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【読書感想文】こんなひどいことし続けて、意味ない⭐︎山崎豊子「不毛地帯(五)」を読んだ⑦


沢山の本の中でも、
やめられない止まらないおすすめ本を
ご紹介しております。
エアコンのきいた室内で読書をお考えの方
のお役に立てれば幸いです✨🕊️✨


今回は大いなるネタバレありです🙏
どうぞご了承ください🙏🙏

   🍋🍋🍋🍏🍋🍏🍋🍏🍋🍋🍋

谷川元大佐が亡くなってしまった🥲

イラン出張先でサングラスが落ち左右のレンズにひびが入り、
胸騒ぎが消えずにいたところへ訃報が届く。

人目がなくば、遺体に取りすがりたかった。
「壹岐、名残は尽きないだろうが、出棺の時間だ」
神森が、壹岐を棺から引き離し、
「貴様、棺を担げ」
と云い、壹岐とともに棺の前を担いだ。水島、丸長らも棺を担ぎ、雨の中をしずしずと運んだ。運びながら、丸長が人前もなく泣いた。
「泣くな、見苦しいぞ」
叱る神森も泣き、壹岐も泣き、そして見送る会員たちも泣いた。

「不毛地帯(五)」山崎豊子

壹岐の心の支柱は、谷川だったんだなぁと
改めて思う。
あの強靭な精神力の支えは、
谷川の存在もあったろう、と、

思いながら
大号泣!

「いえ、父は倖せ者でございました、皆様のおかげで死ぬまで、当人が最もしたいと思うことをさせて戴き、その上、本日のように朔風会の方々のおかげで盛儀にして戴き、有難うございました」
四十四、五歳の長男は、父親似の村夫子然とした風貌で応えた。己れを犠牲にし、人のために尽した父を倖せ者だと云いきる令息の言葉に、生前の谷川元大佐を見る思いがした。

「不毛地帯(五)」山崎豊子

これまで谷川が無償でやってきた仕事は、
結果的に、壹岐が引き継ぐことになる、
第三の人生として。

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壹岐は(架空の)本文中において「国家が何千万という金かけて養成した大本営参謀」だった人物なわけだが、振り返ると、
余りあるほど回収できたのではないか。

時代の円に換算すれば、自動車会社の国際提携、油田開発もしてくれたし、
それ以上の、国に対する貢献をしてくれている、と個人的に思う。

って事は、この件における国家施策は成功した事になるだろう、本来の目的は、
人の殺し合いの戦争に勝つためだったが。
経済戦争に勝つ策略を練り実行してくれた。

本書を読む限り、どっちも命懸け。

商社勤務後も、関わった何人かが亡くなった。

何人かが、激務により心身を壊した後に
ゴミのように捨てられていった。

どっちもひどい。こんなひどいことし続けて、
意味ないよなぁ、と思っているのは

わたしだけでは無いはず!


ラスト、大門と壹岐が対象的だった。
シンプルに言えば、価値観の違い?
国家のために養成された壹岐に、
私利私欲、わるく言えば上昇志向が無い
のは自然な事なのかもしれないが。

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千里の件、
途中までは、早く結婚してあげてよ、
と壹岐を責めたい気持ちだったが、

千里も千里で、
最初は自分からごり押しで行っておきながら、
美人特有のわがまま?が邪魔したかな、
という思いが強まった。

結論、亡き妻佳子には勝てなかった⁈
残念!
やっぱ、佳子さん素敵だったもの!

著者の意図ではあろうが、
素敵、性格もなにもかも全部!!

   🍋🍋🍋🍏🍋🍏🍋🍏🍋🍋🍋

すみません、もう少々
引用したい箇所がありまして。


まだ書ける?(書けます書きます)
にしても、今回はネタバレし過ぎなのでは?
とお思いの方もそうでない方も、

                 ⑧へ続く


最後まで読んで頂きありがとうございました❤️
ここまで読んでくださった皆様の幸せを
心よりお祈り申し上げます❤️❤️❤️


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