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今年初めて捌いた魚は? 〜出刃包丁が活躍
早めに退社できたこの日、遠めのスーパーまで足をのばしました。丸のままの魚を求めて。
年末年始は市場もお休みするので、当然、丸の魚は並びませんでしたが、魚介は1/5が初セリとのこと。
なので今週になれば何かあるだろうと思い、週末を待たずに行ってみることにしたわけです。
NEWアイテムの出刃包丁を早く試してみたい気持ちもありましたし。
果たして、さほど種類は多くなかったですが、狙い通り刺身OKの魚がありました。
スズキとイサキがありましたが、スズキはサイズ的に持て余しそうだし、お造りにするならイサキかな、と思いイサキをチョイス。
今年初の魚捌きはイサキとなりました。
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まずはウロコを落とします。
ウロコかきと、際の部分などの取り残しは出刃で。
小さいサイズのウロコで、取るのに苦労はしませんが、細かいぶん身や道具、周囲に残りやすいので都度洗うなり拭くなりしてケアします。
頭を落として、尻の穴のあたりから逆さ包丁で腹を開き、内臓を引き出します。
焼き魚、煮魚にする場合や姿造りなど、頭を残したい場合は、エラを抜いて一緒に内臓を引き出しますが、今回は胸ビレと腹ビレを結ぶ線でバスンと落としました。
背ビレのトゲは危ないなー、と注意していたのに、余分な水気を拭く際に親指に刺してイテッとなったので、三枚におろす前にヒレはハサミでカットしました。
エラまわりの膜をカットする際なども、無理に包丁ではなくハサミを活用すると楽です。
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三枚おろし。海の魚は基本的に腹→背→背→腹の順に包丁を入れていきます。
出刃は刃のハードさが信条で、そこまで切れ味が鋭い印象ではなかったですが、おろしたてだからですかね、ヌルっと抵抗なく背骨近くまで刃が入っていき、その切れ味に驚きました。
ちゃんと骨に沿って刃を入れる、という角度にさえ気をつければ、出刃は取り回しが良くて使いやすいですね、やはり。
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逆さ包丁で背骨と腹骨(あばら)の連結を切り離してから、腹骨をすきます。
皮も美味しい魚なので、半身は皮付きのまま、半身は皮を引いて昆布締めにします。
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皮付きのほうは縦に二本、切れ目を入れ、皮が縮んだ際の身の反りを軽減させます。
半身を置いたまな板を流しに斜めに置き、沸いた湯を皮に掛けて、そのあと冷水にとって身に火が入りすぎるのを防ぎます。
あまり焦らずとも煮えてしまわないので、皮目にしっかり熱を入れるつもりで。
ペーパーで押さえて表面の水分をとったら、ペーパーで巻いてからラップして、少し冷蔵庫に置いて落ち着かせると、皮目が剝がれるのを防げます。
アラは今回、腹骨まわりとカマの部分を焼いて、味噌汁の出汁にしました。サイズ的にアタマはそこまで身がないので今回はカマのみ利用。
ホッキ貝も一個パックがあったので買って来ました。
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写真左下の足が出ている隙間からナイフを差し込み、貝の幅の狭まるあたり、左右に2箇所ある貝柱を貝から剝がすようにすると、貝を開くことができます。
今回はかなり殻に癒着していて、全体を殻から剝がすのに苦労しました。貝柱、ヒモ、足(舌のように出ている水管の部分)が一体になって取れると良いのですが、けっこうバラバラに。
貝類は個体差がありますね。
本体以外の可食部は、不要な膜などを除き、酒に浸しておきます。
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本体は、烏帽子状の尖った側かなだらかな側、どちらから包丁を入れるんだっけ? とネットを見たら、そのサイトでは下の付け根から両断していました。
まあ確かに切り離してカットするから、どこからでも良いか、とそれにならって二つにカット。
茶色いワタを除き、こちらも酒に浸してしばし待機。
イサキの昆布締めを少し寝かせている間に、汁の具などを用意しておきます。
鍋に湯を沸かし、ホッキ貝の本体以外を酒ごと投入。こちらはちゃんと茹でて、ついでに出汁を取ります。
火が通ったらヒモ他は取り出し、食べやすいサイズにカット。
水を足してからイサキのアラを加えて煮て、こちらからも出汁を取ります。このとき、ホッキの本体部分を少しくぐらせて、半生くらいまで火を入れます。
その後、白菜と茸、今回は椎茸と茶色いえのきを加えて煮て、味噌󠄀を溶き入れて味噌汁の完成。
食べる直前に沸く寸前まで温めます。
イサキは皮付きのほうは平造り、昆布締めはそぎ切り。
カットしたホッキ貝と共に皿に盛ります。
ツマとか薬味などを添えれば華やかになりますが、今回は平日の夜でもあり、盛り付けは硬派(笑)に。
もともと、実食しないものでの過剰な飾りつけには懐疑的です。
ツマも薬味も、実際にタレに加えたり箸休めにいただけるものを美しく盛るのが本来の有りようだと考えています。
ひと足先に季節を感じさせてくれる、菜の花とうるいを買って来たので、辛子和えと酢味噌和えでいただきます。
めかぶのパックもあったので添えて、いざ晩ご飯。
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ご飯を炊いて刺身定食もアリですが、夜だしオールフリーを飲みながらいただくので良いでしょう。
昆布締めのほうは、ねっとりした身に旨味が凝縮されています。
九州土産でいただいた煎り酒の清々しさが合いますね。酒に梅干しなどを入れて煮詰めた、醤油の原型的な調味料。
湯霜にしたほうは、普通の醤油でいただきました。
ホッキ貝も、今回のように半生でいただくのがベストです。刺身の歯触りも楽しめた上で、加熱して旨味が増した味わいも充分に感じられます。
今年はできれば週一、少なくとも月に三度くらいは、丸の魚を捌いていただきたいな、と思います。
良い魚との出会いを願って。
あのお店にカワハギ(ウマヅラハギでも可)とか並ばないかなー!