[エストニアの小説] 第7話 #3 冬の到来:船を待つ船乗り(全10回・火金更新)
ヤーノスが出ていくと、ニペルナーティが楽しそうに言った。「うぬぼれ屋のヤーノス・ローグ、わたしはあいつが嫌いだ。わたしがペイプスから来たなどと誰から聞いたのやら、漁の網を引くって? ペイプスなど行ったことがないし、漁師の網がどんなものかさえ知らない。わたしは船乗りだ。船からの呼び出しを待ってるんだ。すぐにわたしは遠い外国へと旅だつ。そうすれば放浪も終わる。だけどそれまで、わたしはシルバステで丸太を積む仕事をするつもりだ。わたしは住む場所がない。揺れる荷船で寝るのは嫌なことだ