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上場企業で怒ったら、部署イチの嫌われ者になった話

私は25歳まで深夜のコンビニでバイトなどをしながらフリーター生活を送ってました。そして紆余曲折あり、派遣社員を経て、28歳で上場企業の正社員になることができました。さらにその後、中小企業に移って、また今度は大企業に行ったりと、落ち着かない人生を歩んでます。
そんな自分が、今回は「職場で怒る」ことをテーマに書きたいと思います。
 
結論から言うと、職場で怒ることはマイナスが多い!と思います。

①ベテラン女性社員に「聞いてくださいよ!」と怒鳴り・・・

私は、以前に働いていた広告代理店で2回、「はっきりと」怒ってしまいました。
1度目は同僚に対してです。当時は経理部門で働いており、人一倍(空回り気味の)やる気がありました。入社したばかりでしたが、新たに任せてもらえた業務もあり、いくつかの仕事に関しては周囲に教える場面もありました。チームの同僚たちは全員年上で、中にはもうすぐ定年になろうかというベテラン社員もいます。当然、モチベーションが高い人、低い人様々です。しかし、若かった私はそれがゆるせなかったのです。
 
驚きでしょう? なぜゆるせないのかと、、、
 
あろうことか私は「全員が自分と同じくらいやる気があるべきだ!」と本気で思っていました。根底には数年前までフリーターで貧乏生活をしていた経験から、「高給取りである上場企業の社員は、もっとやる気を持つべきだ!」と、独特の思想を持っていたのです。
 
私が作業手順を説明している最中、雑談をする女性社員(ベテラン)がいました。私はとっさに「ちゃんと聞いてくださいよ!」と声を荒げました。
 
今考えると、暴挙という他ないです。確かにその場で女性社員は雑談をやめましたが、それ以上に良い事なんてない。当然、この女性社員とは関係が悪化し、転職するまでまともな関係が築けませんでした。経理の仕事は連携が欠かせません。私はその部署に居づらい状態になってしまいました。

②上司に「いいかげんにしてくださいよ!」と声を荒げ・・・

2回目は上司に対してです。今度も理由は同じです(阿呆です)。1回目から数年経過し、予算管理の業務をやるようになっていました。「予算管理」というと機械的にやるように聞こえますが、経営企画に近い領域なので、セルフスターター的な働きが求められます。しかし、当時の上司は銀行出身でおとなしい人でした。私はなまじ自信家だったので、積極的に行動を起こさない上司に「いいかげんにしてくださいよ!」と声を荒げました。
 
同僚の女性に怒るのもダメですが、上司にキレるなんて「世渡りが下手」では済まないですね。
 
今振り返ると、この「上司に怒った」ことは非常に尾を引いたと思います。推測を含みますが、銀行に就職できるような人は人生で同僚に怒られる(ましてや20歳近く年下に)なんて経験はなかったでしょう。こんな経験は軽いトラウマみたいなもので、その後私がどんなに笑顔を振りまこうが、「何か不都合があったら怒る人だ」と脳の危険を回避する部位に深く刻まれます。結果的にこの上司は私に仕事を回さなくなりました。当時はそんな状況にさらに怒りを募らせてましたが、本人の立場になれば仕方のないことです。

③怒りの原因は「焦り」

これは「自分の場合は」という前提ではありますが、当時の怒りの原因は「焦り」にありました。経理でも予算管理でも、なんとか成果を挙げたいと考えてましたし、そのために周囲にももっと頑張ってほしいと思ってました。その裏には30歳手前ではじめて正社員になり、実績らしい実績がない自分に対する強いコンプレックスがありました。

④次の会社では怒らずに過ごせた

正社員になって6年後、私は異業種の中小企業に転職をしました。次の職場では、全く怒ることはありませんでした。小さい会社なので、大企業と比較すると備品等のインフラや人事制度は整備されているとは言い難い。また、大企業には(少ないですが)スーパーマンのように仕事ができる人がいますから、働いている人たちのスキルにも差がありました。しかし、そんなことは気にならず仕事に集中できたと思います。
 
これは、前職の経験から「職場で怒ることはタブーである」と自らに課していたことも影響していますが、もう一つ理由があります。それは転職を経験したことで「自分は他の会社でもやっていける」という自信がついたことです。他の企業で働ける道があることを意識すれば、そもそも社内での評価が気になりません。なので、同僚がどうであろうが、上司がどうであろうが、さほど気にならないものです。

⑤怒ってもいい職場もある(はず)

長々と「怒ってはいけない」話をしましたが、これは職場によるということも付記したいです。私は25歳まで深夜でコンビニバイトをしていました。また、26歳にして短期バイトで物流倉庫でのパッキング作業をしていたこともあります。お察しかもしれませんが、(少なくとも当時は)そんな職場はどこも軽~くブラックです。
 
当時働いていたコンビニではレジのお金が合わないと、給料から天引きされるルールがありました。バイト経験がある人はわかると思いますが、何時間かレジ打ちをしていると、コンピュータ上のレジ内の金額と、実際のレジ内の金額にズレが生じることがあります。その店ではレジのお金が500円少なかった場合に、給料から500円引かれるルールがあったのです(多かったときはスルー)。これは労働基準法上、NGなのですが、そんなことは無視で、まかり通ってました。
 
私も何度かこのズレを起こしていましたが、場合によっては(自分に責任があることが明確でない場合)給料からの天引きを拒否していました。もともとグレー(というか黒)なルールなので、相手も拒否されればしつこくは言ってきません。しかし、大人しい人たちはずっと天引きされていました。
 
すなわち、残念ながら世の中には弱者を、いや弱者だからこそ搾取してやろうと潜在的に思っている人たちがいるのです。こういった人たちを眼前としたときには、上手に怒ってみてもよいと思います。(これはこれで上手にやらないとマイナスになります。)
 
これから本格的に働く新社会人の方々、怒りたくても怒れないことで悩む方々、怒りというものに関心を持つ人たちに少しでも役立てばと思います。

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