誰かに見られてる。
ずっと、気付いていた。
振り向くもんか。
俺からなんて、見つけてやらない。
そっちから、出てこい。
誰?
誰?
本当はその視線を捉えたい。
見えてる景色は、色が違って、自分だけがわかっていないかもしれない。
お前はその目で、俺を捉えてるの?
「見つけて」
やだね。絶対。
俺の視線の中に
そっちから来いよ。
その目の中に、正面から、俺を映せ。
視線は、蜘蛛の糸のよう、俺を捕まえて離さない。
キラキラと、ゆらゆらと、柔らかく覆ってゆく。
自分から、切れない。
誰?
誰?
早く、その視線を捕らえたい。
俺の目に入ってこい。