実際経験してみないと分からない

地域によって《常識》や《普通》というのにはズレがある。 

一番小さな単位だと家庭だ。
虐待が日常の家庭もあったり、両親が居ないという家庭もある。児童相談所などで育った人間もいるだろう。
一括りにはできない。

学校なども校舎、もっというとクラスによって雰囲気が違う。仲がよく一致団結しているクラスもあれば、冷えきって自動車学校の教室のようになっているクラスもあるだろう。
裏サイトが存在する学校などもあるかもしれない。
田舎で廃校寸前になっている学校もあるかもしれないし、全校生徒合わせても数人しかいないような学校もあったり、ヤンキーだらけで荒れまくっている学校もあるだろう。
学校という概念も、一括りにはできない。実際行ってみないと分からない。 
部活だって同じだ。上下関係どころか、集団かどうかも分からない。部員数2人…とか。

「適応障害なら休職すればいいじゃん」
というアドバイスも、職場によっては休職ができないところもあるので実質選択肢にならない。

転職するにしても、地域によって働き口の数には差が出るため、一概には言えない。

免許を取る取らないも、地域によって差が出るだろう。

極端な境遇が重なると、生活保護対象になる可能性もある。
しかしこの生活保護も、対応する職員によって生殺与奪の権利を握られてる。
同じ貧困度の人間も、職員によっては水際対策を張られる可能性がある。

実際に経験してみないと分からないことがある。
「〜はこう」
「〜ならこうすればいい」
というテンプレートは当てはめられない。人間、人生、タイミングは多種多様の千差万別でそれぞれ違い、再現性がない。

極端な話、同じ《戦争体験》といっても、最前線にいるか後方支援にいるかで体験することは違うだろう。
韓国の兵役は今でもそうらしい。売店で働くだけでいい事もあれば、地雷撤去で足を失うこともあるとのこと。
《兵役》とひと言で言っても、かなり差がある。

戦争体験は極端な例だが、現代だとイジメやブラック企業などだ。これも差がある代表概念だ。
イジメ経験といっても100通りイジメの形や質、大きさ、頻度、時期などといったバリエーションがある。
ブラック企業も残業80時間から残業400時間といったものまである。週に休みが1日しかとれないものから、月に休みが1日しかとれないものまで色々だ。
恋愛経験といっても様々な形があり、フェードアウトや大喧嘩の末といったような、様々な別れ方がある。
うつ病や適応障害、知的障害といっても、症状の出かたや得手不得手の特性は人それぞれだったりする。

少なくとも生活保護を受ける人間や精神科にかかる人間は、必ず特殊な経験をしている。これは確かだ。

ホームレスとひと言で言っても、境遇の差があるかもしれないし…。それこそ体験した事がないから分からないが、世の中と人生全てに言えることは、個人の人生を一度体験してみないと分からないということだ。それぞれ能力や環境、容姿、体質、生まれてくるタイミング、生きていく過程で出会う人間が違うのだから、寿命や病気、結婚や出産、転職や労働形態のタイミングや有無、上下だって違う。
そこから悩み事やトラウマ、願望や目標が変わっていく。人間は多様なのだ。

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