要領のいい友人
商業高校に通っていた。
その高校で、ある時ペアで作業伝票を書く授業があった。
ちなみにまだこの時点では、自分に知的障害があることを自覚していない。
しかし要領が悪いことは、重々承知していた。
そんな中、その授業でペアになった男子生徒は、とても要領が良い生徒だった。
僕がおそらくどれだけかかっても出来ないであろう記載作業を淡々と、かつ難なく終わらせていた。
明らかに生まれつきの能力値が違うと思ってしまった。
よーいどんで始めた課題なのだ。商業報告書作成の予習なんてする人はいないだろう。
僕の場合は予習しても出来ないかもしれないが…。
当時は僕の要領も悪いと思っていたが、その男子生徒の要領が良すぎるんだろうなと思っていた。
まさか僕の頭は知的障害レベルで地頭が悪かったとは…。
もう全て諦めてしまった。
生まれつきの要素は、皆が思っているより大きい。僕は歳を重ねる度にその説を信じてしまう。