看護師が芸術系大学に入学したのですが
私は現在30代前半の看護師なのですが、実は昨年の3月まで芸術系大学に通っていました。
子供の頃から憧れていた芸術を学ぶべく、人生二度目の受験を経験し大学生活を送っていました。
もちろん、学費や生活費を稼ぐべく看護師の仕事をしながらの大学生活だったので大変なのは大変でしたが、通り過ぎてみればあの時にしかできなかった経験だったな、もうできないかな、、、なんて満足感と達成感でいっぱいです。
若さとお金は一瞬もの
学びと経験は一生もの
大学を卒業した今、月並みですが本当にそうだなと感じることです。
気持ち的な若さと使えるお金がなければやりたいことはできません。逆に言うと、やりたいこと思える気持ちは若さにつながり、やりたいことのためには時間をかけてお金を稼ぐことができます。時間は若さであり、お金に対価になります。
だけど、学びと経験は私にとって若さやお金の代償となっても余りあるものでした。時間をかけてお金をかけて得られた経験や学びは、私のこれからの人生を助けてくれるのだと自信につながりました。また、唯一無二の大学生活は、私の知見を広げ、思考を確立させてくれました。だからこそ、限りある若さやお金をかけてでも、一生分の学びと経験を得ることに喜びを感じたのだと思います。
やる気のタイミング
私が大学で演劇を勉強したいとうっすら考えていたのは25歳、社会人3年目の時でした。両親にすすめられた看護師の道を進んだ私は、いつか大人になって自分でお金を使えるようになったら芸術系の勉強したいとずっと思っていたので、その思いが頂点に達していたこの頃、受験へ切り出しました。30歳を過ぎた今、もう一度やれと言われると絶対にできないと思えるほど、この頃は活力とやる気に満ち溢れていて、この時期が大学に挑戦する最高のタイミングだったのだなあと思います。
お金と時間
大学に入学するにあたり、受験勉強や大学に入ってからも時間を有効的に使えるような夜勤看護師のアルバイトに転職し、家賃が安くてどこの大学に入っても近くに引っ越しができるよう入居金が抑えられるシェアハウスに入居しました。これまでは、学費を全額貯金してから大学に通おうと思っていたのですが、軽く500万円は下らない芸術分野の大学だったので、利用できる奨学金や学資ローンを視野に入れて、将来への貯金として借金をすることを選びました。
そして受験
現役高校生と足並みを揃えるべく10年ぶりの受験勉強に勤しみました。社会人入学という制度は利用できない大学だったので、完全に古ぼけた脳みそを叩き起こしながらの勉強です。
この時、一番感じたのは高校生の頃に半強制的にやっていた受験勉強にはなかった学ぶ楽しさでした。シェアハウスの外国人の友達に英語をたくさん教えてもらったり、現代文の文章でいちいち感動したり、語り口が面白い日本史の参考書は今でも捨てられずに持っています。
この受験勉強の期間は、「学ぶ」ということから遠ざかっていた社会人の私を、学ぶことが基本姿勢である「学生」に転換してくれたとても大事な過渡期だったなと思っています。
大学生活
最終的に第一志望だった大学に無事入学できました。やる気は他のだれよりもあったのではないかと思うほど、情熱的に学生生活を送っていたと思います。でもやっぱり10年前の大学生活とは異なる点は、大学生活エンジョイというよりは、「知りたい、学びたい」の気持ちが前面に出ていたことでした。
実習や授業での発表でも、恥も外聞もなく発言し、褒められもしましたし、怒られもしました。正直、苦い思い出ばかりが鮮明に記憶に残っています。
同じ学生たちには、少し年上のおばさん学生がいるということをすんなり受け入れてくれて、腹のうちを話し合ったり、バカ笑いをしたり、傷ついたり、朝まで慰め合ったり愚痴ったり。財産だなと思える友達に出会いました。
理想の学生生活とはかけ離れていて、それはそれなりに、こんな濃密な経験、これから二度とないかもしれないな、と思いながら卒業しました。
なにより、
やる気だけではどうしようもないこと、自分がやれることとやるべきこと、やれないことを明白になりました。終わったのではなく、始まったのです。
だれかに
現在でも、社会人から大学にチャレンジする方は少なくないと思います。
別にやりたいことがあったり、資格を取るためだったり、仕事の更なるスキルアップのためだったり。
私が受験に挑む際に、社会人大学生になった方々の経験などを調べていっても、自分の想定する大学と社会人の両立の形に参考となる内容を見つけることができませんでした。
正直、行き当たりばったりでやってみたことが多かったです。
これから社会人で大学に入学したい方、また看護師だけど別の道に進みたいと思っている方へ少しでも参考になればと思い、このマガジンを開設しました。
少しずつ、もう少し解像度の高い「看護師が芸術系大学に入学したのですが」を投稿していきたいと思います。
もし、質問があれば受け付けておりますので、コメント欄でお待ちしております。