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何でもない日


 今日は図書館の帰り道にとても不思議な感覚を味わった。いつもどおりの何でもない景色なのにとても愛おしく穏やかで美しかった。



 私の家から図書館までの道の側には、電車の線路がある。その近くには電車の車庫がある。在来線と新幹線の線路の間に道と田んぼがあって。図書館まで行くときはそのあいだをスキップしたり小走りしたり田んぼ道を歩きながら散歩中のワンちゃんを眺めたりする。


 今日はお昼すぎに図書館に着いた。図書館で最近思うこと感じることをつらつら書いた。もうすぐ新しい生活に始まるにあたり、わくわくする気持ちと不安と。これまでの自分と今の自分とこれからの自分について気づいたことをスケッチブックにまとめて。


 図書館でお気に入りの雑誌を読んでいる時に、子どもちゃんの歌っている声が聞こえてきた。多分少し前から歌っていたのだと思うが歌声が心地よかったのか全然気づかなかった。すごく通る、力強くて透明感のある歌声だった。雑誌に目を戻すとすぐに文章に集中できた。歌声もずっと聞こえていて。声を聞くことも文章を読むこともどちらも心地よくて集中していて不思議な感覚だった。



 帰り道に桜が咲いているのに気づいた。頭上で鳥の声がした。線路脇の休憩所?から出てきた乗務員さんと目が合った。私は乗務員さんたちと同じペースで同じ方向を向いて歩いた。私は道路脇の道を。乗務員さんは線路脇の道を。そしたら回送で線路に止まっていた電車が動き出した。 



 そんな時間を、いつも見ている風景を、なんだかとても美しく、穏やかで、平和で愛おしいと思った。今まで地元をそんなふうに思うことあんまり無かった。どんな言葉で表現しても、物足りないような、でも合っているような気もする。



 今週に入って、約4年振りぐらいにすぐに眠りにつけるようになった。今年の春は、今まで自分が好きだったものや友達に薦められていたもの、自分のなんとなくで選んだ漫画やアニメや本や音楽に触れている。すごくすごくいろんなことを感じたり考えたりしている。その度に自分らしさであったり、自分が大切にしていることや自分に強いていたことや思い込みに気づく。


 何度も何度も何度も自分のことで悩んできてそろそろもういいんじゃないかって思っていたんだけれど。自分について向き合うことと、自分以外の全てのことに向き合うことってイコールなんじゃないかなと気づいた。自分について悩む度に、なんて自分は未熟なんだとかできない子なんだと思って苦しかったけど、諦めずに悩み続けて表現して行動して、いろんなことに気づけるようになった。自分のことを蔑ろにして自分以外のことを考えているときは本当に辛かった。かと言って周りを見ずに自分のやり方だけに固執しているときはずっと何かがずれていっている気がしていた。


 今の自分はとても穏やかに自分自身と自分以外のものを大切にできているんじゃないかな。上手くは言えないけど良かったなあって思う。

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