【病院食の裏技】
前にも書いたが、病院食は美味しくない。
美味しいものもたまには出てくるのだが、全般的に美味しくない。
待ち遠しい昼食もあった。
それは、金曜日。
救いの金曜日だった。
毎週金曜日の昼食は、麺類が出てくるのだ。
中華麺、うどんにそばだ。
どの麺も腰がなく、ポソポソしているが待ち遠しかった。
娑婆に出て食べると間違いなく不味い。
しかし、金曜の麺類の日はとても嬉しかった。
それだけ、食の環境が悪かった。
特に美味しくないのが、白米だ。
どことなく臭い。食べてるうちに頭が痛くなってくる。
そんなもんが朝からどんぶり一杯でる。
当然の如く半分以上残す。
そんな時に、ナースが配膳を間違えて持ってきた。
なんと、そこには食パンがのっているではないか。
他の人の配膳を見回すと、間違いなくご飯食だ。
どういう事?
すかさずナースに聞いた。
「あれ?入院時に聞かなかった?パン食に変更できるわよ」とのこと。
入院時・・・苦痛の深夜入院か・・・
朝も脇阪の奴、何も言ってなかった。と言うよりも入院の説明すら皆無だった。
すぐさま「明日からパン食にしてください。」と哀願した。
おかげで、朝食は無事パン食になった。耳が固く昔の給食のパンを思い出した。
しかし、白米よりマシだった。
病院食のおかずで、かなりの頻度で出てくるのは「魚」だった。これがまた途轍もなく美味しくないのだ。
何って言っていいのだろうか?
噛むと魚の身が「軋む」そして「歯に挟まる」。
味はというと、焼きっぽいのも煮てる物も「全て同じ味」がする。
それも「何とも言えない臭さ」なのだ。
この臭いを嗅ぐだけで頭が痛くなった。
この様子に見かねたナースが「魚禁にする?」と言った。
なんとそんな裏技があったとは・・・
心の中で「もっと早く言ってよ~」と叫んだ。
当分、サバと鰆は口に入れたくないと思った。
つづく