2023年1月の読書まとめ
読書数
読書数トータル---20冊
紙の本---11冊
Audible---6冊
Kindle---3冊
ひとこと
今月は『地図と拳』『はてしない物語』に時間を取られましたが、両方とも好きな作品となり、良い読書時間を持てました。
予想は外れてしまいましたが、直木賞ノミネート作品を発表日までに読み終えることが出来て、達成感あり。
今月読んで良かった本8冊の感想(読み終えた順)
優等生は探偵に向かない ホリー・ジャクソン
『自由研究には向かない殺人』の続編。
前作のネタバレ満載なので、未読の場合は必ず先に1作目を読むべしです。今回もすごく面白かったです。
主人公ピップは、鮮やかに解決して話題になった前回の事件についてポッドキャストを配信し、たくさんのファンを獲得する、というところから物語がスタートします。
そこへ新たな事件が持ち込まれ…もちろんピップは再び事件の解決に奔走するのですが、InstagramのなりすましやFitbitの健康記録機能の解析など、デジタルアイテムがたくさん出てきてそれも面白いです。
第3作も早く読みたい!
シャドウワーク 佐野広実
DV被害者の女性たちが強く生きていく姿を描いたミステリー。
視点人物の2人は、どちらも夫に暴力を振るわれたDV被害者の女性で、視点は交互に移っていきますが、その2人が出会うあたりでタイトルの意味もわかってくる…そんな仕掛けでした。
面白かったけれど賛否が分かれそうな内容だと思います。
とりあえず映像化はコンプライアンス的にNGかも。
被害者サイドの感情で言ったら納得のストーリーだと思いますが、DV加害者にも社会背景や生い立ちがあり、彼らを唯一無二の存在として育てた親があるわけで、単純な悪と見做すのはどうなのかな?
変な家 雨穴
間取り図から妄想する犯罪…この間取り変わってる〜まさかとは思うけど、こんな事やあんな事が起こっていたりして、と思っていたら本当にそんな事件が起こっていた?!というところから始まるミステリー。
途中までは良かったのに、中盤から八つ墓村的な『そんなわけないでしょ!』というくだらなさが展開されはじめ、あらあら?と思っていましたが、後半持ち直して最終的には大変面白く読ませて頂きました。
読後、作者の雨穴さんはオカルトホラー作家ということを知り、納得しました。
ドラマ化され映画化も予定しているそうで。続編も読みたいです。
世はすべて美しい織物 成田名璃子
素敵なタイトルに惹かれて手に取った一冊です。
昭和初期から戦争の時代を生きた芳乃と、現代を生きる詩織の物語が交互に語られています。
染色・織物工芸の歴史と今という題材に、ADHD特性との向き合い方、中でも家族関係の中での受け取り方という難しいテーマを絡めていて、読者を飽きさせない作りになっているなと思いました。
芳乃パートでは、夫となる達夫さんが、絶対的に芳乃を好きになったきっかけが語られていないのが引っかかりました。
詩織パートでは、色々な要素が詰め込まれ過ぎていたので、もう少しスッキリさせても良かったのでは。
地図と拳 小川哲
満州が存在した五十年弱の歴史を描いた物語。
ドラマなどでもそうですが、重要人物が序盤に死んでしまうと、不謹慎ながらも途端に面白くなるパターンがあると思いますが、この作品もその感じでした。
『地図』と『拳』という2大『男のロマン』を哲学的に追究していく登場人物達を描いていて、大変面白かったです。
『戦争構造学』なるオリジナル学問が登場し、ここ数年流行りの地政学を絡めて展開します。
群像劇であるとともに時代も移り変わっていくので、読者としてはどのキャラクターの目線で物語を追っていくべきか捉えにくいのが難点でした。
はてしない物語 ミヒャエル・エンデ
私の読書における原体験とも言える一冊です。
Audibleで配信されていたので、久しぶりに聴いてみました。
映画化された前半部分の印象が強く、実は後半はあまり詳しく覚えていなかったのですが、物語の後半にこそ作品の大切なメッセージが詰まっていると思いました。
人狼グモルクとアトレーユの会話、アイゥオーラおばさまとバスチアンの会話が特に心に残っています。
物語が人の心に与えるもの、人の存在そのものへの愛について。
今回、大人になってから読む(聴く)と気づきが多いと思ったので、大人の方にも是非読んでみてもらいたいですね。
コスパで考える学歴攻略法 藤沢数希
中学受験、高校受験、日本と海外の高等教育(大学以降)、英語教育について語られた本です。
『コスパで考える』というタイトル通り、金銭面でのコストのほか、労力という意味でのコストについても提示されていてわかりやすかったです。
現代の日本の教育業界への違和感の正体をハッキリ示してくれるので、お子さんをお持ちでない方にもオススメできる本です。
この本を読むことで学べること→日本の国語教育の中で抜けている点、大半の日本人が英語を話せない理由、大学受験までと大学入学以降では、勉強する上でのゲームのルールが違う、という事。
そして誰もゆとらなくなった 朝井リョウ
この本はドラマ『ゆとりですがなにか』の原作の続編である、と本を開くまで本気で思っていました。
あれ、エッセイ?と思って調べてみると『ゆとりですが〜』はオリジナルドラマであって原作はないそうで驚きました。どうしてそんな勘違いが起こったのか、自分でも謎です。
前置きが長くなりましたが、朝井リョウさんのエッセイ、こちらは3作目だそうです。
中身としては概ね朝井さんの体調の話。笑えるエピソードが満載なので、電車などで読まれる事はおすすめしません。
私の好きな作家の柚木麻子さんが、意外と面白い方だと判明したのが収穫でした。
今月読んだ本一覧
優等生は探偵に向かない ホリー・ジャクソン
脳科学者が伝える集中力と記憶力を上げる 低GI食 脳にいい最強の食事術 西剛志
シャドウワーク 佐野広実
ミシンと金魚 永井みみ
変な家 雨穴
しろがねの葉 千早茜
コンセプチュアル思考 物事の本質を見極め、解釈し、獲得する 村山昇
世はすべて美しい織物 成田名璃子
地図と拳 小川哲
はてしない物語 ミヒャエル・エンデ
オトナ女子のための食べ方図鑑 - 食事10割で体脂肪を燃やす 森拓郎
コスパで考える学歴攻略法 藤沢数希
運転者 未来を変える過去からの使者 喜多川泰
デジタルで読む脳 X 紙の本で読む脳 :「深い読み」ができるバイリテラシー脳を育てる メアリアン・ウルフ
本を守ろうとする猫の話 夏川草介
そして誰もゆとらなくなった 朝井リョウ
フローリングのお手入れ法 ウィル・ワイルズ
限りある時間の使い方 オリバー・バークマン
ウェルテルタウンでやすらかに R.I. P. werther town 西尾維新
自分の〈ことば〉をつくる あなたにしか語れないことを表現する技術 細川英雄
今読んでいる本
名探偵のままでいて 小西マサテル
連鎖 黒川博行
令和その他のレイワにおける健全な反逆に関する架空六法 新川帆立
心眼 相場英雄
来月に向けて
本屋大賞のノミネート作品が発表になりました。
ノミネート10作品のうち7冊は既読なので、2月は残り3冊を読んでいこうと思っています。
小説のほか、ノンフィクションやビジネス書なども、読みたい本がたくさんあるので楽しみです。
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