学校改革とインクルーシブ教育
本日の新聞に、公立小学校教員の採用が志願倍率の低迷により危険水準(都道府県によって差も大きいが)にあること。その状況を踏まえて中央教育審議会が「待遇改善」、「指導・運営体制の充実」、「働き方改革の加速」について答申したことが書かれており、特に目玉施策として残業代(時間数みなし)に相当する「教員調整額」を現行の4%から10%以上とする内容となっています。
私は不登校支援の立場から、一朝一夕には行かない学校改革を待つのではなく、オルタナティブな居場所(学校以外で「学び」、「遊び」、「社会参加する」場所・スクール)の整備のための社会的支援の拡充を求めていますが、学校が教員の過剰な忙しさのために管理性が高まり、マジョリティだけが対応しやすい環境になってしまっており、その画一性や規則性の高さに対応出来ない子どもにとって居心地の悪さを増幅し、不登校を増加させる要因になっている現況への対応も不可欠であると思います。
学校改革については教育関係者ではないので詳しくは承知していませんが、将来的な社会的自立、自己実現が目的である子育て・子育ち環境の整備という観点から重視していただきたいのは、インクルーシブ教育の重要性、言い換えればマジョリティでない違いや課題を持つ子どもも含む全ての子どもが、同じ環境で学べることが出来るよう、教員が子どもたちの意識形成を主導し、違いや課題に対応出来るような環境を整備することです。
そのためには待遇改善だけでなく、答申にもあるように、校務の中で標準化出来るものは極力DXを推進して教員の時間的、精神的余裕を確保することが必要であり、その推進を担保するためにも、記事中の「財務省はかねて文科省の全体の予算規模を維持する姿勢を見せている。」というような財政均衡ありきの議論ではなく、子育て・子育ちという国家、社会の基盤となるインフラ構築に関わることですので是非、政治主導の骨太な議論をしていきたいですし、教育関係者に留まらない民間の意見聴取をお願いしていきたいと思います。