1月28日 ①
眠れなかった。
思った以上に自分が打ちのめされているのだと知った。すっかり疲弊している。目標すら失ったから、今出来ることを探そうと思っても、こうして書くことぐらいしか思い浮かばない。だから書いている。誰の目に触れなくても、今書いたことが明日の私の力になると信じて。
本当はゆっくり、布団に入っていたかった。早朝にトイレを済ませた犬が、ずっと添い寝してくれているから、それに甘えた。しかし親が許さなかった。
「もう8時やで」
7時45分は8時らしい。起きて働けということか…。
一人暮らしならきっとそのまま布団から出なかっただろう。数年前でも籠っていたはずだ。しかし犬の朝散歩が私の仕事になって以来、午前中いっぱいを布団の中で過ごすことは無くなった。完全な夜型が、朝方になったのは正しいと思う。しかし心はバキバキに壊れ、正直打ちのめされていたから、今日くらいはじっとしていたかった。家族と暮らすということがそれを許してくれないのか、うちの親が子の心に添う気がないだけなのか、単に厳しいだけなのかは知らない。起きて散歩に出掛けたら、犬は再びトイレを済ませた。
土曜限定の家事労働を済ませ、遅い食卓に着いて付けたテレビに、商店街の小さな店に通う地元の人々を映す映像が流れた。アナウンサーになりたくて、大学卒業を控えた3月ぎりぎりまでに250社受けたが、全て不採用だったという女性がインタビューを受けていた。
250という数字に驚いた。私はそれほど受けていない。就職と転職ではその意味合いも違うところがあるように思うが、モグラ叩きのモグラみたいに、彼女は目標を達成するために叩かれても叩かれても頭を出すのをやめなかったのだろう。彼女のように、私は出来るだろうか?と思う。多分無理だ。目標を達成する前に潰れてしまう。
目標を失っていたが、今、ご当地アイドルとして別の道で頑張っているという。華やかさを纏った世界とはいえ、メディアで歌い踊るトップクラスとは明らかに違う立ち位置だからだろうか。辛いことや泣いてしまうことも多いと語っていた。一方で、私は希望を持ったのだ。道はひとつではない。人それぞれに輝ける道があるのだと。
歩きたくても歩けなかった道が、私にはいくつもある。こと、仕事に関しては、その時の状況でチャンスを無駄にしてしまったものも多い。昨日、リベンジを図って撃沈したものもそのひとつだった。
過去の状況と比べると、今回は明らかに時間がかかり過ぎている。その分焦りもするし、不安だって募る。それでも道はある。信じなければ、歩くことも探すことも出来ないではないか!
夕飯の下拵えをした後、犬以上に眠った。本当に、眠れていなかったらしい。