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尊大型ASDの父……カサンドラの母……優勝する私【自伝】

父は、グレーではあるがその傾向がある。
私たちは生まれてこのかた、カサンドラだった。

もう家族としては峠を越えているので、
少し…父との関係を主軸に…
成人辺りまでの人生を、振り返ろうと思う。

ち~っとだけ重い内容かもしれないけど、
だいじょうぶだぁ。
タイトル通り最終的には、優勝していくわよ…


父の特性

前提として愛はあるし、悪気はない。だが…

自分の価値観でしか物事を見れない
それにこだわり、ゴリゴリに押し付けてくる。

そして他者の感情を認識できない
正義は自分と信じているから、慮る発想がない。

ひとたび怒り出せば、話し合いなど不可能
うまくかわすしかなかった。

でも父は結局…不器用なだけなのよ
彼もある意味被害者なのよ。


幼少期

父は一人で一家を養う
いっぱしの薩摩藩士であった。

夫婦喧嘩は日常茶飯事チャメシ・インシデントだった。

私は、これが堂々巡りだという事を
感覚で理解していたのだが、
なんせ発言力が無かった。まだこどもなんで。

母の失敗や不手際を、ひたすら叱責。

これを正しい解決法だと思って、
悪意なくやるもんだから恐ろしく始末が悪い。

「おいどんは疲れて帰ってきちょるんに!」
「おめはないをしちょい!家事をちゃんとせんか!」

こんな感じならまだ可愛げがあったのだが…


母も母で、会津藩士だったため
徹底抗戦の姿勢を崩すことはなく…
ついには籠城戦まで始めてしまった。

「うっつぁしい!」
「おらのやる事さ、口出さねえで!」

母は意地でも屈することはなかったが…

ジリ貧なのは、火を見るよりも明らか。
悲劇が起こるのは、時間の問題だった。


両親が離れたら、私にとっても都合が悪い。

最善の未来を掴む為、私の選択は…
夫婦仲を、取り持つように努めることだった。

幼い私は…
果てしなき戦いの火蓋を、そっと切った。
切るしかなかったのよ…


私の安全地帯

だが、常にそんな環境では精神がもたない。
安置となる、逃げ場所が必要だ。

それが、漫画やゲームの世界だった。
特にゲームは、本当に夢中になった。

広がる世界、彩る音楽、胸躍るストーリー。
躍動するキャラクター達。息づく世界。

すべてが、輝いて見えた。
すべてを、忘れられた。
すべては、ここから始まった。

それを私に与えたのも…
他ならない、父だった。

漫画やゲームの話をしている時だけは…
父と対等に、話せている気がした。


思春期(中学~)

中学生になる頃、ふと考え始める。

いつまで、うちの家族はこうなんだ?
なぜ余計な事で神経を削られにゃならんのだ?
いつになったら父は学ぶんだ?

もうやめましょうよまるで!!!バカじゃないですか!!?!!!」
いくら叫んでも、戦いは止まらない。

私はどうしたら、いいんだ?
終わりが、見えない。

そうだ…
たとえ馬耳東風だろうと…念仏だろうと…

違う価値観、人の心理を刷り込んでいけば…
何度も何度も、ゆっくり問いかければ…
父もいつかは、分かってくれるかもしれない。

できるのは、私しかいない。人知れず…
「親父補完計画」が動き出したのだ。

親を補完しようだなんて…(セルフツッコミ)


そして母は…私と心理的には同じタイプだった。
まさに、波長が合うふたりだった。

私が自然に…あっけらかんとしているだけで。
母の話にただ、静かに寄り添うだけで。
お互いの気持ちを、支え合う事ができた。

思春期だったが…
私に反抗している暇などは、どだいなかった。


そして祖父にも…とても助けられた。
ありがとう。


青年期(高校~)

すったもんだでいろいろ疲れてきた私は、
すっかりニヒリストとなっていた。

普通科?嫌だね、もう飽きた。
必死で勉強したって辿り着くのは…どうせ社畜さ。
自由ありきの人生だ。ほどほどでいいんだよ

私立じゃお金がかかるよね?
受験で背伸びはしないよ。
それなりの高校で、適当に実践的な事を学ぶさ。

ゲームと漫画が楽しめる環境なら何だっていい。
もう…それ以上は望まないよ。

受験前日の夜も日常通りゲームをしていたし、
入学してからもそれは変わらなかった。

そんな有様でも、それなりの成績だった
私を見て父は…
「コイツ、すごくね?」と勝手に思っていた。

高卒で就職したので、大学受験のレベルを
知らないのだ。越えるハードルが低くて助かる。

そして高校を卒業する頃…
ある大事件セカンドインパクトが勃発し、それが結果的に父に対して
ショック療法じみた効果を発揮することになるが…

それはまた、別のお話。そのうち書くわよ…

成人後(大学~現在)

そうして…色々あったが…
なんだかんだで新卒カードは手に入れた。

それが偶然クリティカルヒットし、
怒る父も黙る純白企業に就職できてしまった。

それをもって…
父のプライドであった「職業」において…
完全勝利することができたのだ。

結局…
最後は実力で黙らせることになった。

今では…
対等以上の関係で話し合いができているし、
自分の意見も余裕で通せる。

親父補完計画も、実を結んでいると…思いたい。
実力行使しようが、
関係が破綻していれば無意味だから。


確固たる自分を保ちながら…
語りかけ、問いかけ続ける。
それしかないと思う。

忍者とは…忍び堪える者のことなのだから。


長き戦いも、ついには終わった。
今でも局地戦闘はあるが…小競り合い程度だ。

まったく…世話の焼ける奴らだわ。


長くなったけど…
とりあえず…優勝ってコトでいいかしら…

さて…次は何で優勝してやろうかしらね…?


あ、そうそう…
「面白いから普段も薩摩弁で喋りなさい」
っていう法案はまだ通せないわ…

ウフフ…さては恥ずかしがってるのね…


クク…また会いましょう…

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