見出し画像

門出の3月 私は子ども達に何をしてきたんだろう

3月になりました。
勤務校では連日「6年生を送る会」が行われています。

卒業式に参列できない1~4年生も一緒に6年生の門出を祝う行事が各校で復活しています。体育館に全校児童が集まるためコロナでしばらく立ち消えていました。
(卒業式に5年生が参列するのも今年から再開します)
 
 
行事に関しては、児童への強制力が働くためよくも悪くも思うところはあります。
我が子も「別にそんなにお世話になってないし、たてわりの遊びもそんなに楽しくないし」と家でブツブツいっています。実際子供の目線に立てばそんなものなのかもしれません。
 
 

なのに、学年全員声を合わせて、心を合わせて(?)「おめでとうございます」とか「がんばってください」とか言わなきゃいけないですからね。
練習の時に集中していないと、先生たちからのヤジが飛びますし。
本当にご苦労様だと思いますし、こういう時間におとなしく指示に従って参加している子供は偉いなぁと心の底から思います。
 
  
本音とは裏腹のお世辞?社交辞令?は、こうやって叩き込まれていくんだな。。。
と、冷静に観察する変わった教師は私ですw

特に特別支援のお子さんにとっては、自分を抑えるというエネルギーの要る時間。
そこのところ、気持ちだけでもわかってあげられる先生が増えるといいんだけど。

 
 
もちろん、そういう場でダンスとか、創作劇とか、楽しい方面で力を発揮する子もたくさんいます。実際、出し物は見ていて楽しいものが多いです。
子どもたちが「楽しい!」とい気持ちで取り組んでいれば、楽しい雰囲気でいっぱいになりますよね。まさに集合無意識!!

 

「在り方」だったのかもしれない


 
昨日在校生に送られていたのは、私が4年以上支援し続けた6年生のNくん。

 
送る会の後に、支援教室の個別学習に来ました。
「Nくんとも、あと2回だね」
いつも別室を借りて、私とボール遊びをしたがるNくんでしたが、
「今日はあまり時間ないよね」
と言って、カードゲームを取り出してきました。

4~5年生の時に、Nくんがハマっていたものです。いつも、私に嫌なカードを押し付け、私はそれを受け取り負けたふりをしなくてはいけない。勝って気分がよくなることで、彼は心を落ち着けて教室に戻り、嫌な学習、嫌な活動をがんばりました。
 
 
私は送る会の様子を体育館の2階から眺めていたので、
「ちゃんと、いい態度で見たり聞いたりできたたよね。えらいじゃん。Nくんのクラスの他の子は下を向いたり、鼻をいじったりしてたよ」
と言うと、
「あ~、あいつね。いつも、ああなんだよ」
と笑って、こう続けました。
「でもさ、俺だってちっとも面白くなかったよ。だって、卒業おめでとうございますって言われても、まだ卒業じゃないし。がんばってくださいって言われても、お前誰だよ?って感じ」

やっぱりね。Nくんらしい。
そう思いながら
「心の中では何を思ってもいいよ。自由だよ。でも、それを表に出さないのがすごいよね。見た目は前を向いて、すごく真剣に話を聞いている顔だったよ。さすがだね。」
と言うと、Nくんはうれしそうにしていました。
 

実は、送る会のそんなNくんの姿をみて、秒で泣いてしまったのは私です。 
 
 
Nくんは2年生の時に教室にいられなくなって、廊下や階段、体育館、校庭をふらふらと遊び歩いて過ごしていました。
親御さんの説得に時間がかかりましたが、なんとか申し込んでもらうことができて、3年生からは正式に指導を始めました。
3年生の時も、秋ごろまで教室に入れませんでした。
4年生の時は、教室にはいましたが、ルールやマナーを守ることが難しく、ノートもほとんど書けませんでした。
そんなNくんと週2回1時間ずつ、4年間。マンツーマンで過ごしてきて。
 
 

Nくんは一歩一歩着実に成長してきたのが、誰の目から見てもわかるんだけど。
私は4年間、具体的に何をしてきたんだっけ???

 
 
うまく言えないのです。
一言でいえば「在り方」だったのかもしれません。
 
 
 
Nくんと出会った頃、私はまだヒプノセラピストではないどころか、ヒプノセラピーの「ヒ」の字も知らなかったけど。
Nくんにとって「ヒプノセラピスト的な在り方」で、Nくんの環境となって、コツコツ時間を積み重ねていった、というしかないかもしれません。
 
 

最後の指導は来週の金曜日。
彼にとっても、私にとっても大事な4年間が一段落する日です。
せっかくなので、自分の足跡も一週間かけて振り返ってみようかなと思います。
時系列があべこべだけど、
「教育×ヒプノセラピスト」を言語化するのに、Nくんとの時間が一番ぴったり、しっくりきそうです。
 
 
 
 
 
 自己信頼を取り戻すために伴走いたします
《自分に還るヒプノセラピー》
↓   ↓   ↓




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?