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ジビエ「猪豚」は上質な赤身!
BARをやっている友人のシンガーソングライター(プロフィールがややこしいw)が、とある席で猟師の資格を持つ方とジビエの話をしていたら、本当に送ってくれたそうで。
冷凍庫がいっぱいだからお裾分けするよ、と言ってくれて、ひとブロックいただいてきました。
猪豚。
雄の猪と雌の豚との交雑種。
かつて北海道で、猪豚の畜産事業を展開しようと増やしていた人が経営難に陥り、牧場ごと放置して飛んでしまったそうです。
そこから北海道全域で害獣と化してしまい、北海道にしか生息していなかったはずが、いつの間にか本州にもいるようになったそう。
今回は鹿児島からで、彼の地にも稀にいるそうです。
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かなり大きいブロックですが、他のは4キロとかありそうな幅の広いので、これが一番小さかったです。
写真のように二つに分けて保存。血抜きはその道のプロがしてくれたそうで、見た目とてもキレイです。
赤身を削ぐように切り出します。皮は固そうなので一部は切ってみましたが、あとは残して、皮の手前までで切り取る形。
試しに一度、塩コショウで焼いてみます。
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おいしい! 上質な赤身で、臭みはまったく感じません。
豚よりも牛肉のような風味で、しっかり味のする肉。
これなら、あまり茹でこぼしたり臭み消しを加えたりしなくても大丈夫ですね、普通に料理しましょう。
まずは季節的にも鍋ですね。
かなり昔ですが、一度だけ両国にある「ももんじや」という猪を出すお店で牡丹鍋をいただいたことがあります。
あとは山梨でほうとうを食べた際に、猪入りがメニューにあったので食べたことも。
猪豚というのは初ですが、猪肉は美味しかった記憶があります。かつての印象よりも、今回の赤身は上品な印象。
友人とも「いい意味で予想を裏切られたね」と話しました。
かつて食べたどちらも味噌ベースだったので、今回も味噌でいきます。
知り合いの料理人に相談したら、三つ葉とかどっさり入れてもいいすね、とアドバイスをもらって、連想したのが、大学時代を過ごした仙台の名物セリ鍋。あれは鴨の鍋だったと思いますが、ちょうどスーパーに仙台のセリがありました。
というのは、三つ葉の香りが個人的にちょっと得意ではないんですよね。
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根までいただく(むしろそこが目玉)のでしばし水に漬け、しっかり土を洗います。
ただしごぼうと一緒で、元々食用に栽培されているものなので、神経質になりすぎずに野趣を楽しみます。
具材は他にささがきのごぼう、茸(舞茸と榎)。
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出汁は昆布と干し椎茸、かつおのあわせ出汁。
ペットボトルに作り置きして、翌日の蕎麦にも使います。
味噌に、にんにく一片と同量くらいの生姜をすりおろして加え、輪切り鷹の爪も少し。
混ぜ込んで、出汁でのばして溶けやすくしておきます。
出汁を沸かして味噌を入れたら、具材を煮て、猪豚は火を通し過ぎない程度に、さっと煮て完成。
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ポテサラは今回もいい感じに作ることが出来ました。きゅうりを厚めに切って食感を出し、岩下の新生姜の乱切りもいいアクセントに。
グリーンサラダも添えて、おにぎりはスーパーの「銀シャリおにぎり」を海苔で巻いた手抜きです。
味噌スープが抜群に美味しくなりました!
にんにく&生姜が程よく効いて、セリとごぼうの土の香りとマッチ。
それらを、猪豚からの出汁が滋味深さを増してくれている感じ。
しみじみ美味しく、身体があったまる汁になりました。
思ったとおり、煮ると猪豚の肉は固くはなりますね。
カレーも試そうと思いますが、こちらは長く煮込んで、柔らかくなってくれるか確かめてみます。
半分残してあるセリ他の具材は、醤油ベースの出汁に鴨肉を入れて、正統派の仙台セリ鍋にしようと思います。