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【エッセイ】ちょっとだけおとぎ話のように解釈してみたおハナシ。


コロナ禍に入ったばかりの頃のハナシです。

ある日、私はプチ治療のため病院へ。診療を終えて
病院内の会計コーナーでソファにかけて待っていたら

ソファから少し離れた所に
年配の男性が立っていて会計処理を待っておられました。

その方は・・失礼ながら
やや汚れが目立つジャケットを着ていたので気になってしまって…。

でもすぐにその男性は呼ばれて、会計を済ませていましたが見ると
事務の方にとても丁寧な言葉でとても丁寧な挨拶をされていました。なんとなく人を見かけで判断してしまうところでした。


その翌日
ランチであるファーストフード店へ。

オーダーしようとレジに向かうと
私の前に年配の男性がオーダーをしていました。

その方の注文はとても時間がかかっていて、私の後ろにも人が並んでいました。

席について少し離れて座ったこの男性を何気に見ると食べ方がとても綺麗。食事の所作がいいんですね。追加でドリンクを頼まれていましたが
とても丁寧な言葉でスタッフと話していました。その日はなんとなくいつものメニューもより美味しく感じました。


さらにその翌日
街中のあるところを歩いていて
スマホを見ながら横断歩道の信号待ちをしていたらいつのまにか
いまにも壊れそうな自転車に乗った年配の男性がそばにいました。


すると自転車の男性が

「そこにボタンがあるでしょう。それを押さないと
信号が変わらないんだよ。自動ではなかなか変わらないよ。
道を渡りたいんだったらボタン押さないと。ただ待っていたら
前に行けないんだよ笑」

と、私に話しました。見ると電信柱にボタンがありました。知らなかった私は
「ほんとですね!ボタンがありますね笑。すいません〜ありがとうございます。」

と、ボタンを押して男性としばし車の量が多いねーなんて話してたら
信号が変わり道の向こう側へ行くことができました。


この3日続けて会った
年配の男性について友人に話したら

「おとぎ話みたいだね。おとぎ話の世界だったら
その年配の人たちは神さまだよ。周りの人と異なる格好とか仕草をして、関わる人を試したりするよね。」

なるほど。たしかにグリム童話やイソップ物語とか?に出てきそう。


3番目の男性に

「前に行くには、ボタンを押さないと行けない」
「待つだけでは行けないよ」

と言ってもらった言葉は

コロナ禍にいて制限があるからやりたいことはできないと、自分のボタンの場所はわかっているのに推すことをためらっていた当時の私に必要な言葉だったのかも。





と、3人のオジサマたちを見た偶然の出来事を、おとぎ話のようだとポジティブ解釈してみたおハナシでした。



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松本アニー
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