二本映画
日本映画…ではない。二本映画…である。
勿論、二本映画のうち一本は、日本映画…のこともある。が、滅多にない。ほぼない。あった方が不思議なくらいない。別に日本の映画が嫌いなわけじゃない。むしろ観ていて、「面白い!」と思うことの方が多い。多分…。多いと書いてちょっと心配になった。半分くらいは…と書いた方が無難か。
いやいや…そんなことはどうでも良い。
日本映画は…観ないのである。実際には観る。テレビで。劇場では観ない…という意味だ。話題作は大体一年後くらいにテレビでやる。話題作でなくても、割と二、三年で登場したりする。テレビに。なので観たい作品があっても、わざわざ劇場でお金を払ってまで観ない。そのうちテレビでやるだろう…と。図書館に予約した話題の本を待つくらいの気持ちでのんびり待ち、忘れた頃に届いて読む…みたいな感じ。待つこと前提なので、執着もしていないので、観たい!と思っても割と忘れるのである。
「観たい!」にも色々あって、「絶対観たい!」と思うものは観に行く。それが滅多にない、ほぼない、から外れた作品だ。「ちょっと観たい!」は沢山あっても、「絶対観たい!」ほどないから、私はテレビを待つ。
映画が好きだ。誰かと行っていた昔以上に、一人で劇場に出入りするようになって尚、好きになった。大体月に一回ペースだが、その一回に二本観る。だから二本映画だ。
観るのは洋画。観たい洋画すべてがテレビに登場するわけではないので、劇場に行かなければ観られないものも多い。テレビに上がったところで、日本語に吹き替えられたりするとがっかりするから、洋画は基本、劇場で観る。休日とサービスデーを照らし合わせてスケジューリングするだけで、わくわくする。だから新作と公開日が公表される度、休日の予定が埋まっていくのが想像出来て、それだけで愉しい。
スケジューリングしても、行こうとした直前に公開終了してしまうと、愕然とする。我ながら恐ろしく落胆する。正規の値段でも行けば良かった…とは思わず、なんでこんな早よ終わんねんっ!と思う。身勝手だ。
一ヶ月以上は上映していると思い込んでいるのに、二週間で終わってしまったりすると慌てる。「観たかったのに!」と。
多分、私が観たかったのは、人気がなかったか不評だったかなのだろうけど、ある程度映画の目利きは出来ると勝手に思っているので、私に観せてほしかった…と悔しくなる。だったら早く行けよ!という話なのだが…。
この月は、あまりにも観たい作品が多すぎるのに、サービスデーと休日が重なる日が一日もない。コロナが続いていた頃だったので、休みと人出が比例する年末年始の新作公開を控えていたのかも知れない。毎年、正月の二本立てを楽しみにするのに、この年は出来なかった。
二本映画して時々びっくりするのが、出演者が被るということだ。一本目に観た作品に出ていた役者が、二本目に観た映画にも出ている。びっくりする。素直に。これはちょっとした事件だ。私の中では…。
この日観たのは、『イン・ザ・ハイツ』、そして『ファイナル・プラン』だった。一本目に主演していた、アンソニー・ラモンが、二本目では脇役として活躍している。びっくり仰天だ。主役と脇役、役柄もまるで違う。
こういうことがたまにある。年に一回か二年に一回くらい。その度一人でびっくりしているのだが、この話、以前に何処かで書いた気がする。
デ・ジャヴか?
え?どっちが?