、ただのサービスにとどまらない、心が温かくなるような計らいに触れることが本当に多いのですが、
これは長期滞在しないとわからないことなのではないかと思います。
ということで今回は、オックスフォード周辺で感じた様々な「粋な計らい」を紹介していきたいと思います。
Blackwell - 昔の本をノートに
最初に紹介するのは、オックスフォードの中でも、圧倒的な本の数を誇る本屋さん、Blackwellです。
足を踏み入れた途端に漂う本の香りは、本好きにはたまらないはず!
ちょうど私が行った時、スタッフチョイスが日本文学縛りだったので、思わず撮った一枚。
そしてこの本屋さんについて、特に私が「粋だなあ」と思った取り組みが、こちら。
豊かな彩りで並ぶこれらは、かなり年季の入った本たちに見えますが…
これ、実は、もう買われなくなってしまった昔の本の表紙を再利用し、中身を全て白紙にした、「ノート」なのです…!!
せっかく、いつかの時代に世界のどこかにいる誰かが心込めて書いた本が捨てられずに済むだけでなく、
買う方も、新たな物語をノートとして綴ることができる、というメリットがあり、
非常に温かみのある計らいだなと思いました。
本を大切にする姿勢がよく伺えますね。
Covered Market - ラッピングが素敵
次に紹介するのが、大学の近くのマーケットにあるアクセサリー屋さん。
ただでさえ、木製の手作り感がたまらなく、一目惚れしてネックレスを2つ買ってしまったのですが、
頼んでもいないのに素敵なラッピングがついてきた瞬間、このお店のファンになってしまいました。
水色の柄がついた箱から現れたのは、まず、「A little something to say thank you (感謝のための、ちょっとした贈り物)」というカード。
そして、もみじ形の飾りの中から現れる、小さな巾着。この中に、お目当てのネックレスが入っていました。
この巾着も本当に可愛いし、なんといっても使い勝手が最強!
今でもアクセサリーを持ち運ぶために使っています。
このような、ちょっとした粋な計らいで人を笑顔にさせられるのって、いいなあと思いました。
Phoenix Picture House - 全映画オタクを魅了する冊子を配布
こちらPhoenix Picture Houseは、映画館なのですが、レトロな外見が目を引きます。
しかしこの映画館の魅力はそれだけはないです!
サービスで冊子が無料で配布され、しかもその中身が本当に素敵なんです。
私自身映画オタクなので、今後の映画ラインナップの紹介があるだけでテンションが爆上がるのですが、
それに留まらず、コロナ禍で直面した映画業界の苦悩や今後の意気込みなどを力強く記したエッセイなども書かれていて、読み物としての満足度が非常に高いです。
こんなに良質な冊子を、無料で受け取っていいものかと、その器の大きさに驚いてしまいました。
Blackwell’s Art & Poster Shop - サブカル色強めの不思議な空間
またまた登場しました、Blackwell。
ここは先述したとおり、本屋が1番有名ですが、アートショップもやっており、オックスフォード大学のすぐ近くに開店しています。
しかしこのアートショップ、あまり日本で見ないタイプのお店です。
アートショップというと、絵画や骨董品、オブジェなどのイメージだったのですが、(詳しくないので間違っていたらすみません)
このお店は、そのような「いかにもアート」な空間も存在するだけでなく、もっとエンタメ寄りの、ちょっとマニアっぽさもある不思議なお店です。
例えば、オックスフォードの風景画や、写真などが購入できる他、デザインやデッサンに関する専門書籍など、典型的な「アート」グッズも数多く販売しています。
しかし、それだけにとどまらず、ハリーポッター、スターウォーズ、DCなどの大人気映画に沿ったポスターや、
アベンジャーズのフィギュア、コミック、ゲームなど、
日本では「サブカル系」とみなされそうなコーナーも、かなりの面積を占めています。
ちなみに、日本のアニメ特集もありました。
このように、サブカル系コンテンツを充実させるという粋な計らいが興味深かっただけでなく(というかアベンジャーズオタクなので実はテンション爆上がりしていた)、
このように多様な文化を享受できる場が、大学の目の前にあること自体、オックスフォード生は恵まれているな〜と思いました。
The Story Museum - イギリスで生まれた「物語」を、体験できる
イギリスといえば、「アリスインワンダーランド」、「ナルニア国物語」、「くまのプーさん」など、有名な物語を数多く産出しています。
オックスフォードには、そんな「物語」に焦点を当てた、一風変わった体験型博物館、The Story Museumがあります。
ここでは、イギリスを象徴するそんな物語を再現した部屋に入れたり、その物語が世に出た背景を学んだりすることができます。
あくまでも幼い子供用のコーナーもありますが、大人でも十分に楽しめるエリアがほとんどです。
そしてこの施設、なんと、敎育機関やライターの寄付金によって建設されたそうです。
本当に人々の粋な計らいが蓄積されてできた施設なんだなと、感激しました。
このような施設が身近に存在することが、また新たな物語を生み出すきっかけになるといいですね。
ということで、今回は、イギリスの粋な計らいに着目して、実際留学していた時に体験したことを書いてみました。
少しでも、素敵だな、と思っていただければ幸いです!