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小松明日香
2023年9月18日 01:23
はじめに今回はまた遠藤周作を起点として、我々は既に起こったことについてどのように捉えるかを考えたいと思います。ジャン=ポール・サルトルの『嘔吐』という本に、「生きること」と「物語ること」の違いが書かれています。その違いとは、生きることは無意味な日々が単純な足し算のように積み重なっていくだけだが、物語はまず結末を用意され、生がそれに向かって進むための布石を用意されている、ということです。
2023年8月13日 18:36
はじめに今回は私が中学生の頃から大好きで、ヘルマン・ヘッセとともに私の精神を支える柱である作家の遠藤周作についてです。彼の一冊の本について書こうとすると終わりが見えなくなりそうなので、テーマを定めて横断的に何冊かの本について書こうと思います。 第1回目は、遠藤周作のキリスト教観の根底に関わる「キリスト」と「悪魔」の描き方について考えました。あくまで、広い意味を持つ「神」ではなく、人間として生き
2023年8月6日 18:11
はじめに現在私は美術大学生でちょうど夏休みに入ったところですが、前期は実技と毎週出さなくてはいけない学科のミニ・レポートに追われている間にあっという間に過ぎていきました。その時に思ったことですが、自分の思考をギリギリ人に見せられるような文章に整えて例え納得いかなくても期限までに提出するというレポートの作業は、自分のその時々の思考を整理するのに案外役に立つのです。レポートと書くという行為は明