肩こりのレシピ
整体・マッサージでほぐしてもいつの間にかカチカチの首肩。
塗り薬、飲み薬、エクササイズ、低周波、鍼灸 … 何をやっても楽になるのはその時だけの頑固な肩こり。
自分がどのようにして肩こりを作っているかご存じですか?
え? 自分が作ったものではない?
そう思っている方ほど肩こりを根本的に改善するチャンスになるかもしれません。
ジェームズ・アレン著『 原因と結果の法則 』には、このように書かれています。
" 環境と戦うとは自分の内側に原因を養いながら外側の環境に戦いを挑むことだ。 原因は環境を改善しようという努力を執拗に妨害しつづける。 よって原因こそがまず改善されなければならない "
これを肩こりに当てはめてみると、肩こりと戦うとは、肩こりの原因を養いながら結果としての肩こりに対して対症療法で挑むことだ、という事になりませんか?
原因は肩こりを改善しようという努力を執拗に妨害しつづける。
よって原因こそがまず改善されなければならない、と。
今回は肩こりのレシピを紹介します。
肩こりの原因改善にお役立てくださいませ。
《 肩こりのレシピ 》
<材料>
・心理的緊張
<作り方>
・無意識に緊張を持続させる
〈コツ・ポイント〉
・プレッシャーを高める言葉遣い
ころりんと寝ころびリラックスした状態になって想像してみてください。
” しなければならない事 ” や ” 評価されること ” から解放された南国のビーチ(好きな場所ならどこでも!)でくつろいでいる時、肩はこるでしょうか?
満足、幸福、安心、リラックス… こんな気分に心が満たされている時に肩がこることは可能だと思いますか?
肩こりを作るうえで無くてはならない材料。
それが『緊張』です‼
ここで言う「緊張」とは、不安やイライラなどで心や体がかたくなる、ひきしまることです。
緊張は、これからのこと(予定・将来・未来)に対して心が身構える時に生じます。
今は起こっていないがこれから「起こるかもしれない」「起こりそうだ」「そうなって欲しくない」「こうなって欲しい」というような思いがある時ですね。
職場で、自分に対する上司や同僚・部下の反応が気になっている時。
家庭で、反抗期や受験生の子供、自分と意見が合わない家族がいてその態度や行動が気になっている時。
このように誰かの反応・態度・行動に対して心が身構えていて、でも自分では気になっていることをそれほど意識していない状態が肩こりを作ります。
例えば、一週間後に仕事上の重要な会議で発言予定があるとしましょう。
意識は自分の発言内容やそれに対する参加者の反応を予想することに向いており、そのことで不安になっている自分には気づけないまま一週間を過ごすというような事です。
例えば、意識は自分や子供や孫の進路や将来について考えたり想像したりすることに向いており、考えや想像に不安がついて回っていることに気づいていないというような事です。
意識は自分が気になっている対象に向いているがゆえに、自身の緊張には気づけないまま首や肩の筋肉に小さなリキミが入った状態が持続して肩こりになっていくという訳です。
こんな事情なので自分の肩こりの原因にこれといって心当たりがないことも当然かもしれませんね。
また、自分にプレッシャーがかかるような言葉遣いや考え方をする事で緊張の機会を増やしたり緊張をより高めていたりします。
「(家族のために)私が夕食を作らなければいけない」
「仕事なんだから頑張るのは当たり前だ」
「面倒だけどやっぱりメールの返事はするべきよね」
「明日の待ち合わせは遅刻する訳にはいかない」
「○○になるために努力しよう」
「もっと必死に取り組もう」
これらのフレーズの何が緊張を生じさせるのか分かりますか?
太字の部分が気分に関わらず自分をある方向に行動させようとする言葉遣いになっています。
このような言葉を使った時は自分の気持ちをないがしろにしていないか注意してください。
心の向きと体( 発言・態度 )の向きは同じでしょうか。
遊びを「頑張る」とは表現しませんよね。
これらの言葉を使うことが悪いと言っているのではありません。
自分にプレッシャーを高めるような言葉を使っている事(体の向き)に気づいている、その時の自分の気分(心の向き)に気づいている事がまずは大切なんです。
常に自分の気分や言動を客観視することを習慣化していくと、自分の心や体の状態に気づきやすくなっていきますよ。
そして出来るだけ心と体の向きを同じにしましょう。
心と体の向きが逆になった状態を「葛藤」と言います。
したいことを我慢してしない。
したくないことを無理にする。
葛藤が続くと欲求不満(フラストレーション)につながるので要注意ですよ。
仕事や家事に楽しく取り組めていますか?
楽しいというより「しなければならない」からする、という場合はすでに緊張が生じているのでお気をつけて。
今回紹介したレシピは肩こり作りの一例にすぎません。
実際には多くの作り方やポイントが存在します。
とはいえ、どんな肩こりのレシピでも必ず材料は「緊張」なのです。
施術する際にずっと感じていた事があります。
それは、肩こりさんは「他人に優しい方」や「常に気遣いをしている方」だという事です。
そこにはいつも誰かのために気を張っている姿があります。
どうぞ勇気をもって自分のために自分がしたい事をしたいようにすることを許してください。
※ 「許す」には ” 緊張をゆるめる ” という意味があり、締めたものをゆるくする「ゆる(緩)」と同語源なのだそうです。とても肯定的な言葉ですね。
そうそう、緊張しないオススメの言葉は「どっちでもいい」です。
この表現はいい加減な感じがして嫌ですか?
どっちでもいい → ゆるむ
こうでなければならない → ひきしまる
どうですか? 緊張感が随分ちがうでしょう。
この言葉は気楽で実に肯定的なんです。
こっちが良いとかそれはイヤだというのは一方を肯定してもう一方を否定することになるのですが、「どっちでもいい」はいずれも肯定するということなんです。
肯定 → ゆるむ(緩・許す)
否定 → ひきしまる
「もっと肩の力を抜いて」と言われたことはありませんか?
肩に力が入るのはどんな気持ちの時だろうと考えてみてください。
そう。いつだって自分の気持ちに気づいていることがとても大切なのです。
自分の気持ちに気づき、寄り添う。
肩こりはその大切さを伝えたくて現れているのかもしれませんね。