「書評 中村 悟さん著『1分で整う いつでもどこでもマインドフルネス』を読んで 〜ビジネスパーソンの生産性につながる即効メソッド」〜
はじめに
約7年前、私は中村 悟さんと出会い、当時、職場にマインドフルネスを導入する取り組みをそれぞれの所属する企業に行っていました。中村さんとは、それぞれの活動を紹介するイベントに一緒に登壇したり、同じ志を持つ企業との勉強会・体験会の共催したり、私の会社でワークショップを実施してもらったり、など実践的な活動を支えてくれました。その中で私が特に感銘を受けたのは、彼のメソッドの「即効性」と「実用性」でした。今回、中村さんから献本していただき、この本を手に取った時、私たちがかつて中村さんから学んだ現場での知見が、体系的に整理されていることに共感を覚えました。そこで、この本を読んで、私が感じたことを書評として、短く紹介したいと思います。
書評
この本の特徴を端的に表すと、「即効性」と「実用性」です。そして、ビジネスパーソンの生産性につながる即効メソッドだと言えます。
例えば、第1章「1分で気持ちを整える」で紹介されているテクニックの中に「呼吸に注意を向ける」というシンプルな方法があります。この方法は、中村さんが私たちのワークショップでも繰り返し実践されたもので、私自身、重要な会議前や緊張感のある場面で繰り返し実践しています。わずか1分で心が落ち着き、集中力が増す感覚は、本書を読むとすぐに体感できると思います。
第1章については、中村さんのnoteにて、全文公開されていますので、気になった方は、まず、こちらをご覧ください。
また、第4章「仕事でマインドフルネス9選」の中で紹介されている「パソコン起動中に呼吸を整える」というテクニックも、私の日常に取り入れやすいものでした。パソコンが立ち上がる数十秒間、何もしないでただ待つ時間は、普段ならば些細なストレスを感じやすい瞬間で、つい、他のことをしてしまうこともあります。しかし、この本にある「パソコンを立ち上げる前にひと呼吸」の方法を取り入れ、心を整えるだけで、その後の作業効率が驚くほど変わります。このような小さな習慣が積み重なることで、業務全体の質が向上することを実感しました。
さらに、私が社内で立ち上げ、8年間続いているマインドフルネス サークル「P-Pause」の活動のメンバーにも、この本に書かれている内容は、多くの場面で役に立つと感じています。このサークルは、社員同士がオンラインで毎朝10分間、呼吸法や瞑想を行うことで、ストレスの軽減や集中力の向上を目指しています。本書で紹介されている方法を取り入れることで、さらに効果を実感できると確信しています。
この本は、日々の業務でストレスを抱え、仕事の効率を上げたいビジネスパーソンにこそ手に取ってほしい一冊です。具体的な実践例が豊富に詰まっており、すぐに試せるものばかりです。本書で得られる知識は、単なるストレス解消にとどまらず、より良い仕事環境や充実感のある働き方を実現し生産性を高めるための強力なサポートとなると思います。
ぜひ、忙しく働くみなさんに読んでいただきたい一冊として、心からお勧めします。
あとがき
この書評を通じて、中村悟さんの『1分で整う いつでもどこでもマインドフルネス』の魅力を少しでもお伝えできたなら幸いです。本書で紹介されているマインドフルネスの実践を通じて得た気づきや心の平穏が、日常の些細な瞬間にも反映されていると感じます。
特に、見出しのイチョウの写真は、私がマインドフルネスを意識して撮影したものです。秋の澄んだ空の下で、黄金色に輝く葉一枚一枚の美しさをじっくりと味わいながらシャッターを切りました。その瞬間、周りの音や風の流れをありのままに感じ、心が穏やかになったことを覚えています。この写真は、日常の中で「今、この瞬間」に意識を向けることの大切さを象徴しています。
本書をきっかけに、多くの方がマインドフルネスを取り入れ、日々の中で小さな気づきを見つけていけますように。私自身も引き続き、この学びを生活の中で実践していきたいと思います。