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読書レポ|最難関のリーダーシップ
今回紹介するのは『最難関のリーダーシップ 変革をやり遂げる意志とスキル』ロナルド・A・ハイフェッツさん
読み終わるまでに1年以上かかりました。
少しずつ読み進めて1年経ったのではなく、読み始めては途中で止まり、何か月か空く。そしてまた読み始めるのだけど、間が空きすぎたために、もう一度最初から読み直す。
そんなことを繰り返していたら、結局最後まで読むのに1年以上がかかってしまいました。
何度も挫折しながらも、最後まで読めたのは、「目を背けてはいけない、読むべき本」だと思ったからです。
問題には技術や経験で解決できる「技術的問題」と、答えのない課題=「適応課題」がある。
本書は「適応課題」を前進させ変革を推進するためのリーダーシップ=アダプティブ・リーダーシップについて書かれた本です。
答えがないのに前進させるというのは一見矛盾しているように感じますが、課題が存在する以上は何とかして前へ進めようという試みがアダプティブリーダーシップです。
現状をバルコニーに上がって俯瞰しながら、時には対立を表面化させることも必要だし、時にはじっと耐えて待つことも必要。技術的課題と違い、これをすれば解決するという方法がない中、状況に適応しながらリーダーシップを発揮するのは、課題に対する”あり方”の課題でもあります。
試しにやってみようという生半可な気持ちでできるリーダーシップではなく、絶対にやり遂げるという強い意志をもって挑戦しなければ、容易にくじけてしまうでしょう。
変えられないものをありのままに受け止める”ネガティブケイパビリティ”の姿勢を持ちつつも、「あなたはあなたのままでいい」と自分を甘やかすのでもないリーダーシップ。
この本に書いてあることは極めて実践的な内容です。
ただ、それらを全部やれば、すべての課題は解決するということではありません。
あらゆる状況をよく観察してみ見極め、自らとチームを適応させることが肝心になります。
この本は、適応課題に突き当たり、それを前に進みたいときに、「今は何をするべきか」と開き、なにかしらの解決の糸口を探す、冒険の書のような役割を果たしそうです。
アダプティブ・リーダーシップの内容については、介護事業所のマネジャーの事例に転用しながら、個々の記事で紹介していきます。
めでたしめでたし
立崎直樹
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