みっきーのリアル登山者の端書き#823『門』
登山道を歩いていると、たまにその両脇に対のように木が並んでいることがあり、さながらゲートをくぐるような面白さを感じることがあります。
日本ではお正月に門松という習慣があるので、そうしたシチュエーションが余計に好きなのかもしれませんね。
ちなみにお正月に何故門松を飾るかというとその年の年神様をお招きするためのものだそうです。
民俗学者の折口信夫さんの「門松の話」という本には、愛知県の三河地区には門神柱という習慣についても触れています。
門神柱は、樹木で作った2本の柱の間を、しめ縄でつないだ門のようなものです。
門神柱には松ではなく、栃、杉、栗、楢など色々な樹種が採取して使われたようです。
門松も、門神柱も、神様をお招きするためものもですが、「門」という存在が家の縁部にあり、誰かが出入りする地点・シンボルであるというところか「招き入れる」という要素が付いたことが想起されます。
山で門松や問神柱のような並んだ木を見つけるとワクワクするのは、あたかも登山者が山に「お招き」をされたように感じるからなのかもしれませんね。
また、受け入れられる・招かれるということについて、人が自然に心地よさを感じているということも言えそうです。
常に心に人を受け入れる、素敵な門を構えていたいものです。