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短歌の会 覇王樹|短歌会
2023年5月14日 09:39
渡辺 茂子 選ひとひらの雲のゆくえに我が心預けておりぬ梅の香のなか奥井 満由美彩の絹莢二莢さみどりの口に弾けてああ春憐毛呂 幸ゆっくりと桜の下を歩きたり待っているよと蕾にエール浦山 増二尾根からの水を含みし雪片が時間差つけて春を呼び込む藤田 直樹早春の梅のさ枝に蕾着く音符のごとく春を奏でる伊関 正太郎
2023年5月10日 23:16
橋本 俊明 選AIの機能搭載したようなピカピカオデコの美誠ちゃんが好き高橋美香子光さす天窓のある台所 菜を刻む音 母の 後姿高田 好パソコンのゲームにはパッパと反応す異次元めける孫の指先成田 ヱツ子年々に義理を欠くことの増しゆくと時世に合はす戸閉りもする渡辺 千歳道ならぬ道と知りつつ知ればこそむべわが園にかをる柏木石谷 流花寒き朝枝に刺したるみかん喰む鵯のせはしき陽
2023年5月13日 22:22
水谷 和枝 選友の弾くギターに合わせ歌いたり心を開き空に向かいて藤田 直樹蕭々として走りゆく雪原の風は帰りの道を知らない臼井 良夫カルテにて誕生日と知る看護師の祝ひの言葉にこころはなやぐ斎藤 叡子寒卵わりて小鉢にうつし見る囲いの中で終えし鶏才藤 榮子子にはこの親には親の思いあり飛行機雲の続く初空高橋 美香子原点を探すがごとくゆっくりと私はコーヒーいつもブラック田中
2023年5月13日 22:15
臼井 良夫 選わが影を見ながら歩く夕刻に存在の無き悲しみを知る藤田 直樹道の上より見ればわが家の瓦の屋根が輝り返しをり川口 六朗暮れなずむ稜線続く房総のローマと同じ色の夕焼け高橋 美香子どの人も眼は美しと思ひつつマスクの顔に対きて物言ふ広瀬 美智子放浪の人もやうやく老いづきて残るいのちをわが傍におく高田 香澄天空の薄き空気を思いつつまぶたに描くマチュピチュ遺跡建部
2023年5月13日 22:07
広瀬 美智子 選お墓には行けないけれどこの庭のさまざまな菊をすべてあなたに高田 香澄今年もまた着たら捨てよう繰り返し黒きセーターはクッションになる篠原 和子天空よりぶら下がるごと動かざるブランコに降る落ち葉しきりに山北 悦子おふくろと呼ばれる友はゆっくりとふり向く時におふくろの顔児玉 南海子運休の内陸線の駅舎あり玩具箱からこぼれたように永田 賢之助スメタナの祖国
2023年5月13日 21:58
高貝 次郎 選今日の君取り分け話が合うようで崩したる脚組みかえしたり財前 順士湯にひたるあなたの背は若いねと言葉に出して言へばよかつた高田 香澄十四号台風明けの庭に立ち「木守柿」とふ言葉にあそぶ井手 彩朕子尖塔のクルスは秋の光受け世のなべてもを清めむとする佐田 公子姉からの電話も消えて十五年空の青さを今日も見上げる臼井 良夫地蔵堂に群がる蟻の動きとはカオスに似たる秩