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ビジネス書「製品失敗図鑑」で学んだこと ナイキ:ゴルフ用具事業編
概要
本書は大企業が過去に失敗した商品・サービスを分析してまとめたビジネス書です。
実際のビジネスシーンにおけるリアルな失敗の原因を学べますし、失敗した商品が次の商品の成功につながるという事例もあり勉強になりました。
ただ、ビジネス用語が多かったり説明不足に感じる部分もあり、ちょっと文章が読みづらいなぁと感じることもありました。
本記事では本書の「ナイキ:ゴルフ用具事業」をピックアップして紹介します。
ナイキ:ゴルフ用具事業
ナイキは1984年にゴルフ・アパレル事業に参入し、1996年にトッププレイヤーのタイガーウッズと契約し、彼の宣伝効果によってゴルフ・アパレル事業は軌道に乗りました。
勢いにのってナイキはゴルフ用具(クラブ・ボール・キャディーバッグ)事業にも参入します。
ゴルフ界に浸透したナイキのブランド力と、タイガーウッズの宣伝効果で販売を促進し順調に売り上げを伸ばします。
しかし、タイガーウッズはケガによる欠場と不祥事によって一時失墜します。
その後、ナイキのゴルフ用具事業は低迷し最終的に撤退しました。
寡占市場
ナイキがゴルフ用具事業に参入した時すでに市場は寡占状態でした。
寡占市場とは少数の企業によって支配されている市場のことです。
後発参入となるナイキにとって厳しい戦いになるのは明らかでした。
OEM
ナイキはゴルフ用具をOEM生産しました。
OEMとは自社ブランド製品の生産を他社に委託することです。
生産コストを大幅に抑えることができます。
デメリットは
自社生産技術が育たないこと
生産委託料が継続的に発生すること
です。
イノベーション
ナイキはタイガーウッズの意見を参考にゴルフボールの開発に取り組み、そのゴルフボールの生産をブリジストンに委託しました。
結果このゴルフボールは大成功し、それまで主流だった糸巻きボールに取って代わる存在になりました。
ですがゴルフ用具事業撤退時にゴルフボール事業からも手を引いてしまいました。
OEM生産なので委託料がずっと発生する、かといって自社生産することはできない。
こうなると利益を出すのが難しかったのではないかと思います。
OEM生産のデメリットをまともに受けた事例のように伺えます。
ブランド戦略
ナイキはゴルフボール事業の大成功によりゴルフ界にブランドイメージを浸透させました。
続いてナイキはゴルフクラブ・キャディバッグ事業にも参入し、タイガーウッズの大活躍もあって、売り上げを順調に伸ばしました。
ですがタイガーウッズの失墜後に売上は低迷し最終的に撤退することになりました。
寡占状態のゴルフ用具市場においてブランド力は大きなカギを握るので、ブランドイメージを損なってしまうと、商品自体の真価が問われる状況になります。
そうなると、生産技術が成熟している物は差別化が難しいので、後発参入者のナイキは競争優位性を損なってしまいます。
寡占市場への参入がいかに厳しいかがわかります。
学んだことまとめ
寡占市場とは少数の企業が市場を支配している状態
寡占市場に後発参入するにはブランド力が重要
ブランド戦略を重視すると、ブランドイメージを損なった場合に競争優位性を失う可能性がある。
OEMとは自社ブランド製品の生産を他社に委託すること。
OEMのメリットは生産コストを削減できること。
OEMのデメリット
委託料がずっと発生する
自社生産技術が育たない
一般的に生産技術が成熟している市場において、性能による差別化は難しい傾向がある。
以上で本記事は終わりです。
1つの事業を扱うだけでこんなにビジネスの勉強になるとは思いませんでした。
最後まで読んでいたただきありがとうございました。