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不登校児の居場所作りのための社会的認知・理解、財政・人的支援の獲得へ向けた情報発信・共…

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不登校児の居場所作りのための社会的認知・理解、財政・人的支援の獲得へ向けた情報発信・共有、社会的働きかけを主に、当事者がなかなか社会的対応について声を上げられない諸課題について発信していきます。

最近の記事

学校改革とインクルーシブ教育

 本日の新聞に、公立小学校教員の採用が志願倍率の低迷により危険水準(都道府県によって差も大きいが)にあること。その状況を踏まえて中央教育審議会が「待遇改善」、「指導・運営体制の充実」、「働き方改革の加速」について答申したことが書かれており、特に目玉施策として残業代(時間数みなし)に相当する「教員調整額」を現行の4%から10%以上とする内容となっています。  私は不登校支援の立場から、一朝一夕には行かない学校改革を待つのではなく、オルタナティブな居場所(学校以外で「学び」、「遊

    • 「ゲゲゲの謎」と首相会見

       先日Netflixで「鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎」を見ました。劇場公開(2023年水木しげる生誕100年記念作品)も大好評と聞いていましたが、昨今の今風の鬼太郎作品ではなく、水木さんの原点の世界を表現した素晴らしい内容でした。  「ゲゲゲの鬼太郎」は公式サイトに日本のカルチャーのひとつとも言える国民的アニメとあるように、誰もが知っている国民的人気作品ですが、私自身も小学生の頃に漫画やアニメを見て以来のファンですし、大人になってからも水木作品全般を読んだり、深大寺の「鬼太郎茶屋」

      • 障害者解雇

         報道によると、障害者が働きながら技術や知識を身に付ける就労事業所が今年3〜7月に全国で329ヶ所閉鎖され、働いていた障害者少なくとも約5000人が解雇・退職されたとのことです。  過去最多が年間で約4000人てあったので、本年は退職者数を含むとはいえ、5ヶ月でかつてない規模になっています。  これは公費に依存した就労事業所の経営改善を促すため、国が収支の悪い事業所の報酬引き下げを2月に発表、4月に実施したことが主な要因です。  就労継続支援は、障害者総合支援法に基づいて一般

        • 未婚率増加と出生数の減少

           少子化の進行については今更ですが、過去からの出生数(日本)の推移表を見て改めて衝撃を受けました。  今年の6月に厚労省より2023年の出生数が72.7万人となり(統計開始以降最低)、2024年は70万人を割る見込みが発表されていますが、年度毎の推移を見ると約100年前の1920年から戦争終結の1940年代半ばまで継続して200万人前後であり、戦後のベビーブーム時に270万人弱のピーク(団塊の世代)を迎えます。  一旦減少して200万人を割りますが、1970年代前半の第二次ベ

        学校改革とインクルーシブ教育

          低投票率と主権者教育

           秘書報酬の不正取得という、政治の劣化を示す事例がまた発生しました。  「支持政党なし」という層が最大の構成比を占める中、その層が棄権することで、支持率は低いが相対的に最大勢力である既成権力にフリーハンドの長期政権を許し、その結果、裏金問題の様なさまざまな不公正がまかり通る世情となってしまっています。  以前は民主主義の劣化に繋がる低投票率を憂い、「投票に行きましょう。」的なスローガンに賛同していましたが、昨今の劣化度の深化を見るに、政治の劣化は政治家だけの責任ではなく、国民

          低投票率と主権者教育

          社会支援活動の下請け化

           子ども食堂の存在は知っていても、どのようなものかよく理解されていない方も多いと思います。  私自身も行ったことはないのですが、子どもが不登校になり、学校と家庭以外の居場所を必死になって探している時(様々な窓口から様々な場を紹介されましたが、子どもが行きたがる場には辿り着けませんでした)に、地域の交流の場として子どもたちが多数来ているので、行かれたらどうでしょうと、子ども食堂を紹介されたことがありました。 ※実際には子どもの意思で行かなかった。  当時は子ども食堂の創成期でし

          社会支援活動の下請け化

          アウトリーチ型支援

           先日、殺人事件の傍聴をしてきました。  概要は80歳のご主人が85歳の妻を介護に苦闘した末に自宅で絞殺し、当初から計画していた後追い自殺をやりきれない間に、連絡が取れなくなった親族からの通報で警察官が訪問して遺体を発見したというもので、その時点で被告は自分の犯行を認めています。  所謂「老老介護」が限界を超えたことによる悲劇で、平成28年頃からほぼ目が見えない状況にあった被害者を、被告が働きながら家事全般を含めて介護(要介護1認定)していましたが、直近で急激に神経症やうつ、

          アウトリーチ型支援

          教育・福祉の民間委託

           民間企業に勤めていた時は、派遣社員の増加を身近に感じていましたが、不登校支援の活動を始めて気がつくのが、以前noteに上げた公務員の非正規化(有期雇用職員の増加、約4割を占め、ハローワークの相談員も有期雇用)と教育や福祉部門の民間委託の多さです。  いずれも2001年以降の小泉・竹中コンビによる「聖域なき構造改革」(当時は社会から賞賛されましたが…)の流れですが、保育園や学童保育、療育、放課後等デーサービス、児童発達支援センター、委託ではありませんがフリースクール、フリース

          教育・福祉の民間委託

          不登校支援の課題

           先日ある自治体の議会の一般質問を傍聴してきました。  私が関わっている「不登校支援」についても複数の議員から質問がありました。  表面的な質問があった一方、特別支援教室や校内別室教室、教育支援センター(旧適応指導教室)の機能強化や居場所のあり方、フリースクール等への学費補助や運営費補助などの財政支援推進、ギフテッド、ディスレクシアへの理解促進や支援策拡充、不登校全般の窓口一本化の早期実現やコンシェルジュ機能の強化、医療機関との連携強化等現場状況を踏まえた詳細な質問もありまし

          不登校支援の課題

          マスメディアの劣化

           「貧困が無知を誕むのじゃなくして、資本主義社会体制自体が無知を造るのだ。このことが理解出来た私は、完全なる社会的人間へと成長したと言っても僭越ではないだろう。」とかつて連続殺人犯の永山則夫は著作の『無知の涙』に綴っています。 ※事件は1968年に、青森県の貧困かつ機能不全の家庭で育って、中学卒業後集団就職で上京した永山が、横須賀基地から盗んだ拳銃を使って4人を殺害して、当時19歳の未成年でありながら死刑(執行済)となったもので、判決が現在も「死刑適用🟰量刑の一般的基準」とな

          マスメディアの劣化

          失われた30年

           「継続反復して若者の無知や未熟に付け込んで利用して喜んでるような奴は死ねばいいし死なねばならない。生かしとくべきではない。それぐらいは言っとく。」とは安倍元首相を銃撃した山上徹也被告が犯行前に旧Twitter(現X)につぶやいたメッセージとのことですが、全部で1,346件あったツイートを考察した五野井郁夫さんと池田香代子さんの対談本(集英社刊)を拝読しました。  山上氏のツイートをベースに、バブル崩壊から現在に至る日本の格差社会の進行やロスジェネ世代の苦悩について掘り下げる

          失われた30年

          憲法を学ぶ

           先日憲法学者の木村草太さん(東京都立大学教授)のセミナーを拝聴しました。  主なテーマは現在の課題を受けて、侵略戦争に関する条文(主に9条)と同性婚や共同親権に関する条文(24条)についてで、能登地震復興に関して生存権の条文(25条)についても言及がありました。  まずは前段の説明として憲法というのは「張り紙」のようなもので、私たちは〇〇を失敗しやすい。なので🟢🟢という「張り紙」を貼ろう。というのが基本イメージで、私たちの自立と責任を前提に人権及び幸福の最大化のため、前近代

          憲法を学ぶ

          教員の性犯罪公判

           本日の新聞報道によりますと、昨日横浜市教育委員会が記者会見し、2019、22、23年度に横浜地裁で審理された横浜市教委所属の教員が起こした性犯罪事件(被害者は児童・生徒)の公判において、一般傍聴者を閉め出すために多数の職員を動員(1回当たり最大50人)していたことを明らかにしたとのことです。  市教委は、被害者である児童・生徒の保護者側から要請があったとし「動員は被害者のプライバシー保護のためで、加害者をかばう意図はなかった。」と主張。一方、市教委は「行き過ぎた行為だった」

          教員の性犯罪公判

          障害者への思いやり

           現在家族とマンション住まいですが、昨年より重病の義弟(車椅子使用)と老齢の義父も同マンションの別部屋で暮らし始めました。  同じマンション内でそれなりに行き来したり、ケアしたりする生活ですが(訪問介護、訪問医療ケアはもちろん受けています。)、集合住宅生活の中でいくつか困っていること。自分なりに見えてきたこと。感ずることについて触れていきたいと思います。  一つは通路の共有スペースに物、特に自転車を置いている方が結構いらっしゃって、義弟のような車椅子使用者や歩行器、杖を使われ

          障害者への思いやり

          空気が読めます!

           先日ある集まりで元教師の方とお話しする機会がありました。  その方は退職後も短期(有期雇用)で教えられていたそうで、集まりは不登校や学校の問題について情報交換する場であったのですが、ある小学校で2年生を受け持つことになり、学校側から勉強が出来る子が多い優秀なクラスと事前説明されたとのこと。  初めて教室で児童と対面した際「このクラスのいいところを教えてください。」と聞いたところ、ある女子が元気に手を上げて「空気を読める子が多いことです。」と答えたと言います。  これには協調

          空気が読めます!

          能登復興支援と憲法

           昨日は憲法記念日でした。  憲法記念日には恒例(当然)として改憲派、護憲派双方の意見がイベントやテレビで披露され討議が行われます。  大筋の論調は政権側(改憲派)から安全保障の観点で9条の改定と、緊急事態対応の観点から緊急事態条項の盛り込みのため改憲が必要という意見が出され、それに平和主義(不戦主義)の観点と個人的人権確保の観点から護憲派(表現として主張される方々の真意とは少し違うかもしれませんが便宜上)から反対意見が出されるといった構図になります。  昨日のテレビでの討論

          能登復興支援と憲法