【すっぱいチェリーたち🍒】スピンオフ 小室哲子
あれ…誰やろ…
あ、近づいてくる…
私…?
「哲子、オレな〜、
あの、
えっと、
て、
哲子のことが…」
お姉ちゃーん!
いつまで寝てるん!
早よ起きな遅刻するでぇ!
哲子:もう…なにょぉ〜
誰かが私に…何か…
ムニャムニャ
妹のよく通る声で叩き起こされた朝。
私は夢を見ていたことに気が付いた。。
知っている人のよう気がしたが、遠目で誰か分からなかった。。
私、小室哲子は、田梨木高校に通う17歳。
趣味は曲を聴いたり、詩を読むこと。
図書館の司書になりたいんだけど、何故か国語より数学の方が成績がいい。
あかんやん💦
動悸は不純で、斉藤由貴ちゃんの
映画「君は僕を好きになる」
で、由貴ちゃんが司書の役を演じていたのと、図書館の雰囲気が私に合ってると思ったから。
なだけ。
ドテッ‼️
普段の過ごし方は、毎週金曜日の夜20時から始まる、コメディアンうりりと女性アナがMCの『ウリステ』や、日曜日、正午の『歌謡ラジオ•ウー』(以下ウー)、夜中の『ナイト・ウー』で、妹と一緒に口ずさみながら聴くのが楽しみな女子高生。
最近、素敵な詩人を見つけて、詩の朗読を練習し始めた。
詩の情景を感じながら、読むのが好き🫶
妹の友美は歌うことが好き。
同じ高校に通う1年生で、華原朋美のファン。
朋ちゃんと同じあだ名であることに誇りをもっいる子。
12/1に町役場にKNHのど自慢大会がやってくる。
出場を夢見て、よく屋上で発声や歌の練習をしている。
我が妹ながらなかなか度胸が座っているので、姉として将来を楽しみにしている。
私がよく寝坊するので、友美ボイスのお陰でこの日も助けてもらった。。
何とか支度をし、先に家を出た友美を追いかけ、走っている時。
チリンチリーン✨
自転車に乗った男子が、私を追い抜いて少し先で止まった。
彼は同じクラスの宇利盛男くん。
宇利「哲子ーおそよう。」
哲子「あ、宇利くん、おそよう」
宇利「お前、今何時やと思ってんねん。
今何時、そうねだいだいねー」
いっつもツッコミ役のくせに、私を笑かそうと同じクラスの阿久佳祐くんのマネをしている。
1人ツッコミしながら、宇利くんは立ち漕ぎして坂道を登って行ってしまった。
ちょっと…、(ゼーハー言いながら)あ、やっぱり行ってしまうのね。。
カバン持って行ったろか。ってちょっと期待した私💦
まあ、乙女の道具も入ってるから、そんなに簡単に渡されへんけどね。
あー、しんどかった。。
なんとかチャイムが鳴る前に自分の席に着くことができた。
私の後方の席には、さっき私を追い越して行った宇利くんが、いつも連んでいる阿久くんや保志田くん、千葉ヨメンくん達とだべっている。
阿久くんの前の席には、おしゃれ番長の波都子さんが、セクシーな香りを漂わせ、髪をかき上げている。
おしゃれに疎い私は、何をしても彼女のような女性らしさは出せないんだろうなぁ。。
今日も担任の油木先生のホームルームで、プリントが回ってきたけど、後ろに誰も居なくて、空席にプリントを配り、宇利くんに残りを渡すと鼻の穴を全開にして、両手で胸を叩きながら、「ごっつぁんです!」とプリントを受け取ってくれた。
「ぷはっ」
思わず吹き出して、笑ってしまった。。
こないだ私が、友美と『ナイト・ウー』を聴いていたとき、ゴリラの鼻息みたいな雑音が入った後、男性の声で
「すっぱいの好きやねん!」
って声がして、どういう意味?って思ったんやけど、それが宇利くんの声にそっくりやったから本人に話したら、こないだと同じ鼻の穴全開にして「うんうん」って聞いてくれた。
最近、ちょくちょく宇利くんを見かける。
一昨日の夜、コンビニでばったり出会ったから、
「こんばんみー」
って挨拶した。
いつものように鼻の穴全開でリアクションしてくれるのかと思ったら、この日はちょっと違って、赤面して走り去られてしまった。
なんやろ。。
私なにか悪いことしたかな?
そう言えば、最近、宇利くんが彩子ちゃんに告ったって聞いた。
すごいやん、宇利くん。勇気あるんやね。。
そんなこんなで、月日がたって、ある日、宇利くんにレターを渡された。
何やろ…。。
今日は金曜日。『ウリステ』で、ミスチルの桜井さんが出るから、超ハッピーな気持ちで、ピロティに行った。
すると…
「哲子、オレな〜、
あの、
えっと、
て、
哲子のことが…」
え…ちょ待って
これ、どっかで聞いたことある台詞。。
えっ‼️
あんたやったん‼️
そう思った時、いろんな感情が頭をめぐり混乱しだような気がする。
よく覚えていないけど、その後、宇利くんが肩を落としてトボトボと私から離れていったから、きっと私は彼を振ってしまったんだろう。
どういうこと???
だって、宇利くんは彩子ちゃんのことが好きなんちゃうん?
なんで⁉️
もしかして…二股…?
いや…そんな酷いことするタイプには見えへんねんけど…
これはどういうことなんやろ。。
考えながら帰宅すると、自宅前に幼馴染の見栄晴男が、うちの愛犬ホワイトとにらめっこをしていた。おぃおぃ…
親同士が友達で、私たちはきょうだいのように育った。
私は彼のことを短縮して見栄晴と呼んでいる。
見栄晴は私を見つけると、
「あ…、哲ちゃん、おかえり〜今日は友ちゃんは?」
哲子「友美は…」
そう言えば、宇利くんに告白されて気が動転し、友美に声をかけずに帰宅してしまった。。
哲子「多分、学校の屋上で歌の練習してるんちゃうかな〜友美に用やったん?」
見栄晴「うん。ハーモニカ教える約束してたから…」
哲子「そうなんや〜その内帰ってくるわ。
そうや。見栄晴にちょっと聞きたいことがあるんやけど。。」
哲子は恥を忍んで、彼に男子の気持ちを聞いてみることにした。。
〜つづく〜
この物語の私たちの幼馴染である
見栄晴男くんはこの方です🎤
🍒哲子に告った宇利くん
🍒全体的なお話はここ
🍒「つながり活動」の
概要はここ
なんて方は、フォローの有無に関係なくご対応しますので、コメントくださいね♪
(現時点では先着2名まで)