2024年10月読了本・ポスト備忘録
※注意※
この記事は10月に投稿者がX(旧Twitter)に投稿した読了ポストに加筆・修正を加えたものとなります。ご了承ください。
ただし、タイトルの前に★がついているものは当記事初出のものとなります。
はじめに
さてさて遅くなりましたが10月分の振り返りをいたしましょう。今回は最後にちょこっと書いておきたいことがあるので前置きはこの辺りで。
『パルパネルは再び世界を救えるのか』
著者:十文字 青
イラスト:しおん
出版社・レーベル:MF文庫J
読了日:10月1日
ポスト日:10月4日
大きなうねりはないけども落ち着きのあるモノローグとハイファンタジー風な世界観も相まって、一昔前のボリュームのある御伽噺を読んでいる気分だった。タイトルそのものも、各章題も初めはピンとこなかったけど、読んでいく内に「ああ、そういうことなのかな」と静かな気づきを得られたりと普段とは違った読書体験ができた。あと天使がおもしれ―女。むしろ存在そのものが面白いのかも?
『通販で買った妖刀がガチだった ~試し斬りしたら空間が裂けて異世界に飛ばされた挙句、伝説の勇者だと勘違いされて困っています~』
著者:日之影 ソラ
イラスト:福きつね
出版社・レーベル:ブレイブ文庫
読了日:10月2日
ポスト投稿日:10月4日
序盤の展開は大体あらすじに書いてある通りのはずなのに状況がカオスすぎていざ読んでも余裕で笑ってしまった。これはズルい。パーティーメンバーのそれぞれが衝撃の秘密を抱えていて、それがひょんなことから判明、共有されていくのも笑いと共に信頼度も高まっていくのもミソ。あとラストの主人公とあの人とのシーンが凄く好き。時代が生んだ感性の違いが存分に出てる。
『夜が明けたら朝が来る』
著者:志馬 なにがし
イラスト:raemz
出版社・レーベル:GA文庫
読了日:10月3日
ポスト投稿日:10月4日
あたたかな家族愛の物語でした。家庭の環境や抱える事情が違うとしても、そこに愛情の有無は関係ないのだなぁと感じさせられる1冊。途中どうなるか、もしや私の想像とは違う方向に物語が転がるのではとハラハラしたけどラストでこの本に出合えて良かったと序盤以上の気持ちで言い切る事ができた。あくまでもフィクションだけど現実で起こり得る出来事だからこそ頭の中で想像もしやすかった。どんな事があっても日常は傍にあるんだなとも感じた。
『スタァ・ミライプロジェクト 歌姫編』
著者:綾里 けいし
イラスト:夏炉
出版社・レーベル:MF文庫J
読了ポスト日:10月4日
いやぁ……ガッツリと残酷にデスゲームしてましたねぇ。ルールは明確なようだけどどこかしらで機転を利かせたら抜け穴があって、それがどのように明かされていくのか。はたまたシンプルに次に脱落するのは誰なのか。顛末が気になりすぎてあっという間に読んでしまった。能力のブーストとインターバルの設定が凄く好き。各人の行動や歌姫の捉え方に個性が出てる。幕間劇はどれもが唯一無二。ネットカルチャーを存分に使った世界観なのもインパクトが強い。
『30ページでループする。そして君を死の運命から救う。』
著者:秋傘 水稀
イラスト:日向 あずり
出版社・レーベル:電撃文庫
読了ポスト日:10月7日
メタいタイトルだなぁ~という興味から読んで、実際に想像以上に30ページという単語が重要度が高くてびっくりした。だけどメタフィクションではないような。そういう意味でも唯一無二の作品。30ページに対するこだわりもさることながら緩急もついててどこまで進むのかハラハラしたし、ループごとに攻め方が違って1つの出来事を様々な視点で楽しめた。そして幕間だからと油断してたら感情の洪水に呑まれました。あれはマジでズルいです。
詳しい話はこちらでも。
『最果て聖女のクロニクル』
著者:冬茜 トム
イラスト:がわこ
出版社・レーベル:講談社ラノベ文庫
読了ポスト日:10月8日
世界観の広がり方が綺麗な物語でした。序盤で開示されているだけでもインパクトが強く、それでいて御伽噺を彷彿とさせるハイファンタジーを一貫している。それは様々な真相が明かされていても変化が無いのが凄いキャラ達の行動方針も振り切れつつも安定していて起点となる部分もクスリとできる"らしさ"がある。あと《時》の魔法の規格外っぷりには毎度驚かされた。
『死神公女フリージアはさよならを知らない』
著者:綾里 けいし
イラスト:藤実 なんな
出版社・レーベル:角川スニーカー文庫
読了ポスト日:10月8日
長命種っていいよねを隅々まで堪能できた。長命種はいいぞ。最初こそ現代日本舞台のファンタジーということが予想外で驚いたけど、異世界の存在の扱いや死にまつわる話に魅了されていった。寂しさと儚さを感じさせつつも時折愉快なパートが挟まったりするのがより一層癖になりそう。というか2人の往年のパートナーを彷彿とさせる会話がマジで好きすぎる。あと1冊で出てきた食事の量はどれくらいあったんだろう……。
『ダンジョン配信者を救って大バズりした転生陰陽師、うっかり超級呪物を配信したら伝説になった 3』
著者:昼行橙
イラスト:福きつね
出版社・レーベル:HJ文庫
読了日:10月9日
ポスト投稿日:10月10日
忖度無しの神回! いつものトンデモ配信は勿論、それぞれの個性にアプローチをかけた配信がどれも見ていて楽しい。でも全体を俯瞰したときにチームプレイのような構図になってるのがまた策士だなぁと唸らされる。そんでもって今回明かされた平安時代の陰陽師事情がすっごい魔境だった。色んな意味でヤバすぎませんか⁈ あの世界の日本史が気になってしまって仕方がない。
1巻のレビューはこちらになります。
★『京博深掘りさんぽ』
著者:グレゴリ青山
出版社・レーベル:小学館文庫
読了ポスト日:10月9日
博物館ではどのような事が行われているのかから、滅多にお目に掛かれない裏側やそこで働く職員さんの日常まで。博物館に馴染みがない事もあって社会見学的なノリで人一倍楽しめたんじゃないかな。同じ博物館で働くといってもその内容は様々、だけどどの人もイキイキしているのが良く伝わってきた。京博は歴史ある事から博物館自体も1つの歴史と化してるのがまた興味深い。というか本格的に博物館の話をする前から面白すぎるのは予想外だった。いつか博物館に足を運んでみたくなった。
『オルクセン王国史 1 ~野蛮なオークの国は、如何にして平和なエルフの国を焼き払うに至ったか~』
著者:樽見 京一郎
イラスト:THORES柴本
出版社・レーベル:サーガフォレスト
読了日:10月10日
ポスト投稿日:10月11日
戦争は国の全ての力をぶつけ合うという事を示すかのように国内の様々な情報を明かしながら国そのものを書いているかのようだった。最後の真実も普通に予想できたかもしれないけどその可能性を自然と脳内から消えいたほどに、世界観に魅せられていたのかなと1巻を読み切った後に考えてしまう。そこまでして徹底した世界観構築だったのかもしれない。あと出てくる料理がどれも美味しそうで食べてみたくなった。
『バケモノのきみに告ぐ、 2』
著者:柳之助
イラスト:ゲソきんぐ
出版社・レーベル:電撃文庫
読了日:10月10日
ポスト投稿日:10月11日
気になる2巻の展開は、前巻では明かされなかったヒロイン達の過去と共に紡がれる続きだからこそできる2本のストーリー。ヒロイン同士の関りで新たに見えてくる発見も沢山あって彼女たちの魅力は増すばかり。今回は出番控えめなはずの主人公も1つ1つの言動のインパクトが強すぎる。それでこそ主人公なのかもしれない。共闘アクションもバッチリ決まっててカッコよかった。
シリーズが気になった方、こちらの紹介も参考にどうぞ。
『ひゃっか!』
著者:今村 翔吾
出版社・レーベル:ハルキ文庫
読了ポスト日:10月11日
ある時は胸ときめく青春、またある時には全力を掛ける情熱、そして華やかな花いけバトル! 自由かつ即興で繰り広げられる5分間はいつも油断ができない。どのようにして仕上げるかの作戦、人を惹きつけるパフォーマンスは相手チームとの変則的な心理戦をも引き起こす(⁈)。大演してくれる周囲の人との心温まるエピソードも忘れられない。優しい関係が心にめっちゃ染みた……。
『羅生門・鼻・芋粥』
著者:芥川 龍之介
出版社・レーベル:角川文庫
読了日:10月14日
ポスト投稿日:10月15日
この本には教科書や受験期の参考書で解釈と共に触れた作品が多く収録されていた。でも勉強のために読んだのと読み物として読むのでは、かなり読んだ印象が違ったなとも感じた。全編含めて作風の代名詞(?)となる過去の話を基盤にした作品が多く、昔話のような考えさせられる後味がありつつも、近代文学といえばな人の心情に焦点を当てた仕上がりが重なり、全体として奇妙な印象だった。描写が濃かったからか後からページを数えてみると思ったより少なくてびっくりした印象も強い。
『100万回死んだねこ 覚え間違いタイトル集』
著者:福井県立図書館
イラスト:多田 玲子
出版社・レーベル:講談社文庫
読了ポスト日:10月16日
何となくニュアンスが伝わってくるものから全くもって初耳なタイトルまで、と思いきややっぱり聞き覚えのあるタイトルだったりと無意識だからこその面白さ。でもよく考えるとタイトルのどこが印象に残りやすいのかを考えさせられる1冊でもある。何なら時々自分も似たような間違いしてたりするし。QからAのシンプルな構図でテンポ良く楽しめる。それはそれとして質問を重ねて該当書籍を見つけるまでの過程も気になってしまう。ちょっとミステリっぽい。
『図書迷宮』
著者:十字 静
イラスト:しらび
出版社・レーベル:MF文庫J
読了ポスト日:10月18日
凄いぞこの作品。謎だらけの序盤から徐々に情報が明かされて、二転三転する展開は衝撃ながらも納得せざるを得ない。しかもすげーキュンキュンする。暗くてしっとりした系の雰囲気だなーと思いきや後半にかけてのギアのあげ方はもう胸アツ。丁寧なようで時折愉快な地の文も愉快でいいよね。全体的に見ても難しそうな要素を複数入れつつも大ボリュームで1つの物語に纏めている実力には感服せざるを得ない。だからこそ一周回って応募時の原稿がどんなのだったかも気になる……。
『アンフィニットの書 悲劇の物語に幸せの結末を』
著者:浅白 深也
イラスト:日下 コウ
出版社・レーベル:電撃文庫
読了日:10月19日
ポスト日:10月20日
提示された条件をクリアするための思考実験であり隠された謎を明かすミステリでもある。それでいて偶然ではなく必然として"主人公になる"という事がどれほどに大変な事なのかをこれ以上なく示してくる1冊。顛末が好みに合うか、という部分が一貫したテーマだったのがまた興味深い。こういう感じ方の違いは現実でも大事だから改めて蔑ろにしてはいけないと思った。辛さはあったけど最後のシーンがとても心に響いた。
『スパイ教室 12 《万愚説》のエルナ』
著者:竹町
イラスト:トマリ
出版社・レーベル:ファンタジア文庫
読了ポスト日:10月20日
これこそ1年の集大成! 強敵に対して今まで講じてきた策が放たれていくからどう転がるかが未知数で続きが気になって仕方がない。というか相手みんなずっと強すぎて顛末が予測不可能過ぎた。だからこそ逆転できた⁈ と思った瞬間のアドレナリンフィーバーは快感。というか目の前の事に熱中しすぎて「そういえばそうだった!」みたいなネタもあったりしてこれぞスパイ状態だった。最後まで衝撃たっぷりの巻だった。いや個人的にはチョイ前の決着シーンも捨てがたい……。
『はじめよう、ヒーロー不在の戦線を。』
著者:服部 大河
イラスト:河地 りん
出版社・レーベル:ファンタジア文庫
読了ポスト日:10月22日
主人公あるあるでパワーアップ⁈ という設定がもう面白い。確かにそういわれてみればそうだなと爆笑できることもあったし、その主人公性でどのようなパワーアップがされるのかを予測するのも楽しかった。凄かった主人公に関わりのあった人物達がどのように行動するのか、その末に生まれた総力戦はテレビの前で応援したくなる。本編も凄く痺れるだけどそれはそれとして前日譚も見てみたい。分かる範囲だけでも気になりすぎて仕方がないんですよ。
『双星の天剣使い 6』
著者:七野 りく
イラスト:cura
出版社・レーベル:ファンタジア文庫
読了ポスト日:10月23日
大一番の戦いということもあってとにかくラストがアツかった。なるほどそう着けていくかぁ~と。2人の決め台詞的な所もこれぞというカッコよさもありながら彼等らしい気の抜けた部分もあってこれもまた集大成だなと感じた2人に限らず皆がどんな状況であっても何時も通りなやりとりをしていたからこそホッとすることも少なくなかったし。過去と今、両方の時代の区切りがつき、彼等が歩む更なる未来が表紙のように眩したらんことを。
『フェアリー・バレット ー機功乙女と偽獣兵士ー』
著者:三嶋 与夢
イラスト:itaco
出版社・レーベル:GCN文庫
読了日:10月24日
ポスト投稿日:10月25日
キラキラした戦闘員の卵が集う場所は学園らしさもあって、養成所らしさもある。明るくもドロドロした空気感なこともあって日常パートでも何が来るのか気が抜けない。機械的ながらも時折人間らしさが垣間見える主人公にも目が離せない。あと、ちょっとやんわりした表現になるけど世界観がまじりあったかのような兵器が並び合うの良くない? 形や戦闘スタイルの違いが両者の雰囲気を引き立てあってたように感じた。どっちもいいよね。
『アイテムダンジョン! 1 ~俺だけ創れる異能ダンジョンからはじまる、落ちこぼれたちの英雄譚~』
著者:かみや
イラスト:夕子
出版社・レーベル:HJ文庫
読了日:10月26日
身近なものがダンジョンになるとこでめっちゃびっくりした。確かにタイトル通りだけどダンジョンに凝り固まったイメージがあったからより衝撃だったのかもしれない。全体としてはほのぼのよりだけど、落ちこぼれとみなされる人達の頑張りとか、ずっと高潔でいられない人間らしさあり、尚且つそれが悪いだけじゃないと頷いてくれる優しさに心を持っていかれる。RPG風だけど現実寄りな世界観とマッチしたテーマだったと思う。
レビューも掲載してます。
『Fate/Prototype 蒼銀のフラグメンツ 2』
著者:桜井 光
イラスト:中原
原作:TYPE-MOON
出版社・レーベル:角川文庫
読了日:10月28日
ポスト投稿日:11月6日
キャスター登場直後のシーンでホラー路線入った⁈ とパニクッてしまったがそんなことは無かった。でも着実に何かが起こりつつあるソワソワ感にはずっと目が離せなかった。幼くも芯のある美沙夜ちゃんと優しげだけどどこまでも魔術師なキャスターがどっちも良いキャラしてる。特に後者は台詞の1つ1つが脳内再生余裕過ぎた。2人の会話パートは敢えてゆっくりしたペースで読みたくなってしまった。その後の時系列の美沙夜ちゃんもすんごい凛々しい、カッコいい。
『東京 LV99 異世界帰還勇者 VS 東京最強少女 ー山ノ手結界環状戦線ー』
著者:節兌 見一
イラスト:エリンギ味噌
出版社・レーベル:ダッシュエックス文庫
読了日:10月29日
ポスト投稿日:11月6日
これはまさしくアクションよりバトルって表現する方がしっくりくると断言できるタイプだ(異論は認める)。属性から分かる、どう見ても強いヤツ! 魔法少女に対して可愛いよりも得体がしれないという印象を抱いたのはかなり珍しいかもしれない。バトルものだけど現代舞台でシステム整ってるのもあってやや落ち着いた作風のギャップも良いスパイスしてる。裏側で謎の組織が色々あるパターンやっぱ好きだわと再認識した。ジャンルごった煮系ということもあってステータスの存在がいつも以上にありがたく感じる。
『カタリゴト 帝都宵闇伝奇譚』
著者:柴田 勝家
イラスト:白咲 まぐる
出版社・レーベル:角川ホラー文庫
読了ポスト日:10月31日
ポスト投稿日:11月6日
奇妙奇天烈な怪奇譚が理路整然とした物語になる過程があまりにも美しすぎてこれそのものが1つの怪奇現象なんじゃないかと思ってしまう。ぶっちゃけ前者も後者も好き。語りパートの実際の喋りをそのまま文字に起こしているかの区切りの良い文章も雰囲気でてるのいいよね。それでいてプライベートではめっちゃ可愛い湖月さんあざとい。それでいて1人の芸人なんだなと実感できてしまうのがズルい。そしてまさかの展開で物語が収束していくのも凄いテンション上がった。
さいごに(+今後について)
10月は前半はめっちゃ調子よかったけど後半はあまりでした。本当に色々あったんです……。でも新刊だけじゃなくてずっと積んでいた本もいくつか読めたのは上々。
で、ここからちょっとお知らせになるのですが、もしかするとこのコーナー、なくなる可能性があります。
これには訳がありまして。今まで書影と一緒にX(旧Twitter)に投稿してきた同僚報告+α を月別でこっちで纏めてたのですが、その X の方で画像関連でなんやかんやあるらしくて。具体的な話はもうチョイ先にならないと分かりませんが、もしかしたらそもそもグレーゾーンな書影の投稿が出版社や作者の方に更に迷惑が掛かりそうだなと判断しました。
ということでブクログか読書メーターの感想機能の仕様を視野に入れているのが現状です。それらのサイトで1度載せた投稿と同じものを別場所で載せるのもちょっとどうかなと考えておりまして。何で今までの感想文を別サイトに載せる代わりに備忘録系の記事を削除するかもしれません。でも最近はこの記事も色んな方がいらっしゃってる様なので残したいなと思ってるのも事実です。また決定しましたらお伝えします。
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