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書評が書けない|pha『がんばらない練習』を読んで

困った。書評を書ける気がしない。
誤解させてしまうといけないのですが、この本のことが好きです、とても。
もともと『しないことリスト』を読んでからphaさんのことが好きでした。
そして、こうなるであろうことは少し予想していました。

誤解させてしまうといけないのですが、この本はおすすめです、とても。
私たちが普段見ないようにしていること、言わないようにしていることを、「そんなに気まずい思いをする必要もなかったのかもしれない」と思わせてくれるはず。

ただ、ずっとその心地よさに甘えていたくなってしまう。
社会からいい意味で切り離された、静かな空間がこの本の中にはある気がする。
だから、外の世界に戻りたくない、とさえ思ってしまう。
外では相も変わらず、何かを見ないように、言わないように...それぞれが何かに"フタ"をしながら社会が成り立っているから。

「え、こんなにも弱気でいいんですか」
「いいんですいいんです」
「できなくてもいいんですか」
「いいんですいいんです」

そう言われている気がして、纏っていた鎧が剥がれていく。率直に言って、不安。

好きなのに。おすすめなのに。

いま、私の心の中いっぱいに広がっているのは、"不安"なのです。

そして、さらに悪いことに
「不安でもいいのですか」
「いいんですいいんです」と、先ほどの心地よさの余韻が私を甘やかすのです。

この本を読んだことがない人に、もっと言えば、phaさんを知らない人に
どんな言葉で伝えればよいのだろう。
「まぁ読んでみてください。たぶん、わかります」以外の言葉が思いつかなくて、一生懸命他の言葉を足してみるけど、だんだん言い訳くさくなってくる。

せめてこの自分語りが、興味を持つきっかけにならないかと祈ってみています。




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ハパ
息子がグレて「こんな家、出てってやるよババァ」と言ったあと、「何言ってもいいが大学にだけは行っておけ」と送り出し、旅立つその日に「これ持っていけ」と渡します。

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