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露霜の声をめぐりき喜寿近し
露霜(つゆしも・つゆじも)は毎年やってくるので、めぐる年月を表します。星霜(せいそう)とおなじです。星は一年に天を一周し、霜は毎年降ることから。気がついたら唐の詩人・杜甫(とほ)の「人生七十古来稀なり」はとうに越しました。来年は数え年で喜寿(77歳)になります。もう、まだ、でも…。
二十四節気の【寒露(かんろ)】に入ります。
朝夕は冷気がましてきて、草木の葉先に露が結ぶころ。霜になりそうな冷たい露のことを寒露といいます。白く光って見えた白露(七十二候では9月7日)から寒露へ。そして霜降(そうこう10月23日)へと移り変わっていく季節です。
秋の六つある節気を三分割して、初秋〔立秋(8月7日)・処暑(8月23日)〕 仲秋〔白露(9月7日)・秋分(9月23日)〕 晩秋〔寒露(10月8日)・(10月23日)〕とします。いよいよ晩秋になりました。
Cold Dew; Cold dews drops on wild grasses.
(dew/露。drop/こぼす・落とす。wild/野性の。grasse/草)
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七十二候の【鴻雁来(がんきたる)】に入ります。
一年を72に分ける七十二候の49番目です。二十四節気「寒露」の初候になります。「清明」の次候「鴻雁北(がんきたへかえる)4月10日)」で帰った雁が、北の国から戻ってきました。
鴻雁来 Kōgan kitaru;Wild geese return.
October 8-12 (wild/野性の。geese/goose・雁の複数形)
写真は鶏頭です。この花によく似て赤い葉をもつのが「葉鶏頭」です。その葉は、雁が渡ってくることに色づくので「雁来紅(がんらいこう)」ともいわれています。枕草子にも「雁の来る花とぞ文字には書きたる」と記されています。その枕草子の第一段から。
秋は、夕ぐれ。夕日のさして、山のはいと近うなりたるに、
烏の、寝どころへ行くとて、三つ四つ、二つ、三つなど
飛びいそぐさへ、あはれなり。
まいて、雁(かり)などの列(つら)ねたるが、いと小さく
見ゆるは、いとをかし。
〔秋の好ましいときは、夕ぐれです。夕日が花やかに映えて、山の端にぐっと近づいたころに、烏が、寝どころに帰るといって、三つ四つ、二つ、三つなど 飛びいそぐようすも、印象が深いものです。
まして、雁などた列をつらねているのが、とても小さく見えるのは、
たいそう趣(おもむき)があります。
(新潮日本古典集成・枕草子から)
1000年前も、いやもっと昔から、烏はねぐらへ急ぎ、雁は北から渡ってきました。
あなたが幸せでありますように
琵琶湖のほとりの草庵にて 大ざぶろう
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