BtoBとBtoC問わず、売っているものは皆一緒(UXの話)
現在の世の中は情報と商材で溢れています。だからこそ差別化や個別化がより大切になってきました。皆さんもより良い商品開発、事業改善など多方面からどう自分達のビジネスがより求められ売り上げを上げるのかをきっと日々試行錯誤しているはずです。
BTOBだと企業へのファーストコンタクトからクロージングまで訪問や打ち合わせなどを繰り返しますよね。そしてBTOCは顧客向けのマーケティングや実際の店舗の立ち上げなどエンドユーザーに届けやすい施策を実施。しかし、そのネーミングは違うものの、エンドユーザーに届くという意味合いでは目指したいところに変わりはありません。
どの企業も売っているものには「想い」「体験」などが含まれます。商品があるとはいえ、商品のみを売っているわけではないのです。
UXが売りとなっています。
UXと聞くとウェブページのデザインやデジタル系をイメージすることが多いですが、ウェブ上の世界に限らずサービスや商品にも活用ができます。
例をあげるとHeinzのケチャップの話が有名ですね。
上記の画像を見ていただくと一目瞭然にUI、UXの違いがわかるのではないでしょうか。ここからさらに説明を加えると、UXは単にボトルの形だけではありません。右に表示されている「USABILITY]がUXの主な要素であり、いかに使いやすいか機能をしやすいかが盛り込まれています。
HEINZが売っているのはケチャップだけではありません。ケチャップをディップとして活用し、ポテトフライにつけて食べたり、ケチャップという素材の美味しさはもちろん、材料の便利さも活かし、家族が一丸となり、食べられるような空間作りが売り物になってますね。
上記のような万人に受けるようなボトルを作るためにボトルの形とデザインを変えただけではありません。数多くのテスティングやプロトタイプに努め、エンドユーザーにとって何が最良でボトルを使うときの体験に配慮した研究のための研究を日々行っていました。
リリース後に行っている様子は過程が見れるような感覚でユーザーもついつい改良されていくケチャップを見て興味が沸くかもしれませんね。
過程の中にきっとケチャップの研究に優れた人やケチャップのデザイン責任者がいるように見える中、その人たちのみで決定権を持ち、商品をリリースするわけではありません。決定を委ねているのは決定者や社内ではなく、エンドユーザーです。
だからHEINZの開発者は繰り返しエンドユーザーの評価を最重要視し、開発に取り組みました。
このUXの施策の影響で、ケチャップだけでなく歯磨き粉やシャンプーのパッケージも出しやすいように逆さまで作られるようになりました。
簡単に言うとUIはユーザーを引き寄せ、製品や体験に引き込むもの。UXはユーザーを定着させてファンにさせるもの。どちらも用途や目的は異なりますが、両方とも売り物を作っている時には必要不可欠な存在になります。
UXしていく中で基本はデザイン思考を中心にテスティングやプロトタイプを進めていくチームがいます。
そのプロセスの中にはユーザー中心設計、テスティング、反復設計などを含みます。
反復設計を初めて聞いた人も多いかも知れません。反複設計はデザイン思考のプロセスを簡潔に定義するもので完全にその思考プロセスと同様のものではありません。
簡単に説明するとリリース後にもテスティングを行い、随時それらの特徴を改善するサイクル。その繰り返しをすることで、商品を作って終わるのではなく、作ってからも少しずつ改良に励み、商品開発が終わらないような製品になります。
HEINZはまさにそのいい例。ガラスからプラスチックに変更されたのもその大きな証で、年々変化しています。
商品開発やプログラムを作る際に作って終わりや完璧にする必要は決してありません。
UIとUXの要素を配慮しながら土台の状態でもリリースをし、改良を日々繰り返していくことで唯一無二な体験を提供できます。そうすることで製品がきちんと届けたいメッセージが伝わるようになります。
見た目、中身、機能性が大きな要素である何かを開発する過程はもっとシンプルですべてがユーザー起点というマインドセットを持つとテクニックも必然と身につきます。