風よあらしよ ②
返却予定日が来てしまった。まだ半分残っている。読み切れないから、ページをメモして返却することも考えた。しかし、予約待ち人が10人を超えているのを知り、次に届くのはいつになるかとぐるぐるする。
四日後には、別の予約本の引き取り期限が来る。どっちにしろ図書館に行かなければならないから、その日には是が非でも持って行かねばならない。
休館日を挟むので、その日に返却ポストに投函しよう!と決める。それで読み切れなければ、ページを控えて返却するほかない。
“読書”と意識して、本を読む時間を一日24時間のうちに設定するのは初めてかも知れない。今は亡き恩師の受け売りで、私の読書は常に、“ながら読書”であった。それを“読書”一点に集中させるのは、とても骨が折れた。丸二日、就寝前にやってみたが、眠気に負ける。多分、集中力が無いのだ。
休館日、まだ3分の1残っていたが、それでも普段読む本一冊分くらいの容量だ。したいこと、しなければならないことは山のようにあったが、優先順位を冷静に考えた。今日読み切れなければ、物語が止まる。
犬の昼寝に付き合って、花冷えから体を守るために布団の中で読んだ。その間、三度、意識が途絶えた。結局、三時間以上かかって完読した。
本を読むのって、こんなに時間がかかるのか…と思った。
ヒロインのイメージ像は、相変わらず黒島結菜だったが、ではその相手役は…と考えたところで、浮かぶ顔は西郷隆盛で、俳優ではない。俳優なら顔立ちの近い小澤征悦か…と考える。ヒロインとの年齢差が大きすぎて唸る。
午後は、登場人物についてネット検索した。ついでに、既にうちでは観られないチャンネルで放送が始まっている、ドラマの公式サイトも訪ねてみる。両者を総合して、キャストの顔触れに、なるほど…と思った。
後に離婚する良人や平塚らいてう役などに納得する。相手役は意外だったが、実物の写真を見たら、私の想像とはまるで違うのだとわかって、ないことはないのだと合点がいった。
本を読んでいる間、三角関係にあった妻か愛人は、江口のりこを想像していた。どちらかといえば愛人役の印象が濃い。しかし私の思うキャスティングは、年齢の振り幅が大きすぎて非現実的だ。
観られるチャンネルで放送されるのを、楽しみに待ち、見終わってやはり色々と思うところはあったが、そもそも寝落ちと闘いながら読破にこぎつけた分際。大きなことは言えないな…と思った。