45 / 55、 皐月まう さん 【 企画 / 虎吉の交流部屋初企画 】
虎吉のトップページ固定記事「虎吉の交流部屋」内で、この夏、以下のシークレット企画「虎吉の交流部屋初企画」を開催しておりました。
● タイトル : 季節のnote(7月)
● 募集期間 : 7/1 ~ 7/31
● お 題 : 7月の季語から1つ以上選び、
それをテーマに自由に書く
そこで今回、ご応募いただいた作品を、応募いただいた日時の早い順に紹介させていただきます。
【 45 、 皐月まう さん 】
● 季語 : 夏の夜
🌳① 感動、感激、共感、ポイント
圧倒的な表現力に感動、感激、共感です。
内容はそれほど劇的なものでなく、テーマも一貫して「夏の夜」で、そこから派生する意表をつくエピソードや感動話が出てくるわけでもありません。
それでもこのエッセイには何かこちらに強く訴えかけてくるものがあり、深い余韻を残すのです。
これがまさに書き手の力、なのだと思います。
日常のちょっとした感動のタネに文章という水を注ぎ、様々な表情の花を咲かせる。
そんな力が作者の手に宿っているようです。
🌳② 作品から感じる作者の印象
皐月まうさんは非常に文才に恵まれた方であり、エッセイだけでなく、小説も本格的に書いておられます。現在、本出版の準備もされているようです。
自身で作品を書きながらも他のnoterさんの記事もよく読まれておられるようで、僕やその他の方の記事にもたまにスキをつけにきてくれたりします。
皐月まうさんの印象として、とてもいい意味で、フォロワーさんの数に比べて自らフォローされている人の割合が比較的、少ないイメージがあります。
僕個人的には相互フォローする人と深く交流を持つための考え方として、とても共感しています。
僕も相互フォローしている人の記事をじっくり読みたいので、フォロー数をあまり増やしすぎないようにしており、まうさんと同じ考え方なのかな、と思っています。
他のnoterさん同様、noteを存分に楽しまれており、今回もその一環として企画に参加してくれました。ありがとうございました。
🌳③ 作品への感想
テーマは夏の夜。夏の夜空。夏の星。
夏が嫌いだった皐月まうさんが、ある日、山の上で見上げた満点の星空に感動し、夏の夜の素晴らしさに初めて気づく、というエッセイ。
夏の夜。
今回の季語でも一番選ばれたものの1つですが、まうさんが描くとこういう唯一無二の世界観になるのかぁと感動しました。
入りのところでまず心を掴まれますね。流れるようなスムーズな入り方。惹き込まれます。
分かりやすい前半部分の文章の後の、「星の海を見た」、の後で急激に広がっていく世界。
この前半から後半への流れも無駄がなく(余計な説明がない)、美しく感じました。
随所に出てくる比喩表現も難しすぎず的確で、満点の星空がすぐ目の前に広がっている様子がとても立体的に伝わってきます。
ただ、星への感動の仕方も人それぞれ。
人生観が変わるくらい深い感動に打たれる人もいれば、全くそうでない人もいる。そこでたった一言。
「空を見上げる前から、世界は広い」。
痺れる表現に思わず顔がニヤついてしまいました。
嫌いだった夏のイメージを払拭してしまうくらいの夏の星空への感動。夏が好きか嫌いかは置いといて、夏の夜だけは特別。そんな季節の捉え方もまた素敵だなぁと感じました。
むしろ、夏の嫌いな要素が前半で書かれていることによって、夏の夜の魅力がより強調されているような構成にも見えます。
夏の夜の思い出等ではなく、あくまで「夏の夜」というテーマで最後まで描き切るところもさすがですね。お見事です。終始、圧倒されました。
ぜひ多くの方々に読んでいただきたい作品です。