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問題解決のための「課題発掘」

前回の記事で、問題は「理想と現実のギャップ」であると定義しました。
理想体重65kgで現在の体重71kgならば、問題は6kg多いことです。

問題を明らかにしただけでは、問題は解決しません。
問題を解決するために、「何か」をしなければなりません。
食事制限なのか、運動習慣なのか、はたまた・・・

問題解決のためにする「何か」のことを「課題」と言います。
問題の中には必ず課題が存在しています。ただし課題は表に現れているとは限りません。
今回は、課題を発掘する技術についてご紹介します。

問題を引き起こしている原因をみつける

現実が理想に達していないのには、何かしらの原因があります。
課題を見つける第一歩は、原因を見つけることです。
医者が治療をする前に検査をして、症状を引き起こしている原因を探り診断するのと同じです。診断もせずに、薬を処方されたり、手術をされたりしたら怖いですよね。

6kg多い原因を考えてみます。
最近の食生活を振り返ると、「外食が多く、脂質の多いものをたくさん食べていた」ということが分かりました。

原因を生み出している真因をみつける

原因が分かったらすぐに解決策を考えたくなるのですが、ここで一呼吸。
表に見える原因が本当の原因ではないかもしれないからです。

「外食が多く、脂質の多いものをたくさん食べている」ことが原因だとしたら、課題は「外食を減らす」や「脂質の多いものを食べない」になるでしょう。
しかし、このままでは失敗する可能性があります。なぜなら外食が多いのは「忙しくて家事をする時間がないから」だったり、脂質の多いものを食べているのは「一緒に食事に行く人たちと同じものを食べているから」かもしれないからです。本当の原因(=真因)を解決しないと問題は解決しません。

真因を解消するための課題を設定します。
ダイエットの例では、「外食を減らす」ことに加え、「家事をする時間を確保する=定時で仕事を終わらせる」ことが本当の課題だったとしましょう。

ダイエットという問題に対し、食習慣や運動習慣ぐらいなら思いつきますが、真因まで考えることによって「仕事を定時で終わらせる」という隠れた課題を発掘することができます。

このように原因を分解し、真因を導き出し、その真因を解消するための課題を発掘すると、問題解決の可能性がグッと高まります。

原因は複数考える

また、原因と課題は一つとは限りません。たいてい一つの問題に対し複数の課題が存在します。

・外食が好き(外食を控える)※カッコ内は課題
・仕事が忙しくて、家に帰って家事をする時間がない(早く家に帰って、家事をする)
・メンバーに仕事を任せられず、自分でやるべきことが多すぎる(メンバーに仕事を任せる)
・家の電子レンジが故障している(電子レンジを治して家事の時短をはかる)
・休日は疲れて買い物に行く気力がない(買い物に行く。休日に体力を残しておく)

解くべき課題を設定する

すべての課題を一度に解決することはできません。
数ある課題の中から、実行しやすく、効果の高そうな課題を選びます。

・外食を控える → ✕ 好きなものは好き。嗜好は簡単に変えられない。
・早く家に帰って家事をする → ✕ 何をしたらいいかわからない。
・メンバーに仕事を任せる → △ 任せられる簡単な仕事の洗い出しならできそう
・電子レンジがあれば家事の時短になる → 〇 修理もしくは購入で解決可能
・休日に買い物に行く → 〇 ネットスーパーなら買い物に行かなくても済む

〇すぐにできること、△一部ならできること、✕今はできない(やり方がわからないこと)に分けます。

解決策を考える

解くべき課題を定めたら、ここでようやく解決策を考えます。
解決策は実現可能性にとらわれず、数をたくさんあげることを重要視します。
自由に発想したほうが、思わぬ可能性に気づくからです。

「電子レンジがあれば時短になる」の解決策
・電子レンジを修理に出す
・次の休日に新しいものを買いに行く
・ネット購入する
・実家から使っていない電子レンジを持ってくる
・電子レンジより高性能な自動調理器を検討する

実行する解決策を選択する

たくさん挙げた解決策の中から、どれを採用するか。
時間、費用、有効性など様々な要素から複合的に判断します。

問題に対し、原因、真因を洗い出し、課題を発掘してから、解決策を検討するという一連の流れを説明しました。

例では「6kgのダイエット」という数値化された分かりやすいテーマを扱ったので考えやすかったと思います。
実際にマネジャーが組織で解決しなければならない問題は、もっともっと複雑です。でも基本的な課題~解決策の設定の流れは同じです。
このフローを型として身につけると、問題解決のスピードと成功率が格段に向上します。
ぜひ、何度も使って自分のものにしていただきたいと思います。


めでたしめでたし

立崎直樹

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立崎直樹@めでたし〃
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