公務員だった頃の話#5~お客様は神様なのか??
皆さん、こんにちは!七年の海です。
5回シリーズにわたってお届けした「公務員だった頃の話」。
ようやく、今回が最終回です!
タイトル「お客様は神様なのか??」について、んんん?と思ったあなた。
その違和感、とても大事ですよ~^^
まずは、ご自分の価値観を疑いながら、
あらためてカスハラのこと、公務員の働き方について考えてみましょう。
【まずは注意事項を再掲】
記事の内容によっては、
同様のご経験をなさった方もいらっしゃるかと思います。
ご覧になるにあたっては無理をなさらず、
辛いと思ったら、読むのを中断しましょうね。
是非とも、ご自分のペースでお読みください。
当時の事実関係に関する記述は、プライバシー保護および地方公務員法における守秘義務等の観点から、一部を改変しております。
当該事案にかかわる問題、住民、組織、職員、私が置かれていた職場環境等を糾弾、非難、誹謗中傷等をするものではありません。
あくまで、私の体験した一事案を広くご紹介して私の自己紹介を目的としております。誤解のないようにお願いしたいと思います。
(ただし、ご意見等ございましたら、コメント欄に寄せて頂けると有難いです。原則として、返信することは致しません。ですが、書かれたコメントは全て拝読しております。)
「お客様は神様です」の本当の意味
記事を書き進めるなかで、ふと思い出したのが「お客様は神様です」。
とても、有名なフレーズですよね。
つけあがってくるクレーマーが揚げ足を取るようにこのフレーズを捨て吐くという。まあ、公務員の業界でいうところの「俺たちは税金払ってるだろうが!」みたいな。いやいや。公務員もまた、しがないイチ納税者に過ぎんのですよ。。。
実は、本当の意味は全く違うのです。
私も恥ずかしながら、今回の執筆にあたって知ったことですが、
「世界の国からこんにちは」の三波春夫さんの言葉でした。
オフィシャルサイトに詳しい説明がありますので、一部引用いたします。
ご著書を拝読する限り、生前、ご本人もその誤解に困惑していたようですね。
詳細は長くなりますので公式サイトをご覧いただくとしても、
あくまで芸能の歌い手としての姿勢を表したもので、決してお客サイドの堕落や怠慢を礼賛するものではないのです。もっと言うと、仮にお客様もまた、「神様」のような振る舞いをしなければならないのではないか。
もっとも、歌の舞台は演者とお客との真剣勝負。誤用して使われている人たちというのは、「神様」の意味をはき違えていると言わざるを得ないのでは、と私は解釈しています。
いざというときの役所
なんでもかんでも、住民様の言うこと、不平不満、クレームにぺこぺこ頭を下げて、「住民様は王様ですから!」みたいな、それこそ下僕みたいに扱われるの、私はイヤだな。
もっと役所の人たちには、自分たちの仕事に誇りを持ってほしいし自信を持っていい。みんな、自信を無くしてしまっている。
あまりにも、今の時代は、役所叩きをしすぎる。
職員の尊厳を著しく傷つけ、士気を下げ、職業集団としての専門性を持てず、真に市民のために仕事をしたくなくなる。というか、不可能になってしまう。
ひいては、市民自らの首を絞めることになりかねないでしょう。
そんな悲しい現実で、いったい誰が幸せになるのでしょうか??
今年1月、北陸地方を中心に大きな地震がありました。能登半島地震です。
今もなお、水道管が破断し、避難を余儀なくされている方たちが大勢います。当然、役所のマンパワーは足りません。全国から多くの自治体職員が応援へ入っています。
大きな災害に際して、国が音頭を取って応援職員を調整する仕組みを
「対口支援」といいます。東日本大震災の際、関西の自治体が自主的に始めたことがきっかけとされ、現在は制度化され総務省が所管。
あまりご存じないかもしれませんが、この仕組み、とっっっっても大事なんですよ!!!!!
東日本大震災のときも、多くの自治体職員が応援に入っていました。
今もなお、復興事業は継続中。現在も、中途採用の募集が出ています。
福島原発事故における帰還困難区域の自治体では、気の遠くなるような復興事業のため、人手が足りていないと聞きます。できれば、こうした自治体へ自分の目で見に行って実際に現場でお話をお聞きしたいと思っています。
やはり、東日本に住む一人として、東北の災害のことは他人事とは思えない。
ただ、残念なことに、応援職員の1~2割の人がうつ病など精神疾患にかかってしまうという厳しい現実があります。あまりにも、理想と現実のギャップは大きすぎるのでしょうか・・・いつか、現場の職員の方から、その実態についてお聞きしてみたいと思います。
「公僕」というのは、もはや、時代にそぐわない
「公僕」という言葉があります。
公務員は一部の奉仕者ではなくて国民全体の奉仕者である。
日本国憲法第15条第2項の精神です。
国家公務員法や地方公務員法にも規定があり、
公務員は全員、入庁時にこのことを宣誓させられます。
私は、もはや、令和の時代にそぐわないと思っています。
特に「奉仕者」というのがよくない。上下関係が介在してしまっている。
「伴走者」ぐらいがよろしい。本来の主役は住民自身のはず。
お役所になんでもかんでも住民が依存しているのは不健全だと思うし、
みっともないでしょう。
本来、住民も役所の職員も対等のはず。
同じ土俵に立って、よりよい街にしよう、いい暮らしを実現しようという目標は同じなのだから、その方向で進んでいってほしい。
ただし、役所の側も、まだまだやれることはあると思いますよ。
きちんと住民に分かるように、自分のたちのこと(行政事務全般)を分かりやすく説明していますか?「説明責任」を果たせていますか?
やっぱり、個人情報をはじめ、いろいろな法令の条文を熟知している役所は、その情報量の多さから、住民よりもまだまだ立場は強いのです。
「ブラックボックス」というのは、どの業界に限らず、役所にもあるのです。もちろん、機微情報は別として、予算のことや決算、つまりどの事業にどういうお金を使っているのか、あるいは、どのくらいのお金があれば何ができるのか。そうした予算・事業執行に関する過程を、もう少し丁寧に開示する必要はあると思います。
おそらく大多数の人は、自分たちが住んでいる自治体の議会のことや役所(執行部)のお仕事について、ほとんど関心を持たれていないと思います。これは、やっぱり残念なことで、とてももったいないことです。
行政というのは、基本的に申請主義。
本人が意思表示をしない限り、もらえるものももらえない仕組みです。
知っていることと知らないことの差は大きいです!【重要】
申請するかしないかを、国民一人ひとりが自由に選択できること。
これこそが権利を行使するということであり、自由主義の根幹ともいえる。
そうはいっても、現実的には、行政の運用する制度自体が複雑すぎる!
そうした、住民にとって得になる情報をたくさん持っているのもまた、
役所の職員なのです。もっともっと、役所を使い倒しましょう!!!
お年寄りは、どんなに高齢になっても、自分の足で選挙へ行きます。
そうした光景を、選挙事務をやっていてたくさん見てきました。
正直、感動するような光景。選挙で投票することの重みを感じます。
一方で、やっぱり若い人は選挙に行かないと言われてしまいます。
自分たちに与えられた権利を、それも唯一無二の大事な大事な権利を
放棄してしまっている。
これでは、現役世代に優しい政治・行政なんて、実現しないですよね??
5回に分けて、役所時代のお話を書いてみました。いかがでしたか??
冒頭、申し上げたとおり、ある特定の人物等を糾弾するものではなく、
あくまで私の自己紹介を目的に書き進めてきました。
同じような当事者の方たちにとって、何か共感できるものがありましたら
うれしいのですが、どうでしょうかね~~~
したがって、特に結論とかはありません笑
お仕事シリーズはけっこうネタになるので、また書くこともあるでしょう。
ですが、どうしても思い溢れて(笑)ながーくなる傾向があるので、
次回はいつになるやら・・・
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
それでは、また!
おしまい
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