見出し画像

たまには魚を捌いてみたり〜イサキの刺身2種

三連休の真ん中の日、じっくり料理と家飲みを堪能しようと、鮮魚が充実しているスーパーまで足を伸ばしました。

戻り鰹のサクがあり、好物だし今の季節じゃないと味わえないので購入。鰹たたきは年中ありますが、生の鰹は格別です。

ただ、今日は久しぶりに魚を捌きたいなー、と思っていたので、手頃なサイズのイサキも買いました。

お酒は「酔鯨」にしました。
宮城産の鰹ですが、鰹といえば土佐。高知のお酒は合うでしょう。そもそも酔鯨は好きな日本酒の銘柄、五本の指に入ります。

鰹は腹身をチョイス。ハラスの部分を切り分け、血合いも除きます。血合いは前の記事で小葱と味噌で和えてましたね。
身は塩水処理(3%くらいの塩水に少しつけて洗い、よく水気を切る)して、キッチンペーパーに包んでラップして冷蔵庫に待機。

さて、久しぶりに魚を捌きますか。
イサキちゃんの登場です。

イサキちゃん

☆ウロコかきで鱗をとり、胸びれの付け根と腹びれの付け根を結んだ斜めのラインで頭を落とします。
背骨は関節のつなぎ目に刃を入れれば切りやすいですが、ハサミでチョキン、でOK。

☆腹側から包丁を入れます。
まず、尾の方から腹びれに向けてスッと一本。包丁を切り進むガイドを作ってあげる感じ。
その線に包丁の刃を差し入れて、枝骨の上を滑らすように、背骨に当たるまで切り進みます。

☆次に背側。頭から尾の方に向かって、ガイドの一本をまず入れて、こちらも骨を感じながら背骨に向けて包丁を入れていきます。

☆背骨に到達したら、尾の方で腹側から背側まで刃を貫通させ、尾を押さえて頭の側に向けて、背骨でくっついている身を包丁で剥がします。
肋骨と背骨を切り離す際に、包丁でガガッと断ち切っても良いですが、ここもハサミでチョキチョキ切るのがラク。

☆片身を剥がしたら、裏返して今度は背側→腹側の順に包丁を入れて、こちらの身も背骨から切り離します。

今回は、この三枚おろしが、かつてないくらい上手に出来ました。

三枚におろされたイサキちゃん

☆片身の真ん中の赤いラインに沿って、いわゆる中骨があります。身の頭のほうは、中骨と肋骨がくっついているので、逆さ包丁でまずそれを切り離します。これもハサミが楽。
魚を捌くときのみならず、ハサミがあると料理の際は何かと便利です。
キッチン用のではなく、コンビニにある文房具のハサミを置いてあります。調味料の袋を開けたり、野菜を留めてあるテープを切ったりにも使えますし。

☆中骨を骨抜きで抜いていっても良いですが、今回は腹身と背身に割って、腹身のほうに残した骨のラインを削ぎました。
縦に割ってしまうと身が小さくなりすぎる小型の魚の場合は、切り離さずに中骨を一本ずつ抜いて、半身まるまる使うのが良いですね。

☆イサキは皮も美味しいので、半身は皮付きのまま湯霜にし、半身は昆布締めにします。
どちらも、まずは塩水処理して、残ってしまっている鱗などを除きます。

☆昆布締めのほうは、昆布をお酒に少しの間浸しておき、少しやわらかくなったら、表面の水気を除いて、イサキの身をサクのまま挟み、ラップでくるんで冷蔵庫へ。大きい身のときや、刺身パックのときはひと切れずつ昆布締めにしますが、その際は昆布で挟まずに片面のみでOK。
置いておく時間はお好みで、30分くらいで充分に身が締まり風味は入ります。あまり長く置いておくと、身の水分を持っていかれ過ぎて、ボロボロになってしまうので注意。

☆湯霜にするほうは、まな板に皮目を上にして並べ、キッチンペーパーを被せます。
傍らに氷水も待機。
沸騰したお湯をペーパーの上から、皮に沿わせるように注ぎます。皮がキュッと縮みますが、しっかり目にお湯をかけてあげて大丈夫。案外身の中まで火は入りません。皮と身の間のゼラチン質にちゃんと熱を伝えてあげるイメージ。
お湯を掛け終えたら、すぐ氷水に浸してそれ以上身に熱が入って煮えてしまわないようにします。
お湯の掛け過ぎで身が煮えてしまうことはまずないですが、その後すぐに冷やさずに放置してしまうほうが、身に熱が入り過ぎる事態が起こりやすいと思います。

右が昆布締め、左が湯霜造り。中央下は鰹のハラスの部分。

今回、湯霜のほうは、恐れずにもう少しお湯をしっかり掛けてあげたほうが良かったかもです。ちょっとビビり過ぎでした。

水タコの切り落としパックも添えて、赤身と白身と魚以外、刺し盛りとしては充分なラインナップてます。
大きいお皿に全て盛り付けることも考えましたが、総量とお皿の面積とのバランスが難しいので、それぞれで盛り付けました。

食べるのが主目的ではなく、見映え重視でツマや薬味を多用するのは気が引けるので、大根のツマその他はほとんど用いません。
ただ、鰹はあまりに無骨かなーと思い、申し訳程度に小葱を散らしました。
イサキのほうの大葉は、塩をパラリと振ってラップして常備してある塩大葉なので、色が悪いわけではありません。

この青いお皿いいですよね!
鰹を盛ってあるのが、先輩にいただいた皿で、大きさ3種類あり重宝しています。
美濃焼なんですかね、最近駅の構内に陶器市的なお店が出ていて、同じシリーズっぽい緑のお皿を見つけて買ったのが、イサキちゃんのほうの皿です。

鰹はにんにく醤油、イサキは山葵醤油、タコは塩胡椒レモン。

鰹は安定の美味しさ。意図的に三切れほど余して、にんにく醤油に浸して簡易的にヅケにしておき、イサキのアラを煮た出汁を注いで締めの汁にしました。

イサキは、湯霜も皮目の美味しさが楽しめましたが、今回昆布締めがびっくりするくらい美味しかったです。
程よく身が締まり、昆布の旨味と風味がしっかり感じられました。下ろしたてのフレッシュ感はなくなりますので、半分を湯霜にしたのは良かった。
アラからもいい出汁が取れ、一匹まるまる堪能しました。

ザク切りわさびを試しに買ってみたのですが、お刺身の薬味なら普通におろしてあるタイプが良いかもです。
ヤッコの薬味とか、茎の食感込みで楽しめる用途に使おうと思います。

今回のように、刺し身を複数用意すると、ひとりでは持て余すくらいの量になってしまいます。
お店でいただく刺し盛り、数種類の魚が楽しめるのは実はお得、というのがわかります。
「こんなの作れるならお店行かなくていいじゃん」みたいなことを言ってくれる友人もいますが、自炊することで、お店ならではの良さがむしろよく理解できます。洗い物しなくていいだけで贅沢ですよね。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?