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藤子F不二雄さんに捧げる決意〜大人になって再読したSF漫画『ミノタウロスの皿』
先日Amazonで『ミノタウロスの皿』を偶然見つけました。しかもなんと、Kindle Unlimitedになっています。藤子F不二雄さんの大ファンとしては、見逃せません。これは読まねばなるまい。久しぶりに再読することにしました。
新しいSF短編集の装丁はシンプルで美しく、表紙には『ミノタウロスの皿』に登場する女の子が描かれています。私、藤子F不二雄さんが描く女の子が好きなんですよね。だからこの表紙はとっても好み!余談ですが、女性キャラクターの中ではエスパー魔美と、星野スミレちゃん(パー子)が好きです。
『ミノタウロスの皿』は、人間と動物の立場があべこべにひっくり返った話で、人間と動物、等しく命を持つもの同士の存在意義を考えさせられる内容です。
以前、『ミノタウロスの皿』を読んだのは10代の頃でした。その時は、キャラクターは馴染みのある藤子F不二雄さんの絵なのに、なんだかお話がとても怖かったのを覚えています。その不調和な感じが心に引っかかり、自分の中でうまく処理できませんでした。いつもの作画がよそよそしいというか、かわいいキャラクターの見てはいけない一面を見たような感じがしたのです。
それからしばらく経った2013年に、TV番組『プロフェッショナル仕事の流儀』で1996年に亡くなった藤子F不二雄さん特集を見ました。そこで『ミノタウロスの皿』は大人向けに書かれた作品だったと知ったのです。
時はドラえもんが誕生する少し前。当時、スランプに陥っていた藤子F不二雄さんは、少年向け漫画の執筆を休止し、一線を離れて自分の描きたい作品を見直していたそうです。その時に声を掛けたのが、『ビックコミックスピリッツ』の編集者の方。長らく藤子F不二雄さんの才能に惚れ込んでいた人物で、「今の自分が描きたいものを好きに書いてみなさい」と言って出来上がった作品だったそうです。
『プロフェッショナル仕事の流儀』のサイトを読むと、このように書かれていました。(ああ再放送して欲しい!)
編集者に促され、大好きだったSFをテーマに、大人向けの漫画を描いたとき、藤本の中で1つの気づきが生まれる。それは、「自分が描きたいものを描くのが漫画」だということ。周りからの目よりも何よりも、自分の心の赴くままに描くことが面白い漫画につながる。その2か月後、苦心の末、藤本は「ドラえもん」を生み出す。
繰り返しますが、私は藤子F不二雄さんの大ファンです。
『ドラえもん』は人生で初めて買ったマンガの単行本で、新刊の発売日にはワクワクでした。『ドラえもん』は、自分自身を形成している一部と言っても良いくらいで、ドラえもんの世界は自分の血肉となり、骨の随までしっかり浸透しています。私にとってSF(藤子F不二雄さんが言うところの「少し不思議:Sukoshi Fushigi」)は、当たり前の価値観となりました。
次元が変わって、パラレルワールドに潜り込むような夢に溢れた空想の世界。宇宙や科学。ツチノコ、ネッシー。夢や冒険、憧れ。過去、未来、現在。
例えば私は、4次元ポケットを通して4次元世界があることを知りました。次元構造や宇宙について母親に説明してもらい、夜遅くまで語り合ったのを覚えています。
初めて読んでから数十年経ち、久しぶりに再読した『ミノタウロスの皿』。そこには怖さはなく、藤子F不二雄さんが描くしっかりとした世界観とオリジナルの視点がありました。
前述のテレビ番組で、藤子F不二雄さんのアイディアノートを見たことがあります。そこにはロケットのニュースとか大気圏の話などの手書きのメモが、無造作にクリップでまとめられていました。そうした無数のスクラップが藤子F不二雄さんの頭の中で変換され、まるでコラージュのようにストーリーになっているようでした。藤子F不二雄さんが子供の時に読んだ『魔法の杖』という童話が、自分の心に残っていてアイディアソースになったというエピソードも聞いたことがあります。
私も私の中に無造作に蓄積されているアイディアノートを具現化したい。私も自分自身が真実だと思う不思議な世界観を表現していきたい。そのための努力したい。表現方法を見つけたい。それが2025年の抱負です。いや、藤子F不二雄さんに誓う、今後の人生の壮大な目標です。
Kindle Unlimited、立ち読み感覚で本や雑誌を気軽に読めるので、とっても重宝しています♡
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