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【ネタバレ注意!】読書感想:『帝国第11前線基地魔導図書館、ただいま開館中 3 疾駆せよ移動図書館アーキエーア

※注意※

  • この記事はタイトルにある作品及び同シリーズのネタバレありの感想文となります。事前に該当書籍を読了していることを前提としています!

  • 内容にもガッツリ触れているので、これから読むという方は今すぐにブラウザバックをしてください。

  • 雑な妄想、考察等自由に書いています。何でも許せる方向けです。

  • また、サムネイルにイラストAC(https://www.ac-illust.com/)様の画像を使用させていただいています。

 1巻について&ネタバレ無しの紹介文章はこちらの方になります。

 また、今回は3巻の感想となります。巻数の程お間違いのないようにお願いします。前巻のネタバレ感想はこちらの方になります。


はじめに

 秋が来ました(多分)。そしてそれに合わせるかのように『魔導図書館』3巻目。多分ただの偶然ですね。早いなぁ~と思って調べてみたら1巻出てからまだギリギリ1年経ってないんですよ! 1年に3冊出てるって凄くないですか! マジでありがとうございます。

 しかも今回もアツく、それでいて一気に駆け上がっていく物語でした。前置きもここまでにしておきましょう。それでは一人ぼっちの感想大会、行ってみましょう!

感想タイム

すごいぞ我らがアーキエーア

 という訳で3巻目な訳ですが、今回のテーマはズバリ移動図書館! 一応2巻のあとがきで出来たらいいなぁ~ということは書かれていたのですが実際に旅の工程が楽しめるのは本当に感動でしかない。というか今回のタイトルの副題の語感が良すぎる。声に出して読んでみたい。アクションアニメにありそうなノリだけどめっちゃしっくり来てる。だからネーミングで恥ずかしがることはないんですよ。まあこういうのに名前つけるときに神話にあやかる事は何も不自然な事じゃない、はず。今パッと出てこないけどどっかで見た気がするし、うん。

 アーキエーアを見てると車って当時の技術力の結晶じゃないのかなと思うようになった。現代だったら自動運転とか話題になってるし。ちょっとした描写であの世界の技術力がどのくらいなのか、そしてアーキエーアがいかに最新アイテムなのかが分かってくる。これはワクワクも仕方なし。

ロードムービーの時間だッ!

 という訳で前半はロードムービータイム。同伴メンバーはいつもの3人! といいたいところだけど今までそれぞれの立場で動いてたイメージだったから本格的なチームプレイなのが一周回って新鮮だった。特に順番に合流していくのがRPGの仲間集め風でありつつも作戦のあれこれ含めて実は既定路線だったってのもあるのかもしれない。

 今回は色んな基地を渡り歩くからこそ基地内での物資の流通について知れた巻だったなぁと感じた。やっぱり今まで戦記とかミリタリ系に触れてこなかったから一歩離れたとこから基地を見るの新鮮。国を挙げた計画だから規模大きいなぁ。

 移動図書館もにぎわっていて何より。遠い所への対応は意外性もあったけど凄く納得できるシステムだった。(あくまでも個人的な話だけど)現代でも図書館の蔵書って棚にある範囲ぐらいしか感じにくいし、あの世界だったら蔵書検索も大変そうだし。少しでもたくさんの本が手に取ってもらえるシステムだと思う。逆に現代では実現しないだろうからこそのロマン、あると思うんです。

魔王軍サイド

 移動図書館についてまだまだ語り足りないけどそろそろ次の話題に移らなきゃ文字数がとんでもないことになりそう。(この時点で予定文字数の4分の3直前)ということでお次は魔王軍に纏わる個人的な感想を色々と。やっぱこの世界の魔王軍、今回も目が離せなかった。

 まず全体として自軍の疑念を普通の兵士達が抱いてたのが何よりも印象深かった。どこか現実味のある要素が多くてクスッときながらも脅威であったし、人間側もそれらに対して何とか対応してきたっていう認識でいたから余計に。お互いに攻めてくる側に恐れていたのか。この作品、普通の兵士が良い味出してる。

 会議シーンも内容色々判明するし緊迫感ある場だった。話逸れるけど人間サイドの名乗りでアリオスの肩書の異質さがカッコよかった。それはそれとして戦争起こした理由がさぁ! フラグみたいな前置きしたらマジで直喩なやつがあるか!! 全部書いてたら文字数嵩むから止む無くパスしてるけど今回こういうシンプルな下りで笑わせてくるポイントが多い。

 あと余談になるけど帝都の研究の内容を目で追ってる最中に、

 物質の化学的量産法とか化学の授業でやったなー。ここまで具体的に書いてあるなら現実にも対応してるやつあるんじゃないかなー。でも受験期詰め込み学習のリバウンド詳細全部忘れちゃったなー。もうハーバー・ヴォッシュ法の名前しか覚えてないよー

 とか考えてた次の瞬間答え合わせ来てめっちゃ吹き出しそうになった。食事中に読んでなくて良かった。

 魔族個人の話になるならかなり上の立場の方が続々出てきただけでもかなりびっくりしたし、それぞれのキャラ──特に初登場組──にもフォーカス当たるし更にみんな濃い。場合によっては普段あまり意識してないはずのイメージボイスが即決したレベルで。

あーあ、もう感情がぐっちゃぐちゃだよ

 さてさて、今回のクライマックス、マジでヤバかったです。強い奴らの個人戦はアクションものの華! そういえば何気に各巻でクライマックスのシチュエーション違う? 敵も強くてどう決着がつくのかハラハラしたけどそれぞれができる全力を出してたのが印象的。特にアリオス人間の勇者という言葉が良く似合う。

 そしてこちらもシリーズ恒例の魔導書使用シーン&サイドイラストも健在だったけどさぁ! いつもと違う感情を演出でめちゃんこ意表を突かれたのですが! もう色んなものがこみあげてきて辛い。思い出すだけで目頭が……。とにかく私が言えるのは信じる心の真の強さが垣間見えました。

 そ・し・て、エピローグですよ! まるで予知されていたかのように見たかったその後が全部詰まってた。まあ戦後処理なんて一筋縄ではいかないし、実際に大変だったみたいだけど、それでもこの光景に辿り着けただけですごく安心した。皆の希望と努力は無駄にならんかったんだって。エピローグだけでも1冊分の内容ありそうだから3巻は実質2冊分のエピソードがあってお得なのでは?(迷推理)キャラごとにどうなったのかも書いてあって「マジで⁈」ってなったし、その書き方も戦争が終わったんだよなぁと実感させられる。それはそれとして某警備員さんの下りはその前後含めて笑ってしまった。具体的には、

P346:平和になったんだなぁ(しみじみ)まああの人らしいか。
P348:お い お ま。その表記は初耳なんですけどぉ⁈
P350:シンプルに草。頑張ってください。
P351:こいつぅ……策士かな?

 みたいな4コマ漫画みたいな状況でした。シンプルだからこそその狭間が気になって仕方がない。何なら王族ズの実況込みで見てみたい。

全体を通して

 そろそろ長くなってきたので語りたい感想は残り2つに絞ります!

 ということでまずはクレオ様! 今までは一歩距離を置いた場所にいたイメージがあったからこそ今回の巻で全面で動いてる彼女が見れて嬉しかったです! きりりとした御姿だけではなく、現地での楽しそうな様子や、本を手に取ってる兵士さんを直で見てくれたりとココスキポイントが多い。最早皇女越えて女傑。この人が歴史に埋もれて欲しくない気持ちと間違った事実流されるぐらいなら……という2つの気持ちに板挟みにされながら見たエピローグでにっこり。本当に、良い方でした。

 そしてもう1つについて。これは内容そのものの話じゃないし、その上ただの個人的な見識になるんだけど、今回の構成結構面白かったなぁと。伏線が直接コレ! というよりも前々で出てきた要素が後半の展開に繋がってくるのが多かったのが印象深った。だからこそ前半のロードムービーも変に勘ぐりしないで目の前のあれこれを楽しめたし、「ここがこうして……こう繋がっていくのか!」と知的な遊びができたような気がした。普段は現実の情報とリンクして発動する連鎖が1冊の本の中で味わえたような気分。具体的な部分も書こうかと思ったけど文字数&勝手な意見になるのでここまでにしておきます。

さいごに

 物語も一区切りとの事なので改めて感謝の言葉で締めたいと思います。

 戦う事だけが戦争じゃない。だけど自分の望みのために闘う、シリーズを通してそういう話なのかなぁと感じました。後方支援や前線へ向かう兵士の日常、果ては戦争を終わらせることの考えなど、このシリーズではそういった戦争について新たな視点を得られたような気がします。佐伯先生、本当にありがとうございました。

 イラストを担当してくださった、きんし先生もカラーイラストの落ち着きがありつつも目を惹く線と色使い。そして作中のイラストはみんな活き活きしてました。今回特に名イラストだらけでした。色々あるけど1番好きなのはエルのお辞儀です。

 そして最後に、発売・読了から時間がかかった挙句長文の感想を書いても尚、大雑把で書ききれてない感想を最後まで読んで下さった皆さん。ただ性癖に刺さった一般通過オタクの拙い独り言でしたが読んでいただきありがとうございました。周辺にラノベ語れる人が少ないからこうやって書き出してので、読んでいただけるだけでも感謝しかありません。叶うならば画面の向こうの皆さんと語り合いがしたかったです。

 それでは今回はここまでです。改めまして、素晴らしい物語に出会えてよかったです、ありがとうございました!

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