【sbhawks】ブルペン観測
執筆日の5/21日時点でリリーフ防御率1.69と人的補償で甲斐野央(埼玉西武)、先発転向した大津亮介、リバン・モイネロらが抜けた影響を感じさせない活躍を見せている我らがソフトバンク・ホークスのリリーフ陣。
勿論山川穂高を補強した打撃陣、やたら上振れてる先発陣も好調なチームを引っ張っていますが今回はリリーフ陣に焦点を当てて見ようと思います。
運用状況
基本的に3連投等々でベンチ外になる時以外はリリーフ9枚で運用しています。
現状開幕から抹消されず一軍登録を保っているのが松本裕、オスナ、津森、又吉、杉山。
正直チームが勝っている(勝率.700をキープ)ので当たり前なのですが状況は端的に言うと
・勝ちパターンに登板機会が集中
・序列低めのリリーフの登板機会は⬇
です。
あと変化を挙げるとすればワンポイントリリーフを使う場面がかなり減りましたね(嘉弥真の放出、先発をイニング途中で極力降ろさない運用法、イニングを先発が食うため中盤の流動的なリリーフ運用をする場面の減少等の理由が考えられるかなと)。
負傷者
田浦文丸(左肩コンディション不良)
尾形衆斗(上半身コンディション不良)
武田翔太(TJ手術、今季全休確定)
板東悠悟(詳細不明、リハビリ組に移動のみ確認)
松本晴(同上)
起用法について。
勝ちパターン
藤井、松本裕、オスナ
勝ってる場面&中盤の僅差
杉山、ヘルナンデス、津森
敗戦処理
長谷川、岩井、澤柳、又吉、村田。上記選手が稀に。
左/右ワンポイント
ほぼなし、稀に長谷川、津森、又吉ら
ロングリリーフ
石川(現在先発転向中でブルペン不在)、(オープン戦回跨ぎを散々させていたため一応)又吉?
今度は各選手に焦点を当てていきます。
松本裕樹
前年同様8回を主に任され、12試合連続無失点を記録するなど19登板 防御率0.49と好調。
奪三振のペースは落ち気味(11.49→7.36)ですがコマンドが改善しK/BBは前年の3.53から5.00と良化。
特にスライダーが効力を発揮しているようで、被打率.091(11-1)、Whiff%30.1と好結果。
去年は5月に急激に状態が落ち再調整での降格も経験しているので運用には気をつけて欲しいところです。
ロベルト・オスナ
MLB、NPB共に実績十分のクローザー。
今期、4年40億の基本契約+出来高
というリリーフ投手では破格の契約を結び迎えたシーズンは、勿論開幕からクローザーとして迎えましたが既にセーブ失敗を3回記録するなど不穏なスタート。
ほぼ全ての指標が前年から悪化しているため書き連ねませんが最近4試合は無失点で切り抜けているため復調を期待したいところです。
藤井皓哉
ストレートとフォークの投げ分けで三振を量産するパワーピッチャー。
開幕から7回を任されましたが与四球を連発し崩れる投球が目立ったため4/7日に登録抹消。
ファームで3試合に調整登板し最短10日で一軍復帰すると11試合連続無失点を記録するなど復調しました。
既に一軍で16登板、二軍で3登板と松本裕樹と並んで酷使気味な傾向はあるため心配です。
奪三振のペースはおちておらず、与四球も離脱前に貯めた部分が大きいためそこまでの成績悪化はしないでしょう。
津森宥紀
3年連続40試合登板を達成中の強心臓サイドハンド。
リリーフ投手ながら既に4勝を記録。
昨年からの変化としてストレートの割合を10%程減らしスライダー、フォークの割合を増やしています(空振りが奪えるかは別として)。
前述の通り藤井が再調整のため一軍から離脱した際、一時的に僅差でリードしている場面の7回を任され、藤井復帰後は場面を問わず柔軟に起用されている印象があります。
奪三振や与四球のペースが悪化しているため防御率(16登板して0.57)ほど投球内容がいい感じでは無いのが不安。
FIPは2.60ですし被babipも.195と上振れている傾向があるため交流戦以降が心配です。
又吉克樹
カットボール、シュート等の横の細かい変化をつけて打者を打ち取る変則サイドハンドのベテラン。
ホークスへ国内faで加入してから1〜2年目は僅差の局面での登板が多かったですが、今年は主にビハインドの局面で9試合に登板。
防御率は4.15と悪いもののFIPは1.97と極端に下振れていることが濃厚で、実際指標上も例年と比較して悪化傾向にある訳ではないように思えます。
去年一昨年とホークス加入時から途中離脱が多く、今年はそういう怪我がちな体質の克服にも注目が集まります。
杉山一樹
平均150km/h前半のストレートと平均140km/hの高速フォークで押しまくるパワーリリーバー。
今季からリリーフに完全転向し中盤の僅差の場面を中心に登板し12試合 防御率1.36を記録しています。
冒頭の文に書いてあるストレートと高速フォークが投球の9割を占めており、それぞれWhiff%が26.9%/44.2%と好成績を残しており、オープン戦の投球と比べて与四球が多いですが奪三振>イニング数なのもポジティブ。
少し高くなりつつあるWHIPを低くして安定感を増していきたい所ですね。
長谷川威展
第2回現役ドラフトで加入した変則リリーフ・サウスポー。
津森と同じくリリーフとは思えない勝ち運を発揮し7登板でプロ初勝利を含む3勝を記録、本人もネタにするほどです。
現状はビハインドの場面を中心に任されることもあって登板機会がそこまで多くないですが、7登板で防御率0.00と安定感があります。
ストレートの球速は平均140km/h程とサウスポーということを考慮しても遅い部類に入ります。実際三振もそこまで取れていませんがGO/AO(ゴロアウト/フライアウト)2.40とゴロアウトを量産、与四球も少なめ。
かなり変則的なフォームで球の出処が見ずらいのも特徴です。
三振が取れないためハイレバレッジシチュエーションは任せにくいでしょうか。
ダーウィンゾン・ヘルナンデス
昨年途中にBAL3Aから加入したパワーリリーバーですが、昨年の登板機会はレギュラーシーズン、クライマックスシリーズ共に数試合に留まりました。
契約を新たに更新し残留した今季は左太もも裏の負傷で開幕には間に合いませんでしたが4/27日に一軍復帰。
グリーンカード取得の為の米国一時帰国を挟み8登板(3連投1度)と短い期間でフル回転しています。
津森と同様ほぼストレートとスライダーのみの投球スタイルですがストレートは150km/hが平均で、被打率.000(17-0)、Whiff%32.5、スライダーは被打率.167(6-1)、Whiff%45.5と威力があり、未だ被安打1本。
ただ被babip.077と物凄く運に恵まれているのも事実です。
その他選手
ここからはサラッと書いていこうかと思います。
・石川柊太
久々に途中から先発→リリーフに回りましたが8回失点1、奪三振8、与四球1とオーバースペックぶりを見せつけ堂々と先発にカムバック。
150km/h連発で普通にすごい、久々に見てびっくりしていた記憶。
・岩井俊介
ドラフト2位の黄金ルーキーは2登板と登板機会に恵まれないものの投球内容は圧巻で現状FIPは-0.33を記録するバグっぷり。
・澤柳亮太郎
ドラフト5位ルーキー。登板2試合目でサヨナラ負けを喰らう痛い経験も一軍で3登板をこなす。
・村田賢一
ドラフト4位ルーキー。リリーフで1試合の登板に留まる。現在は筑後で先発調整中。
まとめ
被babip等を見るに上振れている所が多いとは思いますがよくやってくれていると思います。
筑後に待機している支配下リリーフ候補が少ないため誰か離脱があると大変だな、とは感じますが交流戦も間近に控える時、これからもホークスの快進撃を支える力となって欲しいなと願っています。