小学校低学年の子どもの読解力を上げる方法 12.読んだ本の内容を説明する
今回は、「読んだ本の内容を説明する」ことについて取り上げてみます。
小学校低学年の子どもにとって、はじめは少し難しいことかもしれませんが、この「読んだ本の内容を説明する」ことって、読解力をあげるのに、とてもよい方法なんです。
以前の内容と重なる箇所もありますが、その箇所はやはり重要なポイントです。
そちらもふくめて、以下に紹介しますね。
〇 読んだ本の内容を説明する
本を読んだ後、読んだ内容を誰かに説明することは、読解力をぐんと伸ばすためのとてもいい方法です。
たとえば、子どもと一緒に本を読んだら、そのお話を子どもがどれだけ覚えているか、説明できるかどうかをちょっと試してみてください。
この「説明する」というプロセスは、ただ本を理解するだけでなく、自分の頭の中を整理して、わかりやすく伝える力を育てるためにとても大切なステップです。
そのとき、ポイントとして覚えておくといいのが
「誰が・いつ・どこで・何を・どうした」
という基本的な情報です。
このポイントを押さえて話すことで、自然とお話の流れを整理しながら説明できるようになります。
たとえば、
「主人公は誰だった?」
「どこで起こったお話だったかな?」
といった感じで、子どもに簡単な質問をしてみると、答えを思い出そうとしながら、少しずつ物語の流れを説明できるようになるでしょう。
最初は、うまく説明できないこともあるかもしれません。
頭の中で思い浮かんでいても、それを言葉にするのが難しいことも多いです。
でも、そんなときは、親御さんがちょっと手助けしてあげると、うまくいきますよ。
「お話はいつの出来事だった?」
とか
「誰が何をしたんだっけ?」
と、ヒントを出してあげると、子どもは自分で思い出しながら話せるようになります。
こうして少しずつ、物語の大事な部分をまとめて話す力が身についていきます。
たとえば、子どもが好きな冒険のお話を読んだとしましょう。
「主人公の〇〇は、最初に何をしようとしていたっけ?」
と聞くと、子どもは
「宝探しをしようとしていたんだよ」
と答えるかもしれません。
次に
「じゃあ、どんな大変なことがあった?」
と聞いてみると、
「△△に捕まっちゃって、すごく大変だったんだ!」
と話を続けるでしょう。
こんなふうに、親子の会話の中で自然とお話を振り返ることが、読解力を育てるいい練習になります。
さらに、読んだ本について簡単なあらすじを書いてみることも、とてもいい練習です。
最初は
「好きなように書いてみて」
と、あまり細かいルールは決めずに書かせてみましょう。
こうすることで、子どもはお話の重要な部分を自分で整理して書くようになります。
書くことによって、自分の言葉で物語を理解するプロセスが進み、さらに深く内容が頭に残ります。
子どもが書いたあらすじを読んで、
「この部分、面白かったよね!」
とか
「ここ、もっと詳しく教えてくれる?」
と声をかけることで、さらに会話を広げてみましょう。
こうして親御さんも一緒に楽しみながらサポートすることで、子どもは
「本を読むって楽しいんだ!」
という感覚を自然に持つようになります。
そして、次の本も読みたいという気持ちが湧いてくるでしょう。
ただし、無理は禁物です。
忙しい日常の中で、毎回子どもとじっくり向き合って話す時間を確保するのが難しい日もあるでしょう。
そんなときは、無理せず、気楽なペースで取り組んでください。
たとえば、読み終えた本の内容をすぐに話し合わなくても、数日後の週末や夕食時に
「この前の本、どうだった?」
と軽く問いかけるだけでも十分です。
大切なのは、無理をせず、自然なタイミングで会話を楽しむことです。
さらに、自分たちのリズムに合った方法で続けることも重要です。
毎回、すべての本について詳細なあらすじを書かせる必要はありません。
子どもが興味を持った部分だけに焦点を当てて話してもらうのも良いですし、長いお話の場合は1冊すべてではなく、1章ごとに少しずつ振り返るという方法もあります。
たとえば、寝る前のほんの数分間だけお話について聞く、朝の通学時に短く話し合うなど、生活リズムに合わせた無理のない方法で読書と会話を楽しむことが、継続の秘訣です。
こうしたプロセスを繰り返していくうちに、子どもは読んだ本の内容を上手に説明する力、つまり要約力を少しずつ身につけていきます。
最初はうまくいかなくても、焦らず日々少しずつ進めていくことで、確実に成長していきます。
親御さんも一緒に楽しみながら、子どもと一緒に本の世界を探検していきましょう!
ぜひ実践してみてくださいね。
実践されたら、そのようすを、ご連絡いただければ大変うれしいです。
お待ちしていますね。
これをもちまして、「小学校低学年の子どもの読解力を上げる方法」テーマは一区切りとさせていただきます。
ここまでお付き合いいただいて、心から感謝しています。
次のテーマも、どうぞお楽しみに。(一週間ほどお時間くださいね ^^ )