『新撰 万葉集』 &「和漢聯句」が来る!? 日中翻訳シンポ@青学
SFをはじめ、中国の文学に関心が集まります。
そして、近代を結束点に、日本文学の根本にも、先端にも、日中相互作用が見えてきます。
定型詩、ソネット、短歌ブームもあり、
近世の連歌から、連詩にも再注目。
実は連歌のルーツは、さらに千年さかのぼる、
「聯句」
これが次来るのでは!?
聯句は中国漢の時代から見られますが、
さらに、和歌と漢詩を並べた
「和漢聯句」
日本では、万葉集以後、連綿と江戸時代まで続きます。
日本文学全集では、万葉集の次は古今集ですが、
その間に、勅撰漢詩集もあり、
特に和漢聯句のルーツとも言える
「新撰 万葉集」
があります。
『和歌史を学ぶ人のために』2011の最後の項目に、「和漢」
(堀川貴司)で、『新撰 万葉集』と、古代にとどまらず、江戸時代まで連綿と
「和漢聯句」の営みが連歌、連句の母体として、また並行としてあることを知りました。
和漢聯句研究会が基礎資料を続々
入手しやすいもので、
『和漢聯句の世界』2007、
『和漢聯句の楽しみ 』大谷雅夫、2019、
そして直近では
『中日文学交流史』王暁平、2022
『詩歌交響: 和漢聯句のことばと連想』楊昆鵬 、2023
そんな中、今日、
青山学院創立150周年記念国際シンポジウム『日本文学の翻訳・翻案・アダプテーションー中国からの視点』
開催‼︎
事前の概要では分からなかったですが、
中身はまさに最近の関心にビンゴ
まさに同志得たりの感^ ^
高価な研究書は厳しいですが、いずれ #ハムハウス の本棚にも反映されるでしょう。
最後にシンポの走り書きメモ
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いよいよ!
萬葉集から近代小説まで
相互影響の
日本文学、中国文学の新たな地平が見えそうです(^O^)
↓
個が共同して新たな創造の宴
大岡信さんの
#連句 、#連歌 #連詩 の視点も引用☆
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萬葉集の歌は
そもそも
「漢詩」
日本精神だけでなく、現代中国との相互批評
韻律からの自由
五四文学運動の次の段階
西洋経由の俳句への関心
「表意」こえて
「表語」の共有の可能性
↓
「中国に初めて体系的な日本文学史を紹介した謝六逸」
そして
漢詩と和歌を並列した
「新撰万葉集」へ注目!
万葉集と古今和歌集の間には、
勅撰漢詩集が陸続
これは近世まで続く
連歌、連句の母体となる
「和漢聯句」
の可能性^ ^見えそう^_^
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上海復旦大学創立者、馬相伯
聖書翻訳に先鞭
後に学長になる陳望道は、「共産党宣言」を翻訳 日本語訳、英訳を参考。
黒岩涙香の翻訳が
清末中国で多く重訳
「野の花」の中国語訳
内容はメロドラマだが階級や平等に注目
さらに演劇化、映画化、日本、ヨーロッパでも上映
さらに重訳の重訳
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最後のディスカッションで現代の実作者への提案の話など
現代の日本語がどういう言語か前近代の、伝統のメタファーに満ちた文体から、今の日本語表現を再度見直す。その中で再創造が生まれる
現代の日中の若者たちが共時的に文学を共有し発信。漢字の交流が面白いものになる
さらに
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中国人から見た漢文訓読体の便利さ
韻律的な読みやすさと
翻訳のぎこちなさが、むしろ前衛詩のような面白さに
翻訳の正確性だけでなく、2次創作的な翻案
読者、消費構造、口語の成立…などなど
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とりあえずは
「新撰 万葉集」を岩波文庫あたりで出していただき、その中国語訳に波及していただく…
(水面下で進んでるかも?^ ^)
好音本棚についてはこちらでまとめています↓