不運と幸運は表裏一体
不運と幸運は表裏一体で紙一重・・・そして絡まりあっている。
死刑囚というのは、芸能人と同じくらい珍しいのではないか。
連続射殺事件を起こした永山則夫という死刑囚をご存知だろうか。
極端な人生という意味では、成功者と変わらない。
《木橋》と題した小説では文学賞も獲得。
小説家からすると喉から手が出るほど欲しい賞だ。
有名な自伝では、《無知の涙》がある。
よく、歴史に名を残したいという理由で勉強や研究、創作活動に精を出す人間がいるが、永山則夫は生い立ち丸々残した。
永山則夫の生い立ちを知った世間は彼に同情した。
弁護士は死刑廃止を宣言し、ニュース番組では犯罪者であるにも関わらず、敬称をつけた。理由としては、死刑が執行されたので、免罪されたというものらしい。・・・オウム真理教の幹部たちに敬称はついただろうか。
しかし永山則夫の過去が悲惨であったことは事実だ。
明らかに不運だが、その要素があったからこそ歴史に名を刻んだのだ。
もっと言うと、歴史を動かしている。
《永山基準》という言葉だけは聞いたことがある人は多いと思う。
彼はその後の裁判に、多大な影響を与えたのだ。
皮肉にも彼の不幸な人生が世間の同情を買い、持て囃された。