『着飾る恋には理由があって』が好きな理由
TBS系火曜10時『着飾る恋には理由があって』
ついに、完結しました〜〜〜〜〜〜!!!!
ドラマ豊作期と言われた2021年4月クール。
その中でも『着飾る恋には理由があって』は、私的ドラマランキング不動の1位『リッチマンプアウーマン』と互角に戦うほど沼に落ち、久しぶりに毎週リアタイを楽しみにしていた作品でした。
(『大豆田とわ子と三人の元夫たち』からの『着飾る恋には理由があって』を観る華の火曜日。ロス確定・・・それぞれの物語をまだ見ていたかったよ!!!)
とはいえ、リアタイ最終回、星野源のオールナイトニッポン、はーチャンネル、おかわり最終回・・と、興奮は冷めるどころか燃え上がっていく一方。
昨日が最終回だったなんてまだ信じられない、来週も21:58にはテレビの前に正座してスタンバイしそうだわ・・いや、絶対する!!!!
ということで、この燃え上がる気持ちをひたすら吐き出すだけの内容でございます。自分にこんな行動力があったのか・・!
良い意味で裏切られたドラマ枠
今でこそ、このキャスト以外あり得ないし、このキャストだからこそ、ここまでのヒットに繋がったと言っても過言ではないけれど、放送前のキャストお披露目を見て「おや?」と思ったのは私だけではないはず。
というのも、火曜10時枠は王道ラブコメ枠。(少なからず、私はそう思っている。)『だめ恋』『花晴れ』『恋つづ』『恋あた』・・・設定にちょっと無理はあるけど、世の女性を虜にするイケメンたちの胸キュンパラダイス枠。
ご多忙にもれず、私もこの枠には大変お世話になっているけれど、今回のキャスト発表ではどうもそのストーリーがイメージできなかった。そしてついに初回放送。
・・・からの衝撃!!!!!!
今までと方向性が全く違った。「王道のラブコメ」ではなく「現実のレンアイ」だった。もはや、王道イケメンと守ってあげたい系ヒロインの夢物語ではなく、何にも囚われずに生きると決めた彼ともがきながらも一生懸命生きる彼女の人生の一場面だったのだ。
詳しくは後日振り返りたいと思っているが、冷蔵庫で不意打ちのキスだったり、キャンプ場でのデジタルデトックスだったり、社長との表参道ハグだったり・・と胸キュンポイントは数えきれないほどたくさんあるけれど、どれも現実に起こりそうなほど自然なのだ。設定に全くもって無理がない。そう、これはシェアハウスの住人たちの人生の一場面。
そしてこのドラマは、ラブコメの革命になったのではないだろうか。
TBSさん、今後も火曜10時枠はリアルな人生を描くラブコメ枠として確立させることをご検討ください!!!
星野源という存在
お気付きだろうか。このドラマに星野源は出演していない。一瞬たりとも映っていない。それなのに、毎週「星野源チャレンジ」「星野源チャンス」「おいげん」・・表現は様々あったが、「星野源」というワードが主演クラスでタイムラインに流れる。なんなら役名がないから主演の二人よりも多くつぶやかれたんじゃない?
星野源は一瞬たりとも映っていないのに、だ。
そしてあろうことか、最終回の2時間後、星野源のラジオで打ち上げが行われるという事件が起こる。
ゲストは川口春奈ちゃん、横浜流星くん、新井P、塚原D。もちろん、ラジオのまとめ役は星野源。
あれ?このドラマ、星野源が主演だったんだっけ・・?
おそらくことの発端は「EDは社長か駿のどちらのシーンになるでしょう?」くらいの、ちょっとしたお遊びだったと思う。
それがこんなにも大きくなるなんて、誰が想像していただろうか・・・!
でも、実はこの現象が起こることは必然だったのではないかとも思うのだ。
調べたり統計を取った訳ではないので個人の推測になるが、このドラマのメインターゲットはおそらく20代〜30代の社会人女性。そして実際の視聴者も同様と考える。
この先は完全なる主観なので、相違がある方はさらっと流して欲しいということを前提に誤解を恐れず言おう!!
この世代は、派閥恋愛が大好きなのだ!!!!(違ったらごめんなさい〜〜〜〜)
なぜこの思考に至ったかというと、遡ること約15年前。
社会現象となったドラマ『花より男子』の社会現象を覚えているだろうか。「道明寺司こと松本潤」と「花沢類こと小栗旬」のどっちが好きかで派閥ができたことを。
これは凄まじかった。何より衝撃的だったのは、ドラマにハマりすぎた私の周りでは「花沢類が好きなら絶交だよ!」と友人から永遠の別れを告げられたのだから。(友人とは今も仲良しだし、今では笑い話です!)
その前後でも同様の現象は多発しており、『ごくせんシリーズ』『花ざかりの君たちへ』など「どっち派?」が盛大に流行ったのだ。
・・・と、話が逸れてしまったが、このように学生時代に派閥恋愛で燃え上がるベースがしっかりと作られている世代がこのドラマのメインターゲットなのだ。それならば、「藤野駿こと横浜流星」と「葉山祥吾こと向井理」の星野源チャレンジに食いつかないはずがないのだ。
そして、もう一つ。
この派閥ゲームは星野源の楽曲だからこそ成立したと思っている。
もしこれがback numberだったら?米津玄師だったら?
きっと「背負う」という言葉は生まれてこなかっただろう。
繊細なメロディーと物語にリンクする歌詞。そして、星野源の優しく暖かい歌声。ドラマを見終わった後、もう一度聞きたいと思わせる魅惑の主題歌。これは星野源だから成立した絶妙なバランスなのだ。
星野源でなければこのドラマはここまで流行らなかったと思うし、このドラマでなければここまで星野源の良さが引き出されなかったと思う。まさに相思相愛。恐るべし、キャスティング力。
丁寧に作り込まれた世界観
このドラマの最大の特徴は丁寧に作り込まれた世界観だと思う。
本来なら存在しない真柴くるみという人を、藤野駿という人を、そのほか出演する人たちを・・・どうやって現実世界に存在させるのかを演者も制作もすごく考えて創られていたように思う。
例えば、冷蔵庫でのキスシーン。
あれは、ずっと憧れて片想いをしていた社長が突然姿を消し、一方的にお誕生日プレゼントのお花と約束していた桜を見に行けないという手紙を送り付けられるという、もはや私だったら発狂してもおかしくない出来事を懸命に耐える真柴。そして、その姿をお隣さんとしてずっと隣で見守っている駿。その1話があってからの、お隣さんとして元気付けようとする駿の気持ちが真柴にも伝わって起こったハプニング。
これは、そこまでの過程をキャスト側は全身全霊で、制作側はコマ割りや音楽で、丁寧に作り込んでいたからこそ、単なる胸キュンカットではなく、お互いが恋愛対象として意識しはじめるターニングポイントとしての胸キュンが爆発したのではないかと思うのだ。
どんどん話が逸れていきそうなので、1シーンずつ伏線回収をしていきたい気持ちを全力で抑え本題に戻ると、この作り込まれたキャラクター像に加え丁寧な心理描写が最終回で大きな成功につながったのではないかと思う。(もちろん全話通して言えることでもあるのだが。)
最終回の残り数分。この物語は緩やかにそれぞれが未来に向かって終わろうとしてた・・・と、その瞬間!「未来が気になるだろ?結果だけ教えてやんよ!!」と言わんばかりの怒涛の報告ラッシュが起こったのだ。
退職を決めてバイヤーになることを決める真柴ちゃん。結婚式で初めて明かされる羽瀬ちゃんの個性豊かなお友達。もはや視聴者でさえ付き合ってると思っていたのに突然の駿からの「付き合ってください!」からの秒速プロポーズ。(「この先!ずっと!一生付き合ってください」は、これプロポーズ!?って思った人は多いはず)。そしてあろうことか、5年後にぶっ飛び結婚と子供の同時報告・・・
もう展開が早すぎてついていけない、お腹いっぱい!!!!
と叫びたくなるような情報量。
でも、それは決して不快感のあるものではなく、卒業式ぶりに同窓会で会った学友カップルの近況報告を聞くような気持ちだった。
多くのラブコメで起こるラスト数分でのドタバタ劇場。この「〜○年後〜」がすんなりと受け取れるかどうかは、それまでのストーリーやキャラクターそれぞれの関係性がしっかりと視聴者に伝わっているかどうかで成功が左右される。
そのベース部分が充分に理解できていないと、視聴者は「え?なんで?どうしてそうなったんだ・・・」という消化不良に陥ってしまうのだ。そうなると、それまでのストーリーがどんなに素晴らしくても、お後がよろしくない。
一方で、ベース部分が充分に理解できていたら、ラストで多少無理があっても、視聴者は想像の翼を広げて空白の時間さえも勝手に創り出す。
だから、怒涛の報告会も「おまけの近況報告も聞けてラッキー!」と私は思った。(娘を抱っこする流星氏、イケメンパパで好き‥♡)
それはきっと、それまでのストーリーが巧妙に描かれていたからと言っても過言ではないだろう。
***
という事で、まだまだ語り尽くしたい気持ちもあるのだが、文字数が4,000字に迫る勢いなので今回はこの辺で終えようと思う。
ドラマの放送は終わってしまったが、私のこのドラマへの熱量はまだまだ終わりそうもない。全話において何度もTVerでおかわりをしたにもかかわらず、何度だって見直したいし考察もしたい。
そして何より、川口春奈ちゃんの公式YouTubeで「続編、ある、かも!!!」と楽しそうにコメントを残してくれていたので、妄想で埋めた空白の5年とその先の未来を公式が答え合わせをしてくれることを心待ちにしていようと思う。
最後に、制作に関わった全ての方々に敬意を込めて。ありがとう、3ヶ月。ありがとう、着飾る恋。
また会える日まで!!
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