いいモノは評価されない?
映画の興行収入ナンバーワンは鬼滅の刃だ。
その前は《君の名は》などが流行った。
しかし映画評論家の中には、《君の名は》のシナリオを批判していた人もチラホラいた。レベルが低いと思っていたのだろう。
役者の演技、起承転結、伏線…それらがチープで子供だましだと。
世の中は《レベルが高いもの》ではなく、《分かりやすいもの》が評価される。
これは江戸時代からそうだ。
歌舞伎が主流文化だと思われがちだが、江戸時代当時から大衆は歌舞伎を敷居の高いものだとし、大衆向けの娯楽に親しんだ。
ピカソのキュビズムはさぞ高レベルだろう。しかし大衆には理解できない。なので他の絵の方が評価される。
オペラよりヘビメタより、アイドルソングが評価される。
技術ならば秋川雅史やドラゴンフォースの方が圧倒的に上だが、世間ではYOASOBIや新しい学校のリーダーズ、乃木坂46といったような、ポップな曲やアーティストが人気だ。
「見た目より中身を愛して欲しい」というような願望と同じだ。中身は分かりくいどころか、全く分からない。気分や価値観なんて常に変わっているし。