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40 / 55、 葉知 さん 【 企画 / 虎吉の交流部屋初企画 】
虎吉のトップページ固定記事「虎吉の交流部屋」内で、この夏、以下のシークレット企画「虎吉の交流部屋初企画」を開催しておりました。
● タイトル : 季節のnote(7月)
● 募集期間 : 7/1 ~ 7/31
● お 題 : 7月の季語から1つ以上選び、
それをテーマに自由に書く
そこで今回、ご応募いただいた作品を、応募いただいた日時の早い順に紹介させていただきます。
【 40 、 葉知 さん 】
● 季語 : 帰省、夏の月
🌳① 感動、感激、共感、ポイント
虎ちゃんこと虎吉です🐯
主人公の女性の歩く姿と、昔を回想するシーンが入れ替わりに描かれており、全体として深い感動を感じられる作品だと思いました。
作中の所々に7月の季語が入れられていて、切ない話でありながらも、夏の爽やかさのようなものを感じ取ることができます。
作品の最後に、「夏の月」という季語を入れられたのも作者の何らかの思いが込められているような気がしました。
エッセイでありながら、1枚の亡き人への手紙を読んでいるような、感動的な作品です。
🌳② 作品から感じる作者の印象
このお話がフィクションなのかそうでないのかは分かりませんが、心情描写がとても素敵な方だと感じました。
例えば、「もう気持ちが辛くなってきたから学校に行くのは諦めよう」という直接的な表現ではなく、「全身から汗が吹き出す。学校までの道ってこんなに遠かったっけ ? 今日はもう戻ろう」といったところの表現の仕方です。
こういう表現が随所に出てきて、「上手に書く方だなぁ」と思わず唸らされました。
とても素敵なエッセイを書かれる方です。
🌳③ 作品への感想
今は亡き高校時代に好意を寄せていた先生への思いを夏の季語と合わせて綴られた作品です。
久々に生まれ故郷に帰省してきた主人公。
そこで知らされたのは学生時代に好意を寄せていた先生の訃報。
学校へ向かう主人公の足取りと複雑な思いが丁寧に描かれていきます。
この作品ですが、主人公の女性が学校へ向かう様子と、先生の回想シーンがとてもうまく入れ違いになっています。
学校まで向かうまでは「時が止まったように」主人公が当時の思い出に浸り懐かしむシーン。
訃報を受け取った現実に戻され、先生との思い出が詰まった学校へは行けないかもしれないと思い直すシーン。
もうあの頃には二度と戻れないとその歳月の重みを感じ、現実世界へと戻っていくシーン。
今ある現実のありがたみを再認識し、夏の夜の月に思いを馳せるシーン。
全てのシーンが重要で、そのどれもが感動的でドラマのような構成に感動いたしました。
先生の訃報を受け取ったということ以外には特別な出来事は登場しない作品なのですが、ただ「歩く」という動作の中に主人公の様々な思いが込められています。
思い出を振り返る際の心の機微を、景色や汗、感じる距離感といったものになぞらえて表現されている辺り、やはり高度な表現だなぁと感じました。
帰省、汗、炎天下、紺色の空に浮かぶ月、といった7月の季語が見事に作中に散りばめておられ、記事全体に爽やかでノスタルジックな夏の雰囲気を存分に感じることができます。
心の思いを映し出す手紙のような流れで話が進んでいくので、とても心情が理解しやすく、自分もその世界に入り込んでいるような気持ちで読ませていただきました。
最後に夏の空に浮かぶ月を見上げた主人公は果たしていったい何を思い、願ったのか···。
🌳( 作者のセルフ推し記事 )🌳
こちらも素晴らしい感動作です。
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