初めて話す人へ
「今までの人生で話す仕事をしたことがない」
「この歳になって初めて話す仕事をするけど大丈夫かな」
そんな人達にも何人も出会った。
そんな人達へ。
「話す仕事が初めて」の人に対して最初にどんなアプローチが効果的か。
ここでは考え方や意識づけの話というより手法の話をメインに行う。
まず、私が指導するにあたって絶対にしないと決めていること。
それは、相手のバックグラウンドや努力を否定すること。
「あなたできないんだ」「自分の方ができるんで〜」「あなた〜な人ですよね」「私は優秀です」こんなことを頭から言う人の話は聞きたくはない。
自分がやってきた努力は何で、何ができる人かと語ってもらえることについてはぜひお聞きしたい。
どれだけの人数を相手にしても相手を頭から否定することは絶対にしないと決めている。
否定の言葉やマウント行為が入った時点であなただったらその人の話を受け取れる?
私は受け取れなくなる。
この後、トレーニングで相手を引き上げていきたいと考えた時に、話を聞いて頂ける、かつ質問・相談してもらえる土台を作っておくことは大切。
ストレートな改善点などもスムーズに受け取って頂く必要がある為。
その他FBの際に、改善点の他に良いところを褒める・認める・考えを引き出すなども行っている。
さて話を戻して、
初めて話す仕事をする人に対してどんなアプローチを入れるか。
私の場合はとにかくアウトプット回数を上げてもらう。
自身で難しい場合は、必然的にアウトプットし続ける状況を作る。
この際、上手く話すことは目的としない。
もちろん、マニュアルやスクリプト、さらには動画といったツールは道筋を見せる為には必要。
私は様々な業界でチャレンジさせて頂いたが、共通していると考えていることは、
まずは型通りに実践してみて、アウトプット回数を上げる重要性。
その後自分のオリジナルができていく。
守破離という言葉があるがまずは型を守ることが大事。
花業界に一時的にいたが、上達へのアドバイスを頂いた際、
綺麗なブーケを作ろうと思ったら、辛いと感じるそれを突破して初めて上達する。という言葉を頂いている。
本当の上達には「これ以上は辛い」を超えて初めて辿り着く。
「話す」のも筋肉量を増やすことが大事。
話す為には筋トレが必要。下手でいいのでひたすらにアウトプットしてもらう。
上手く話す必要がないと先ほど述べたが、回数を増やしていないと塩梅が掴めないからだ。
私の受講者の中には家でも練習をして、「犬と練習した」「夫婦で練習した」「子供と練習した」「風呂で練習した」「車の中で練習した」といったことを仰る方は沢山いた。
この情報だけだと何それ?!なんてことを言う人もいるかもしれないが、
大切なのは、アウトプット回数を上げること。
さらには、楽しんで取り組んで頂いた方がより効果的に成長が見られる。
短い期間であってもしっかり練習してアウトプット回数を増やしてきている人の成長は早い。
ちなみに、上手くやろうとしなくていいのでアウトプット回数を増やすこととさらにはそれを実践する理由は伝えている。
一流アスリートで筋トレしません。練習しません。なんて人いないですよね。
こける前提で取り組む
私自身新しいことにチャレンジする機会は多いのだが、基本的に最初はずっこける事も計算の内だ。失敗も織り込み済み。
上手くやろうとはしない。
むしろ上手くやろうとすると成長の邪魔になると考えている。
子供が歩けるようになる過程で、つまずいたり、こけたりすることもあるだろうが、そう言った経験を重ねるからこそバランスが取れるようになる。
NLPの心理学の考え方の一つに「失敗はない、フィードバックがあるだけ」と言うものもある。
そう、コケることは失敗ではない。
いわゆるコケる・躓く回数は早いうちに多く経験しておいた方がいい。
その方がより早くバランスを取れるようになる。
ちなみに、改善意識がなく、ただひたすらにミスし続けて成長するかと言ったら、
それは難しい。その為、コケることは計算の内であることが大事。
計画的にコケる。失敗も計画的に。
量をやって初めて質の改善に取り組む
基本的にトークスクリプトなどで道筋は見せておくので、まずはその流れの通りにやればいい。
徹底的にアウトプットして筋肉ができてきたら、補助輪を外していく。
その後はひたすらにPDCAサイクルを回す。
DCA、DCA、DCA。。。。。の繰り返し。
なぜDスタートか。
とにかく実行するということ。改善したら実行する。改善しながら実行する。
お客様の前で実践する際も改善点・良かった要因はキャッチして次回に活かす。
改善点だけではなく、何が良くて成約になっているか要因のキャッチも大切。
お客様の心の中の何に響いて成約に繋がっているのか。
その他、私は傾向を分析したり、流れを見るということはよくやっている。
緻密にと言うよりは大枠で見ているが。
メモを取ってもらう
アドバイスなどは基本的に資料などに含めずメモを取ってもらう。
本当に欲しい情報は資料には記載されていない。
皆さんだったら、メモを取る意味を何に置いている?
・情報を見返すインプットの為?
・基本的にアドバイスはメモを取っておいて当然だ!!
・何度もアドバイスさせるなという意味?。。。
私は、受講者のアウトプットの機会としてメモを取って頂く、
書きながら自分だったらどうするかまで考えられたらより良い。
話は少しずれるが、私がメモを取る際は同時に思考を整理している。
かつ、ペンと紙は欠かせない。(ペンで紙に書き込むと脳に刻まれる感じ。)
綺麗に書くことは意識しない。
PCでメモを取るよりも断然手書き派である。
書きながら、重要なポイントをピックアップしたり、図にして整理する。
その後、制作するものや必要があればPCに向かったりポイントだけ違うノートに記載する。
できる人の真似をしてもらう
学ぶ、真似ぶという言葉もある。
できる人の真似は自分に得られるものが多い。
そのため営業研修は営業をやってきた人である方が効果的だと私は考える。
研修の中での話し方や事例、考え方をそのまま真似してもらえるように。
私の場合という話をするが、新しい業界に飛び込む際は基本的にその業界で
実績を上げている方の話し方の真似をする。
直接聞いても教えてもらえない場合は、トークを盗み聞きをしてでも何をどう話しているかまでコピーして使う。
元々演劇などもかじったためか口ぶり表情までのコピーは比較的によくやる。
その上でこれは使う・捨てるの判断をする。
この捨てる判断も大事。
特に伝え方においてこれでなければならないという縛りはない方がいいと考えている。
できる人に合っていても自分に合っているとは限らないからだ。
しかし1回は使ってみる。
お客様の反応からこれは捨てる・これは使うの判断をする。
基本的に「試してみる」この感覚は大事。
人からのアドバイスをどう捉えるか?
最後に、これは直接的な指導とは違う話だが、人から頂くアドバイスをどう捉える?
私が20歳くらいの頃アパレル業界にいたことがあるが、その際頂く指導や自身のミスに対しての指摘に「ありがとうございます」という言葉を返していた。
「申し訳ありません」ではなく「ありがとうございます」。
「何で?」と不思議がられ当時の店長より「何でありがとうと言うの?」と聞かれた際、「店長の経験や何度も改善してきたことを簡単に教えてもらえているから」と答えていたそうだ。
無意識的にそのように考えていたよう。
これは「真似をする」にも近いが、真似することで、すでに誰かが時間をかけて改善し続けてできた技術を簡単に手にすることができるという考え方。
しかし、加えておくと自身の筋肉がついていなければ、その行為がなぜ行われているのか行動の意図まで掴むことはできない。
真似をしたとて、アドバイスをもらったとて、その人になることはできない。
だからこそ、自身の筋肉は自分で増やすしかない。
「まずは筋トレしましょう」
話す仕事に初めて取り組む方の参考になれば。
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