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北欧のスマートシティ

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北欧のスマートシティは、ICTやデジタル、データの力を使って、そこの住む人たちの幸せを追求する街。住みやすい街を模索する市民のボトムアップとコスト削減をしつつ公共サービスの質を落…
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#北欧のスマートシティ

『北欧のスマートシティ』を振り返る

『北欧のスマートシティ』を振り返る

2022年12月に「北欧のスマートシティ」を出版して2年が経過しました。

その間に関連のイベント5回、講演20回程度、ポッドキャスト50話強、北欧のスマートシティに関する記事も40件近く出しました。発売当初の盛り上がりはだいぶ落ち着いたものの、今もコンスタントに売れているようで、嬉しい限りです。

「北欧のスマートシティ」の本を片手に当地デンマークを訪問してくださる方も多くあります。面識がない方

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北欧のスマートシティのポッドキャスト

北欧のスマートシティのポッドキャスト

はじめに2022年12月、「北欧のスマートシティ」(学芸出版)を、上梓しました。北欧のデジタルは、デジタル主導ではなく、社会に溶け込んでいること、そして幸せな生活づくりに貢献している。ということが、メインメッセージです。テクノロジーの話は、もちろん中心に伝えているのですが、どのようにテクノロジーが役立っているのかを示すために、北欧がどんな社会なのかも伝える、そんな構成になっています。

その本を読

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北欧のスタートアップの祭典TechBBQはグリーントランジションへ

北欧のスタートアップの祭典TechBBQはグリーントランジションへ

2023年のTechBBQアップデート2023年のTechBBQは、9月13・14日に開催された。私は、今年で2019年から5年連続の参加になる(2019年報告)。例年になく、快晴な暖かい2日間で、少々の通り雨もあったものの、広い会場の熱気も手伝って、かなり熱い2日間となった。

実は、私にとって、2023年のTechBBQは、事前イベントから幕を開けた。NAVA (Nordic Asian Ve

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コペンのルーフトップに出現した農園の話

コペンのルーフトップに出現した農園の話

デンマークでは、従来より都心のアパートに住む人たちが小さな農地を所有し、週末農業を行うコロニーヘーヴ(kolonihaveve)が盛んに行われていた。一軒家であれば家の片隅で土いじりが簡単にできるけれども、都心ではなかなかそうもいかない。この昔からの流れは今も健在で、週末になるとちょっと家から離れたところにある猫の額ほどの農地にいそいそと土いじりをしに出かける人たちはたくさんいる。昔は、都市圏内で

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最先端でカオスな街づくり:レフスヘーレウーエン(Refshaleøren)

最先端でカオスな街づくり:レフスヘーレウーエン(Refshaleøren)

アクセスは水上バスで以前よりのんびり散策したいと思っていたレフスヘーレウーエン(Refshaleøren)に行ってきた。コペンハーゲン中央エリアから水上バスでアクセス(陸路もあるが遠回りだ)することのできる、今最もカオスな先端的街づくりエリアだ。「最先端だがカオス」なのは当然で、今までの都市のイメージから離脱した新しい都市の姿が求められている現在、イノベーションが行われるためには「カオス」であるこ

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最先端データ・マーケットプレイスの試み

最先端データ・マーケットプレイスの試み

コペンハーゲンの挑戦2016年、コペンハーゲン市は日立と協力し、世界初の都市データのデータ・マーケットプレイスを構築した。The City Data Exchange (データ・エクスチェンジ)と呼ばれるこのデータ・マーケットプレイスは、都市にまつわるデータの活用、流通、データを基盤としたビジネス創出を狙い、コペンハーゲンエリアのデータエコノミーを盛り上げることを狙ったものだ。脱炭素化とデータ活用

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優雅な監獄:フレデンスボー・ハウス

優雅な監獄:フレデンスボー・ハウス

1950年代にコペンハーゲン北部のエルシノア市に作られたフレデンスボー・ハウス(Fredensborghusene)は、自然の中に立地する住宅エリアである。近隣には、王室のサマーハウス(別荘)であるフレデンス城(Fredensborg )があり、広大な庭園が広がる。近隣には、エレガントな屋敷が並び、王室御用達のエリアであることを、それとなく感じさせてくれる。緑の芝生が珍しくも丁寧にメンテナンスされ

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世界一サステナブルな都市エリア:スマートシティ・ハマビュ・シュスタッド(Hammarby Sjöstad)

世界一サステナブルな都市エリア:スマートシティ・ハマビュ・シュスタッド(Hammarby Sjöstad)

世界で最も環境に優しいサステナブルな都市エリアといわれるようになったハマビュ・シュスタッド(Hammarby Sjöstad)は、かつて工場エリアだった。先見の明があった建築家Jan Inghe-Hagstromが80年代に提案したストックホルム再開発計画はしばらく注目されてこなかったが、ストックホルムが2004年オリンピックのホスト国を目指した際に一気に注目を浴びることになったのだという。

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